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いま、放牧を見直す

 農林水産省草地試験場 放牧利用部長 岡 田 清


1 何故、いま放牧なのか

  円高基調が長く続き、 安い輸入飼料を安定的に確保できたことなどから、 我が国
の肉用牛・酪農経営は輸入飼料への依存度が高く、 世界の飼料穀物の需給変動に左
右されるため、 生産基盤は極めて脆弱である。 
 
 そもそも牛等草食家畜は繊維を始めとする植物体中の栄養成分を有効に利用する
ための特別の消化器官である 「反芻胃」 を備えており、 粗飼料を主体とした飼養に
適した家畜である。 しかし、 現実には、 高位生産を狙うあまり、 濃厚飼料を多給す
ることになり、 代謝障害、 生産病、 日和見病等を多発させる大きな要因ともなって
いる。 また、 舎飼い主体で、 飼料の調製・給与、 ふん尿処理等全て人間或いは高額
の機械・施設を導入して管理しなければならないという問題もある。 
 
 家畜が本来備えている機能を最大限に活用し、 家畜の健康に良く、 人にはゆとり
を生むような経営への転換が必要である。 作物生産にしろ、 家畜生産にしろ、 その
地域の自然条件、 土地に根ざした形で展開されているのが基本であり、 日本のよう
に大量の外国の飼料作物に依存していてよいのだろうか。 これまで、 畜産技術・経
営のお手本としてきたアメリカにおいてすら、 効率主義の集約的農業生産に対する
見直しが始まり、 低投入持続型農業の必要性が掲げられている。 すなわち、 自然生
態系における物質循環を考慮し、 資源と環境を保全しつつ生産をあげようとする生
産体系の確立が求められている。
 
 放牧は省力効果ばかりでなく、 牛の健康増進、 あるいは施設・機械費、 栄養剤、 
治療費等の低減効果もある。 また、 当然のことながら、 放牧は土地の飼料生産量に
見合った頭数に限定されるため、 ふん尿の圃場還元が無理なく行われ、 環境負荷の
心配もいらない。 このため、 放牧は今後ますます激化することが予想される国際競
争に打ち勝つための切り札として大きな期待が寄せられている。

 写真1 北海道斎藤牧場
 
 さらに、 昨今は平場においてすら遊休地、 耕作放棄地が増加しており、 中山間地
においては担い手の不足や高齢化の進行に伴い、 農業生産活動の停滞、 国土・環境
保全等多面的機能の低下すら懸念される状況にある。 また、 これまで畜産の進出が
難しいと考えられていた林業の領域でも管理が行き届かず、 むしろ積極的に家畜の
力を借りて、 下草をよみがえらせ、 地表土の流失を防ぎ、 美林を維持する必要性が
高まっており、 放牧の場は十分に確保できる状況にある。

2 これまでの放牧の問題点
  草地の造成・整備には、 国・県・生産者を挙げて精力的に取り組んできたところ
であるが、 放牧の普及・定着は遅々として進まず、 折角造成した公共牧場の荒廃化
が問題となっているところもある。 その原因としては、 円高基調が長く続き、 安い
購入飼料を安定的に確保できたため、 飼料基盤の拡大・整備への意欲あるいは必要
性が低下したことが挙げられる。 また、 飼養頭数の規模拡大により、 日常の飼養管
理に追われ、 新たな生産技術・体系を導入する資金的、 精神的なゆとりも生まれな
かったことが挙げられる。 無論、 放牧したくとも、 土地基盤に恵まれない生産者も
非常に多い。 しかし、 そのような生産者といえど、 公共牧場等を積極的に利用して
いない事例が多い。 これは放牧に対する不信感が非常に高いことに起因しているも
のと考える。 

