◎地域便り


かかあ天下群馬の女性パワー

群馬県/松原 英二
 群馬県立農林大学校は昭和58年4月に、 農業大学校 (農業指導者養成) と農
業経営大学校 (農業自営者養成) が統合し、 時代に即応した本県農林業の振興や、 
活力ある村づくりの推進力となる実践者の養成機関として発足した。 

 新農林大の開校から13年間、 地域の中核農家、 国及び県職員、 さらに農林業
関連企業へ1, 000名以上の卒業生が巣立っている。 

 畜産県群馬を支える畜産農家の後継者も本校出身者が多く、 地域のリーダー或
いは中核農家として活躍している。 世情を反映してか、 本校への入校希望者は年
々減少傾向にある中で、 畜産学科は他学科に比べ、 人気が高い。 

 なかでも酪農は15名定員のうち、 毎年2〜3名の女子学生が入校し、 元気に
実習に励んでいる。 女子学生は非農家出身が多い。 入校の動機は動物が好きであ
るとか、 緑の牧場に憧れて入校する者も多いが、 入校後に多少の戸惑いを感じて
いるようである。 しかし、 動物との係わりの中で将来を模索している彼女らには、 
男子学生に劣らぬ力強さを感じる。 卒業した女子学生は、 国立大学の農場や家畜
改良事業団をはじめ、 観光牧場、 或いは農業法人の牧場など、 牛と身近に接触で
きる職場を選んでいる。 

 県内の酪農家戸数は年々減少しているが、 本当にやる気のある後継者や新規就
農者がいることに、 我々は責任を感ずると共に、 心強さをも感じている。 

 今後は、 こうした女子学生が牛との係わりを求め、 酪農ヘルパーとして活躍す
ることも多くなるであろう。 男性にはない女性の細やかさを生かし、 人工授精や
ほ育技術等、 豊かな技術を酪農経営に提供できる、 アドバイザー的な酪農ヘルパ
ーも誕生してほしい。

【男子学生に負けぬやる気で実習中】


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