◎地域便り


名古屋コーチンをナシ園で放し飼い

愛知県/三輪 益司
 愛知県農業総合試験場養鶏研究所では、 肉用鶏の 「王様」 名古屋コーチンの、 
ナシ園への放し飼いについて可能性を追求している。 消費者のグルメ志向により
名古屋コーチンに対する需要が拡大する中、 遊休地の利用、 中山間地の活性化、 
観光農園への応用を目指しての取り組みである。 

 野犬対策として、 放飼場は高さ約3mのフェンスで囲まれている。 3. 3平方
メートルに1羽の割合で、 オス、 メス各25羽を鶏舎内で70日間の飼育後放ち、 
更に70日間放し飼いして、 鶏舎内のみ飼育のものと比較した。 放し飼いした直
後には体重が伸び悩み、 メスは小さいまま推移したが、 オスは2週間程度で鶏舎
内飼育に追いつき、 140日齢の飼育終了時には、 ほぼ同体重であった。 

 放し飼いした名古屋コーチンは、 ナシ園の下草を旺盛に食べ、 約1カ月で下草
が無くなり、 除草の手間が省けた。 また、 放し飼いした名古屋コーチンのもも肉
は赤味が濃く、 可食内臓が大きい上に、 腹腔内脂肪が少くなっていた。 

 放し飼いを開始する日齢を70日、 90日、 110日と変えて比較したところ、 
全体的に安定した結果が得られるためには90日齢以降が適していることも明ら
かとなっており、 ナシの生育や品質への影響も見極めてから、 普及していく計画
でいる。

【放飼場の全景】

【放し飼い1ヶ月後の下草の状況】


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