◎地域便り


牧草新品種に関心高まる

北海道/高木 正季


 北海道天北地方では、 各地で草地整備ガイドの改訂作業が盛んだ。 

 ガイドは草地の利用目的別に地域に適した品種と播種量、 栽培技術等の指標と
なるもので、 農業改良普及センターやJAが中心となって作成している。 改訂の主
な理由は、 草地整備事業が増加していること、 牧草新品種が続々と誕生したこと
などがあげられる。 

 この5カ年間で見ると、 新たに19品種が北海道奨励品種及び準奨励品種になっ
た。 

 チモシーを例に取ると、 これまで手薄だった中生種クラスに道立北見農業試験
場が育成した 「キリタップ」、 「アッケシ」 が加わり、 早生、 中生、 晩生のライン
ナップが充実した。 これにより、 早生に偏っていた品種構成が是正され、 1番牧
草の適期収穫に貢献するものと期待される。 一方、 農林水産省北海道農業試験場
が育種したアルファルファの新品種 「マキワカバ」 及び 「ヒサワカバ」 は、 永続
性などアルファルファ栽培にハンディキャップを抱える根釧地方でも検定された
こともあって、 前評判が高い。 

 これらの動きを反映して、 道立天北農業試験場への相談件数も増加している。 
稚内市及び豊富町など広大な草地型酪農地帯を受け持つ宗谷北部地区農業改良普
及センターでも、 新ガイドを年明けの営農懇談会に間に合わせた。 

 天北の農業は土と草と牛の上に成り立っており、 久々に甦った草地への関心の
高まりが、 酪農・畜産の活性化に結びつくことが期待されている。 


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