◎地域便り


飛び跳ねる66頭の子牛たち! 〜鹿屋市営鳴之尾牧場の入牧式〜

鹿児島県/神宮司 恒幸


 鹿児島県鹿屋市は、 本県一の農業地帯であり、 酪農地帯でもある。 同市の酪農
家たちの頼もしい助っ人が、 市営鳴之尾 (めいのお) 牧場である。 昭和41年度か
ら平成8年度まで育成牛の預託として受入れた乳牛は、 約3,500頭にも及ぶ。 

 同牧場で、 4月23日入牧式があり、 生後約6カ月の乳牛66頭が青々と牧草の茂
る高原に放された。 この乳子牛たちは、 市内の26戸の酪農家から預かるもので、 
平均体重は約200キロであった。 体高や胸囲の測定後、 放たれた子牛たちは、ほと
んどが、 狭いパドックでしか運動したことがなく、 初めのうちはびっくりした表
情をしていたが、 すぐに慣れ広い牧場の中を気持ちよさそうに跳ねまわっていた。 
この子牛たちも、 1年半後には、 お腹のなかに子供を宿し、 酪農家の次期戦力と
して下牧の日を迎えるのである。 

 鳴之尾育ちの乳牛は、 追跡調査によると、 自家育成牛と比べ、 分娩間隔が平均
で15日間長いものの足腰が強く、 耐用年数が長い。 また、305日乳量では、約200kg
上回るなど地元酪農家の期待も大きい。 

 また、 標高550メートル、 広さ約70ヘクタールの牧場には、高隈山系をバックに、 
牧場の風景に溶け込んだメルヘンチックな研修館兼宿泊棟も建てられ、 農作業を
体験することもできるため、 年間数千人の利用者がある。
【元気な新乳生たち】

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