 放牧に取り組んだ当初は、 経験不足のため期待を裏切られることが多かったこと
は確かである。 草地造成にしても、 ブルドーザー等の大型機械を導入し、 立木、 野
草はもちろん、 表土まで剥ぎ取り、 これを草地の片隅に押しつけるものであった。 
そのため、 牧草の必要とする肥料成分まで除去することになり、 これをカバーする
ため、 化学肥料を大量に施用せざるを得ないことになった。 しかし、 このようなや
り方は造成費が増加するばかりでなく、 草地の永続的利用をも困難とした。 また、 
傾斜地においては土壌浸食等の誘因ともなった。 
 
 また、 放牧用草種として、 それぞれ風土の異なる地域に適した草種が導入されな
かったことも大きい要因である。 オーチャードグラス、 チモシー、 トールフェスク
等の高収量・高栄養の長草型改良牧草が主に導入されたが、 いずれも放牧には向か
ないものであり、 スプリングフラッシュ以後の伸び切った牧草は嗜好性が極端に落
ち、 ほとんどが踏み付けられて利用されないことになった。 また、 採食してもその
消化率が低いため、 草地の利用率は極めて低いものであった。 また、 このような草
種は放牧による蹄傷・踏圧に対する抵抗性も弱く、 温暖で降雨量の多い関東以南で
は、 雑草・灌木の侵入を招きやすい欠点があった。 したがって、 利用年数も当然短
く、 数年毎に更新を要する等の手間も費用も要する欠点があった。
 
 放牧牛の管理技術の拙さも放牧に対する不信感を抱かせた大きな原因となってい
る。 その一つが子牛あるいは放牧経験のない成牛を直接放牧に出すことであった。 
環境の急変によるストレスは想像以上に厳しく、 かつ初めて外へ出された牛は草の
食べ方も知らない場合が多い。 したがって、 牛舎に隣接する草地に入れて、 放牧時
間を徐々に延ばし、 十分に馴致しておく必要がある。 これを怠ると、 入牧初期の体
重減少の程度が大きく、 体重回復に要する期間も長くなり、 1か月以上も回復しな
い場合も珍しくない。 また、 このような発育停滞期間は体力も低下しており、 ピロ
プラズマ病等各種疾病にかかりやすくなる。 
 
 従来の放牧で最も悪評を呼んだのは、 牛の発育ステージに応じた増体、 泌乳量に
応じた適切な栄養管理が行われていなかった点である。 その典型例として 「代償性
発育により、 放牧期間中の発育の遅れは全く心配ない」 と関係者の一言が挙げられ
る。 しかし、 発育の回復には当然、 限度があり、 日増体量が0.6kgを割るようでは、 
完全にこじれてしまっており、 その後の回復は不可能である。 このことを生産者自
ら或いは素牛購入者が身を以て体験するところとなり、 放牧離れが急速に進むこと
になった。 肉牛の場合には、 初期成育の遅れは出荷月齢を遅らせると共に、 十分な
脂肪交雑を期待できないことが多く、 特に、 優良系統の雌牛、 子牛は山から撤退す
ることになった。 乳牛の場合には、 初産時の泌乳量が落ちることから敬遠されるよ
うになったと考えられる。 また、 一部では事故死等もあり、 放牧の人気は急落する
ことになったものと考える。 


 
3 進歩の著しい放牧技術
  上記のような放牧技術の稚拙或いは過ちが重なり、 「放牧は駄目」 といった認識
を植え付けることになったと考えられるが、 その後の放牧管理技術の進展には目覚
ましいものがあり、 舎飼いと対比して何ら劣ることなく、 経営収支・家畜福祉・ゆ
とりの面では逆に、 放牧飼養の方が優れる事例が多くなってきている。 次に、 その
基幹となる技術のいくつかを紹介することとする。 


1) 生態系の維持・環境保全に配意した草地造成・管理

 先ず、 放牧専用地の造成に当たっては、 極力、 機械を使用せず、 蹄耕法と呼ばれ
る牛の力を利用した造成法を主体とすることである。 自然の植生、 地形をあるがま
まの姿で利用し、 山林・原野を見事な草地に変えることが可能である。 無論、 採草
地、 採草・放牧兼用草地では機械作業が可能なまでに地形・斜度を修正する必要が
あるが、 その場合でも、 必要最小限度にとどめ、 従来の全面耕起のような耕種的造
成を回避する必要がある。 


