豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇

2月−71,471トン (▲3.9%) 

・母豚の減少等から、 と畜頭数は、 1,346,744頭 (▲4.9%) と前年同月を下回っ
 て推移

・平均枝肉重量 (全国平均) は、 75.8kg/頭 (1.1%) と8年7月以降前年同月
 を上回って推移

◇図2:豚肉の輸入量◇

2月−19,694トン (▲21.4%) 

・冷蔵品は、 一定量のテーブルミート需要から、 10,483トン (▲2.8%) 

・冷凍品は、 在庫が十分にあること等から、 円安等で価格の上がった米国産が大
 きく減り、 9,211トン (▲35.5%)。 

◇図3:豚肉の国別輸入量◇

2月の米国産−5,287トン (▲4.9%) 

・冷凍品は円安や3月末までのSG・SSGの重複発動により、 関税水準の下がる4
 月以降の輸入の方が割安なこと等から、 518トン (▲30.5%) 

2月の台湾産−8,776 (▲43.8%) 

・冷凍品は、 3,901トン (▲62.0%) 

◇図4:豚肉の推定出回り量◇

2月−110,072トン (1.4%) 

・輸入品は、 高水準の在庫取崩しにより前年同月比14.0%増

・国産品は、 生産減から前年同月比4.4%減

◇図5:豚肉の家計購入量 (1人当たり)◇

2月−390g (▲1.9%) 

・暖冬でなべ物需要が低調等から前年同月を下回る 

・1月の加工仕向肉量は、 ハムの生産量減少等から24,754トン (▲ 2.8%) と6
  カ月連続で前年同月を下回る 

◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇

2月−152,623トン (64.3%) 

・在庫の取崩しは緩やかに進むが引き続き高水準

・国産品17,467トン (49.9%)、 輸入品135,156トン (66.4%) 

◇図7:豚肉の卸売価格 (東京・省令) ◇

2月−461円 (▲14.2%) 

・連休前に品薄感等から一時、 引合いが強まり500円超えもあったが、 月平均で
 は前月比43円高

・3月 (速報値) は、 台湾での口蹄疫発生による輸入禁止措置等から、 下旬に一
 時、 600円超えもあり、 月平均では481円 (0.4%) 

◇図8:国産豚肉の仲間相場 (冷凍品)◇

2月の冷凍品 「うで」 −390円 (▲19.1%) 
   同   「もも」 −442円 (▲18.3%) 

・冷凍品は底値を脱したとみられ、 総じて前月を上回り、 ロイン系を中心に前年
 同月をも上回る

・冷蔵品は、 昨年が高値だったこともあり、 全品目が前年同月を下回る

・3月後半は、 台湾での口蹄疫発生による輸入禁止措置等から品不足となり、 全
 品目が急反発

◇図9:輸入豚肉の仲間相場 (冷蔵品) ◇

米国産ロース−2月880円/kg (4.8%)、 3月912円/kg (8.6%) 

・台湾産同品目の価格を上回る

・3月後半は、 台湾産輸入禁止による代替需要等から米国産値上がり

◇図10:輸入豚肉の仲間相場 (冷凍品)◇

台湾産 「もも」 −369円/kg (▲35.1%)、 3月415円/kg (▲24.5%) 

・デンマーク産 「ばら」 は、 在庫の減少やオランダでの豚コレラ発生によるEU域
 内の品不足の影響等を受け、 673円/kg (9.4%) と続伸


トピックス(1)
徐々に大きくなる豚

◇図11:豚平均枝肉重量◇

 平成8年7月から、 豚の枝肉重量は前年同月を上回って推移している (図11)。 

 関係者の話によると、 今までは、 重量の大きい枝肉は買いたたかれる傾向があ
り、 あまり大きなものは作らなかった。 その中で重量が増えた原因としては、 

1. 夏場に出荷頭数が少なくなることに加えて、 狂牛病やO−157の問題から、豚
  肉に牛肉の代替需要が出たこと等により価格が上昇し、 枝肉重量の大きなも
  のでも価格が良かったこと

