牛 肉・肉用子牛

牛 肉


◇図1:牛肉の生産量◇

2月−29,127トン (▲5.6%)

・7年11月以降、 前年同月を下回って推移

◇図2:牛のと畜頭数◇

2月の和牛−45,991頭 (2.5%) 

・14カ月連続で前年同月比マイナスの後、 1月に続いて前年同月を上回る

乳牛−56,734頭 (▲9.0%) 

・特に乳去勢は、 母牛頭数の減少に加え、 6年夏の猛暑による分娩頭数の減少等
 から9.7%減

◇図3:牛肉の輸入量◇

2月−39,209トン (▲9.9%)

・輸入牛肉の売れ行き不振、 円安等に加え、 特に冷凍品は、 4月からの関税引き
 下げを前に未通関玉が増えて大幅減

◇図4:牛肉の国別輸入量◇

2月の米国産−16,067トン (▲15.7%) 

・在庫十分とみられるばらを中心に冷凍品の輸入が引き続き減少

豪州産−20,577トン (▲7.2%)

・冷凍品は▲3.4%まで回復、 冷凍品は未通関玉もあり18.1%減

◇図5:牛肉の推定出回り量◇

2月−71,343トン (▲9.2%) 

・輸入品は、 ▲11.2%と減少傾向止まらず 

・国産品は、 生産減から同じく6.2%減 

◇図6:牛肉の家計購入量 (1人当たり) ◇

2月−250g (▲12.4%)

・BSE 報道や病原性大腸菌O−157食中毒の影響等から、 8年3月以降、 前年同月
 を下回り、 依然回復せず

◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

2月−92,359トン (2.1%) 

・SG発動前に積み上がった輸入品在庫は、 7月をピークに徐々に減少

・未通関在庫は、 4月の関税引き下げを前に1月よりも約6千トン増加

◇図8:牛肉の卸売価格 (東京・省令) ◇

2月−1,193円 (14.7%)

・生産量が減少傾向の中、 国産品への人気集中、 品揃えのきく大都市の市場に買
 いが集中していること等から、 引き続き高水準

◇図9:牛肉の卸売価格 (和牛去勢・東京)◇

2月のA5−2,311円/kg (▲2.1%) 

・高級品A5は、 9年1月を除いて引き続き前年同月を下回って推移

A3−1,634円/kg (10.6%) 

・A2、 A3は、 量販店の和牛取り組み強化等から、 引き続き好調

◇図10:牛肉の卸売価格 (乳去勢・F1去勢、 東京)◇

2月の乳去勢B2−905円/kg (35.3%、 前月より65円高) 
2月のF1B3−1,360円/kg (10.4%) 

・頭数減少の中、 輸入牛肉から国産牛肉にシフトしている量販店の需要等に支え
 られ、 好調

◇図11:輸入牛肉の仲間相場◇

米国産冷蔵品112Aリブアイロール−2月1,781円/kg (7.5%)、 3月1,699円
/kg (8.4%) 

・荷余り観のあるばら系を除き、 前年同月を上回るも、 3月にかけて総じて下落

豪州産冷蔵品グラス・フルセット−2月584円/kg (1.6%)、 3月543円/kg 
(1.9%) 

・輸入量が絞り込まれていることから、 総じて前年同月を上回るも、 3月にかけ
 て低下


肉用子牛

◇図12:肉用子牛 (黒毛和種) の取引価格◇

2月の頭数−25,408頭 (0.8%) 

・1年ぶりに前年同月比プラスとなった1月に引き続き、 前年同月を上回る

価格−388千円 (1.0%) 

・4カ月ぶりに前年同月を上回る

◇図13:肉用子牛 (ホルスタイン) の取引価格◇

2月の子牛価格−123千円 (33.8%)
 
・母牛頭数の減少、 F1生産の増加等から、 取引頭数は大幅に減少

・枝肉価格が好調で、 肥育経営の導入意欲も強く、 価格は堅調

ヌレ子価格−43千円 (▲12.7%、 前月より2千円高)

◇図14:肉用子牛 (F1) の取引価格◇

2月の子牛価格−215千円 (14.6%)

・頭数の大幅増にもかかわらず、 枝肉高から肥育経営の導入意欲が強く堅調

ヌレ子価格−104千円 (▲6.3%、 前月より6千円高) 

・引き続き前年同月を下回るも、 10万円台を回復


今月のトピックス
家計消費の減少が依然続く

◇図15:家計購入量 (1人当たり) の推移 (前年同月比)◇

家計消費の減少が依然続く

 牛肉の家計消費 (1人当たり購入量) は、 依然前年同月を1割程度下回ってい
る。 

 牛肉消費の43% (7年、 農水省畜産局食肉鶏卵課推計) を占める家計消費は、 
毎年、 順調に増加してきたが、 8年3月以降、 前年同月を下回って推移している。 

 8年3月の英国からのBSE報道、 更に夏場の病原性大腸菌O−157による食中毒
の影響から、 1割を超える減少も記録した。 牛肉全体の推定出回り量も、 国産品
は生産の減少から、 輸入品は売れ行き不振からそれぞれ、 前年同月を下回ってい
る。 

 同様にO−157の打撃を受けた生鮮魚介類の消費も、 いまだに前年同月を下回っ
ているが、 秋以降その減少率は縮小してきている。 

 一方、 豚肉、 鶏肉は、 牛肉の落ち込みとは対照的にほぼ前年を上回って推移し、 
2月までの年度累計では、 それぞれ1%程度、 前年同期を上回っている。 

 豚肉、 鶏肉の消費が堅調で、 生鮮魚介類の減少率が縮小してきた中で、 これか
ら夏に向けて、 牛肉の家計消費が早く回復することを祈りたい。 


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