◎地域便り


第1回 「乳牛のボディコンディション研究会」 開催

愛知県/原田 英雄


 最近、 乳牛のボディコンディション・スコア (注) に対する関心が高まってき
た。 このことはボディコンディションが繁殖時と分娩後の乳牛の生理に大きく影
響を及ぼしているためである。 

 そこで、 愛知県の農業専門技術員が中心となって、 昨年12月10日愛知県畜産総
合センターで乳牛のボディコンディション研究会を開催した。 参加者は農業専門
技術員を始めとしセンターの技術員、 農業改良普及員、 酪農家等11名であった。 

 牛のボディコンディションの評価は、 牛体への脂肪蓄積を測定するものである
が、 測定者の主観によるところが大きい。 今回の研究会の目的は、 第一にセンタ
ーの乳牛を用い、 測定について指導者で統一を図るということである。 当日は 
「ファーガソンのボディコンディションの評価法」 を用いた。 この評価法は非常
に簡易に行えるという点で便利であり、 広く普及されようとしている。 第二の目
的は、 ボディコンディションと繁殖との関係を検討することであった。 分娩前後
のボディコンディションは泌乳量だけでなく受胎率や親牛と子牛の健康状態にも
大きく影響するため、 適切な状態にしておかなければならない。 自ら人工授精を
している酪農家は、 分娩後ボディコンディション・スコアが2.5以下のような状
態だと、 その後ほとんど発情も来ないし、 受胎もしないと語っていた。 初産牛で
も年間1万キログラムの乳量の牛も珍しくないが、 このような牛の受胎率を向上
させるための方法が論議された。 

 牛群検定事業では検定記録の一つとして体重が用いられているが、 一部の酪農
家はボディコンディション・スコアを使用し、 牛群改良の一助としている。 今後
は検定記録項目の一つとしてボディコンディションスコアの導入が期待される。 

 (注) ボディコンディション・スコア:牛の肥満状態を肉眼と手で触れて測定し、 
栄養管理に役立てる。 スコアは5段階に分かれ、 1が 「やせすぎ」 で5が 「肥り
すぎ」 3が 「適度」 である。 


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