2) 風土及び放牧に適した草種の選定
 
 また、 草種としては、 蹄傷に強く、 粗放管理に耐え、 かつ土壌保全効果の高いも
のを選ぶ必要がある。 このような条件を満たすものとして、 我が国固有の牧草であ
る 「シバ」 が挙げられる。 シバは日本の風土に適応し、 進化した草種であり、 牛の
踏圧にも強く、 急傾斜地においても地表を覆う特性があり、 また、 施肥を行わなく
ても長期にわたって維持が可能であるという優れた特性を有する。 シバの年間の乾
物収量は、 見かけ上の草丈の低さに反して意外に高く、 管理の行き届いた草地では、 
10a当たり500〜1, 000kgと一般の寒地型牧草に劣らず、 牧養力も400〜700カウデ
ー (牛の牧養日数:成牛 (500kg)を1日放牧すると1カウデー)と高い。 シバは東
北以南が適地であるが、 北海道ではシバと同様の特性のあるケンタッキーブルーグ
ラスが利用されている。 むしろ、 これまで野草あるいは雑草と扱われてきたシバ、 
リードカナリーグラス、 ケンタッキーブルーグラスは再生力が強く、 強度の放牧に
も耐えることから、 放牧適草種として高い評価を受けることになった。 同様に、 短
草型のペレニアルライグラス、 シロクローバも高栄養で、 かつ永続性に優れること
から適草種として推奨されることになった。 
 
 さらに、 同草種でも草高が高くなると消化率が低下し、 採食量はこの消化率によ
ってほぼ決定される。 したがって、 短草型草種、 長草型草種のいずれの場合でも、 
放牧回数を増やし、 伸び過ぎない内に利用する必要がある。 


3) 牧草の季節生産性に対応した栄養管理
  
 牧草の生産量の季節変動が非常に大きいため、 これに見合った牧区面積の設定、 
あるいは放牧圧をかける必要がある。 特に、 春には牧草の生育速度が高く、 放牧牛
が利用しきれないので、 余剰草は利用されず枯死してしまったり、 踏み付けられて
しまうので、 これを刈り取って備蓄する必要がある。 牧草成分も、 季節変動が大き
く、 早春では粗蛋白含量、 消化率とも非常に高い値を示すが、 2番草以降、 夏期高
温時には繊維成分が増加し、 消化率は次第に低下し、 7月下旬には50%までに落ち
込んでしまう。 このため、 不足する乾物量、 エネルギー、 蛋白等を別途サイレージ
、 乾草等の補助飼料を併給する必要がある。 このような栄養管理を行うことにより
、 黒毛和種の育成牛で0.67kg、 ホルスタイン種去勢牛で0.85のkg日増体量が得ら
れることが実証されている。 また、 搾乳牛では8,000kg程度までは放牧のみで飼養
可能であることが実証されている。 


4) 採草・放牧兼用利用

 放牧により草地の持続性が低下するものではなく、 適正放牧により、 長期維持が
可能である。 むしろ採草専用草地の持続性の低下が大きく、 採草利用を続けると、 
3〜4年目以降急速に低下する。 しかし、 このような草地においても、 下図に示す
ように、 採草利用後に放牧を行うことにより、 長年にわたり高い生産量を維持する
ことが可能となる。 


5) 放牧馴致

 放牧馴致も重要で、 育成初期より屋外又は放牧草地に出し、 足腰を鍛えると共に
、 自然環境にも順応させる必要がある。 このような馴致を経た牛は周年放牧に耐え
ることは無論、 雪中、 極寒にも充分に耐え得るようになり、 牛自体も非常に強健と
なる。 このため、 代謝障害、 疾病の発生がほとんどなく、 耐用年数も大幅に延びる
ことになり、 中には衛生・治療費がほとんど皆無に近い事例もある。 


