◎地域便り


「佐波伊勢崎地区堆肥マップ」 で畜産農家と耕種農家が連携

群馬県/福田 博文


 畜産農家から出るふん尿は、 耕種農家にとって貴重なたい肥の源にもかかわら
ず、 たい肥として販売している農家はごくわずかで、 量的にも限られる一方で、 
その処分に手を焼いているのが現状である。 土作りに熱心な耕種農家の中にも近
くに良質たい肥があるにもかかわらず、 その存在を知らないばかりにわざわざ遠
方から運賃をかけて購入している例もある。 

 群馬県の佐波伊勢崎地区では、 1年間に乳牛、 肉牛、 豚、 鶏のふんが、 約167,
000tでているが、 約86,000tが流通利用されているだけである。 

 そこで、 たい肥流通の円滑化のため各市町村、 各農業協同組合、 JA群馬中央会、 
中部地域地力増進協議会、 伊勢崎地区農業改良普及事業協議会の協力により 「佐
波伊勢崎地区堆肥マップ」 を作成し、 8,000部を同地区内の農家に配布した。 

 同地区のたい肥供給可能な畜産農家51戸を地図に示したもので、 一部農家間で
限定的に行われているたい肥の流通を拡大するのがねらいである。 住所、 氏名、 
電話番号を記載し、 酪農、 肉用牛、 養豚、 養鶏の部門別に分けられ、 自分の経営
形態にあったたい肥を利用できるのも特徴である。 

 たい肥が無駄にならず畜産、 園芸農家の交流や畜産農家に対する住民の理解も
深まるのではないかと期待をしている。 

 産経・上毛・日本農業・読売新聞にも掲載され、 群馬県立図書館、 関東農政局、 
農林統計事務所、 肥料店など、 農家以外のところから堆肥マップの要望があり、 
反響をよんでいる。 

 たい肥の利用希望者は、 直接農家へ連絡し、 有機質肥料の活用をお願いするこ
とになっている。

【たい肥流通の拡大を期待して配布されたマップ】


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