2. 平成8年10月1日より枝肉取引規格が改正され、 上物の規格 (重量) が重
  い方へややシフトした。 

などがあげられた。 

 このため、 枝肉重量を増やそうとする動きがあり、 肥育期間を1週間から2週
間程度延長する農家が増えているそうである。 

 また、 肉豚用の配合飼料生産量も、 平成8年7月以降前年同月を上回って推移
している (図12) 

◇図12:肉豚用飼料生産量◇

(参考) 等級 「上」 皮はぎ重量 (kg) 

 改正前 31.0〜39.0
 改正後 32.5〜40.0


トピックス(2)
食肉等の期限表示の義務づけについて

 食品の日付表示については、 平成6年12月27日付けで食品衛生法施行規則、 乳
及び乳製品の成分規格等に関する省令及び栄養改善法施行規則の一部が改正され、 
従来の製造年月日等の表示から期限表示に移行する制度が、 平成7年4月1日に
施行された。 

 その後、 2年間の経過期間 (この間は従来の製造年月日等の表示を行うことも
可能) を終了し、 本年4月1日から期限表示が義務づけられることとなった。 

 これは従前の製造年月日等の表示では、 食品衛生上期待される本来の機能を果
たしているかどうかについて、 製造年月日の特定の可否や国際的整合性の問題等
も含めて、 平成4年以来検討が重ねられ、 現在の姿になった。 

 食肉関係では、 食肉製品及び食肉 (容器包装に入れられたもの) が適用対象品
目となっているので、 改めて確認しておきたい。 




1 期限表示は、 食品が製造又は加工された日からいつまで食べられるかを製造
 業者が保証するもので、  「消費期限」 と 「品質保持期限」 の2つがある。 

 1)  「消費期限」 とは、 定められた方法で保存した場合に、 腐敗など食品の劣
   化に伴う衛生上の危害が発生する恐れがないと認められる期限を示す年月
   日である。 製造又は加工の日を含めておおむね5日以内に消費すべき食品
   に付けられる表示で、 例えば、 店頭で販売される容器包装に入れた食肉が
   ある。 

 2)  「品質保持期限」 とは、 定められた方法で保存した場合に、 食品のすべて
   の品質の保持が十分に保たれていると認められる期限を示す年月日のこと
   で、 消費期限表示の食品に比べ、 品質が比較的に劣化しにくい食品につけ
   られる。 例えば、 冷凍食肉、 冷凍食品、 ハム・ソーセージがある。 

2 期限表示は、 定められた方法により保存することを前提としているので、 期
 限表示と併せて保存方法の表示も義務づけられている。 保存方法の表示は、 流
 通、 家庭などにおいて可能な保存方法であり、 例えば、 食肉の場合には 「保存
 温度−15℃以下」 などのように具体的で分かりやすく、 期限表示にできるだけ
 近い位置に記載する。 

3 期限表示の期限については、 原則として、 製造又は加工を行う営業者が設定
 し、 輸入食品等については輸入業者等が設定する。 

  営業者は、 原材料の衛生状態、 製造・加工時の衛生管理の状態などにより期
 限が決まるため、 その食品に関する知識や情報を熟知する必要があり、 微生物
 試験、 理化学試験及び官能検査の結果に基づき、 科学的・合理的根拠に基づい
 て定めることになる。 

  したがって、 営業者は、 製造又は加工に当たりその安全責任が大きくなった
 ことを認識する必要があり、 消費者から自ら製造又は加工した製品についての
 照会があった場合には、 適切に対応できるようにしなければならない。 

  食肉関係者が、 この制度の趣旨を十分に理解し、 期限表示が適切に実施され
 ることを願う。 

参考資料:厚生省生活衛生局乳肉衛生課 井関法子
     「食品の日付表示に係る基準の改正について」 
    (『畜産の情報 (国内編)』 95年6月) 


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