6) 放牧管理の省力・自動化

 放牧牛を舎飼いと同様な綿密管理を行うには、 多大の労力を要し、 従来の管理方
式では対応できないとされていたが、 以下に紹介するような簡単な機械・施設を利
用することによって、 舎飼いと同様の綿密な管理が可能となっている。 いずれも低
コストで、 機構も簡単なので個別経営でも導入可能と考える。
 
 草地の利用効率を高めるには、 牧区の面積を小さくする必要がある。 しかし、 収
穫調製・施肥等管理の面からは、 逆に、 牧区はできるだけ大きいことが必要となる。 
このため、 外柵は丈夫な高張力線牧柵で囲うが、 内柵は取り外しの容易なポリワイ
アー製の電気牧柵を使用する必要がある。 



写真2、3 釣り竿に電牧線を巻きつけただけのゲート。学習した牛はゲートが降
りている間は近寄らないが、ゲートを開けると別の牧区へ移動する。人手をかけず
に、綿密な放牧管理が可能となる。
            
 
 牧区移動を行うための自動ゲートも開発されており、 開閉操作はタイマーによる
自動制御と、 手動及び無線による遠隔操作で行うことが可能である (写真2、3)。 
牛は事前に電気牧柵に慣らしておくと機器を破損することもなく、 数日の練習で自
動転牧が可能となる。 誘導ブザ−の可聴距離は200mで、 牛は作動と同時に移動を
開始する。 この門扉は電気牧柵機以外の牧柵の入り口にも、 設置工事なしに簡便に
利用することができる。 本機の導入により、 早朝門扉を開放して草地へ牛を追い込
むことや、 日中の牧区の移動で門扉の開閉、 牛の誘導作業が省略される。
 
 放牧牛の発育状態の把握、 健康管理及び繁殖管理を行う上で、 誘導・捕獲は欠か
せない作業であるが、 人手と時間を要することから、 大変な作業であった。 しかし
、 これも無人操作が可能となっている。 さらに、 発情牛・異常牛の発見と対象牛の
自動誘導・捕獲装置の開発が進んでおり、 放牧牛といえど、 舎飼い牛と全く同様な
綿密な管理が可能である (写真4)。 

写真4 自動飲水装置で飲水しているところ。飲水量と体重を個体別に自動計測す
るとともに、異常牛、発情牛をこの場で検出し、自動的に捕獲用の柵内に誘導する。
4 今後の展開方向
  世界の土地利用実態をみると、 永年草地が32億ha強あり、 これは全陸地の25%、 
農用地の70%近くに達する。 こうした草地は乾燥・半乾燥地域、 寒冷地域、 山岳地
域、 不良土壌地域など劣悪な自然環境の地域に多く、 草以外育たない場合が多い。 
 
 したがって、 草食家畜を飼養する以外に生計を立てる手段を持ち合わせていない
場合が多い。 しかし、 その命と頼る草地が過放牧により砂漠化が進行しつつあり、 
これをくい止めるための努力が傾注されていることは周知の事実である。 
 
 これに対し、 我が国の気候は温暖で、 降雨量も多く、 全土が緑化植物で被覆され
ており、 多くの公共牧場にみられるように、 放牧頭数が少なすぎて灌木が生えてく
る程、 自然環境に恵まれている。 しかし、 永年草地として利用されているのは、 陸
地の僅か1%に過ぎない。 我々はこれらの豊富な資源を積極的に活用して世界的な
食糧問題に貢献する義務を有すると考える。 

  「我が国はアジアモンスーン地帯に属するため、 草地の造成・維持が困難で、 放
牧は適さない」 との持論を唱えている人もいるが、 認識不足もここまでくると、 説
明する意欲すら失せてしまうことがある。 このような方々には、 生産現場にまで足
を伸ばすことをお勧めしたい。 草地は適度の放牧を行うことにより、 半永久的に安
定的に持続可能であることが、 一見して、 お分かりいただけるはずである。 冒頭の
写真1は乳牛が造成した草地であり、 公園並或いはそれを上回る美観を呈している。 
生産力も十分にあり、 搾乳牛の飼養が可能である (北海道斉藤牧場)。 写真5は山
全体をシバ草地が覆い尽くし、 降雨量が多く、 急傾斜地にもかかわらず、 土壌浸食
も全くなく、 永年的利用が可能となっている (高知県斉藤牧場)。 


