● 11月の生乳生産量
前年同月をわずかに上回る
11月の生乳生産量は、 68万3千147トン (1.4%) となった。 7年9月以降、 一
貫して前年同月を上回って推移しているものの、 8年7月をピークにその伸び率
は鈍化傾向にある (図1)。 地域別にみると北海道が0.6%増、 都府県が1.9%増
といずれも前年同月を上回った。
牛群検定 (社団法人家畜改良事業団) の結果から、 1頭1日当りの平均泌乳量
をみると、 北海道は7年1月以降、 前年同月を上回って推移してきたが、 11月は
25.2kg (▲0.8%) と10月に引き続き、 前年同月を下回った。 都府県は11月が25.
7kg (2.0%)、 12月は25.8kg (1.2%、 速報値) である (図2)。
● 11月の飲用向け処理量
前年同月をわずかに上回る
11月の飲用牛乳等向け処理量をみると、 42万7千84トン(1.2%) となった (図
3)。
品目別にみると、 低脂肪等の加工乳、 はっ酵乳や栄養強化タイプが人気の乳飲
料は、 消費者の健康志向を背景に前年同月を上回り、 好調に推移しているほか、
乳酸菌飲料も前年同月を上回った。 一方、 牛乳は8月以降、 前年同月を下回って
いる (牛乳▲1.0%、 加工乳5.8%、 乳飲料13.8%、 はっ酵乳5.0%、 乳酸菌飲料0.
7%、 図4)。
● 11月の乳製品向け処理量
前年同月をわずかに上回る
11月の乳製品向け処理量は、 飲用牛乳等向け処理量の伸び (1.2%) を生乳生
産量の伸び (1.4%) が上回ったことから、 24万6千771トン (2.3%) となった
(図5)。
品目別にみると、 生クリーム等需要拡大事業の効果等から、 クリームの生産量
は7年11月以降、 前年同月を上回って推移しており、 11月も31.1%増の6千77ト
ンとなっている。
● 11月の脱脂粉乳
生産量は前年同月をわずかに下回る
11月の脱脂粉乳の生産量は、 1万4千339トン (▲2.4%) 、 推定出回り量は1
万8千600トン (▲3.2%) となった。
11月の推定期末在庫量は、 4万2千トンと、 事業団による追加輸入分等により、
10月より2千700トン積み増しとなり、 前年同月を10.2%上回った (図6)。
大口需要者価格は、 7年7月をピークに小刻みに値を下げてきたが、 8月以降、
1万3千519円/25kg (▲0.3%) と保合で、 安定指標価格を5.3%上回っている
(図7)。
● 11月のバター
在庫の取り崩しが進む
11月のバターの生産量は、 5千749トン (▲4.0%)、 推定出回り量は9千200ト
ン (12.5%) となった。
推定期末在庫量は、 8年1月以降、 2万9千から3万1千トン台で推移してき
たが、 11月は歳暮やクリスマスの需要に向けて在庫の取り崩しが進み、 前月より
3千400トン減の2万5千300トン (▲11.6%) となった (図8)。
6年秋より底保合で推移してきた大口需要者価格は、 8年2月、 3月の947円
/kgを底に値を戻し、 8月以降、 上昇傾向で推移している。 11月は10月より4円
値を上げ、 961円/kg (1.2%) と堅調で、 安定指標価格を3.2%下回る水準まで
戻した (図9)。
北海道の1頭1日当たりの平均泌乳量 (社団法人家畜改良事業団) は、 7年1
月以降、 前年同月を上回って推移してきたが、 8年10月、 11月と前年同月を下回
った (図10)。
この要因としては、 次のことが考えられる。 (1)7年度は計画生産目標数量が
増産となったこと、 前年度の猛暑の影響から分娩時期が遅れたことから、 7年秋
以降、 1頭1日当たりの平均泌乳量が前年同月を3〜4%以上も上回ったことの
反動、 (2)8年度前半の天候不順による日照不足から、 収穫された牧草の栄養価
が低いこと。
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