◎地域便り


“わが国唯一”食肉産業界における通信教育

群馬県/鈴木 隆


 (社)全国食肉学校が通信制教育講座を開設して既に3年を経過した。 この通信
教育は、 牛肉の輸入自由化以降、 食肉産業を取り巻く環境が変化する中で、 食肉
産業従事者の食肉処理・販売に関する高度な知識・技術の習得が重要となってい
ることから、 「食肉流通業務初級コース」 として、食肉産業の従事者、 生産者等を
対象に、 平成6年度に開講した。 

 初年度には募集予定200名に対し300余名の受講者があり、 企業内教育の一環と
して、 あるいは各種団体からの推奨を受けるなど多くの企業や団体からの参画が
あり、 以降、 受講者数も順調に推移している。 

 テキストについては、 流通分野の代表者で構成する検討委員会での意見や講座
修了者からの意見を取り入れるなど業界のニーズを反映させており、 受講生のみ
ならず業界からも高い評価を得ている。 

 通信教育の仕上げとして実践面を補完するスクーリングは、 1)枝肉から部分肉
を整形・処理し、 商品づくりを行うとともに計数管理の演習も行う部分肉製造・
販売者コース、 2)売場作りの基本から販売計画、 収益改善等計数管理・販売対応
まで行う店舗販売実務者コース、 3)原料肉を加工し、 ハム・ソーセージを製造す
る食肉加工実務者コースの3つに分かれており、 希望するコースに参加すること
ができる。 スクーリング参加時には、 各地から参加した受講生同士の情報交換等
が盛んに行われ大変有意義な場となっている。 

 受講者を、 年齢別構成で見ると、 20歳代の占める割合が最も多く、 ほぼ40%余
りを占めている。 新入社員等の若い世代が自ら食肉従事者としての知識・技術力
の向上を目指す意欲の表れと受け止められ、 また、 ほぼ20%を占める40歳代の受
講者については再教育の場として活用されているものと思われる。 

受講者数の年齢別構成推移


 一方、 1企業から多数 (40〜50名) 応募のケースの場合は、 総じて人員に余力
がないことから、 居ながらにして人材の育成ができる通信教育を企業内教育の一
環として取り入れ、 自己啓発を支援・奨励しているものと思われる。 

 3年間の受講者終了実績は、 725名の受講者に対し、 修了者は延べ488名で、 70
%弱となっている。 毎回単元が進むにつれ、回答者が減少する傾向にあり、“継続
は力なり”の格言にあるごとく1名でも多くの受講者が終了できるよう推奨して
いる。 

 本年度も、 8月の開講を予定しており、 現在、 受講生を募集しているので、 是
非、 皆様ふるってご応募下さい。 

  連絡先 (社)全国食肉学校
      電話 0270 (65) 2571

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