写真5 高知県斎藤牧場

 また、 我が国は土地が狭く、 畜産先進国のように、 放牧なり、 採草地として利用
する土地基盤がないと言われるが、 全国の草地開発可能面積は斜度0〜8°の緩傾
斜地が227,000ha、 8〜15°が376,000ha、 さらに15°以上が285,000haあり、 その
総計面積は888,000haにも達する。 この内、 北海道が約50%を占め、 残り半分が都
府県の総計となる。 都府県を大きなブロックにまとめると、 東北が約1/4を占め、 
次いで九州、 中国・四国、 関東の順となる。 無論、 開発は容易なことでなく、経済
及び生活が安定するまでには、 多くの難問、 障害が横たわることが予想されるが、 
土地基盤は十分にあるといえる。 

 さらに、 耕作放棄地は近年増加傾向にあり、平成2年度には151, 000haに達して
いる。 地域類型別にみると、 農業が生活の基盤となっている中間・山間地域での放
棄率が高くなっているのが目立つ。 面積では中山間地域が多いが、 平地農業地域で
もかなりの放棄地があることから、 積極的な活用が望まれる。 地域別の面積につい
てみると、 東北、 関東・東山、 九州に広大な放棄地がみられる。 放棄率では北海道
、 東北、 北陸が低く、 中国、 四国、 東海、 近畿が高くなっている。 注目すべきこと
は、 我が国の畜産の歴史上において、 初めて水田転作目的で飼料生産が行える時代
を迎えていることであり、 水田に放牧を導入する試みすらなされており、 成果が待
たれるところである。 

 これまで地域住民の生活と密接に関与してきた里山、 裏山も有効に利用されず、 
荒れたまま放棄されている事例が多い。 その原因としては、 安い輸入材による需要
減と放牧の放棄が考えられる。 牛は下草を採食し、 蹄で地面を耕し、 森林の維持に
深く寄与することから、 「山の管理人」 とも言われてきた。 人手不足で管理も思う
にまかせぬ今こそ、 林と畜が結び付いて、 林内に牛を導入する必要がある。 そうす
ることによって、 材木が販売できるまでの長期間の無収入状態から解放されること
になる。 また、 下草がよみがえり、 地表面の流失が防止されることによる環境保全
効果も期待できる。 

 環境汚染の元凶として家畜排泄物が目の敵にされているが、 1ha当たり3頭程度
の放牧では、 排泄されるふん尿中の窒素量では牧草の必要量すら満たさないので、
富栄養化の心配はなく、 むしろ不足するので、 マメ科牧草の導入或いは窒素肥料の
施用が必要である。 カリは尿から大量に排泄されるが、 植物中にも吸収されやすい
のでミネラルバランスに配意する必要がある。 リンについては難溶性に変化し、 不
足を来す場合が多い。 いずれにせよ、 放牧期間中の環境負荷はほとんど問題になら
ないレベルである。 汚染が心配されるのは水源地内に直接排泄されるふん尿であり
、 飲水施設を別途作成する必要がある。 山地においては沢水と一緒に流される恐れ
があるので、 写真6のような貯水池を適宜設け、 ふん尿を沈殿させると共に、 水草
、 魚による浄化促進を図る必要がある。 

写真6
 
 放牧の主たる導入地域は中山間地域と考えられるが、 現在、 中山間地域におい
ては過疎化、 高齢化、 担い手の不足が深刻化している。 このため、 畜産を軸とし
て、 林はもとより他の耕種農業と手を携えて、 地域に活力を呼び戻していただき
たい。 また、 このような多面的機能の維持に当たる方々に対しては、 お返しとし
て報酬を給付する義務を国民の全てが有するものと考える。 
  
 

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