◎地域便り


JA鹿児島県経済連知覧子豚供給センターが完成

鹿児島県/筵平 (むしろびら)  昌則


 肉豚の低コスト生産の促進と安全性を求める消費者ニーズに対応するため、 特
定病原菌を持たない SPF豚を活用し、 SEW (分離早期離乳) 方式、 オールイン・
オールアウト方式、 ウィクリー管理方式などの最新技術を取り入れた 「JA鹿児島
県経済連知覧子豚供給センター」 が完成し、 去る3月3日に落成式があった。 

 同センターは28,857平方メートルの敷地に、 ウインドレスの種豚舎、 分娩舎、 
子豚舎のほか、 たい肥処理施設、 尿処理施設、 管理棟などが総事業費 587,302千
円で整備された。 飼養規模は常時稼働母豚700頭で、 年間に子豚供給頭数 15,400
頭を計画しており、 全国の農協系統では最大規模である。 

 全国的に肉豚出荷頭数が減少する状況の中、 種付け、 分娩、 ほ育など手間と労
力を要し、 リスクが大きい子豚生産部門を同センターが担い、 マニュアル化され
比較的技術習得が容易な肥育部門を農家が担当することにより、 飼養規模の拡大
と経営安定及び養豚への新規参入者の増加をねらいとしている。 

 また、 SPF豚と最新技術の導入による優良肥育素豚の供給により、 肥育期間の
短縮や衛生費等のコストが低減されるとともに、 消費者へ安全でおいしい豚肉を
供給することができるものと期待されている。 

 このような子豚供給センターを中心とした新たな肉豚生産システムが、 今後、 
県内の他の地域においても展開されるものと思われる。 

【完成した県経済連知覧子豚供給センターの全景】


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