◎地域便り


特産ナシの縁で育った肉用馬の生産販売

鳥取県/山崎 和夫
 鳥取県中部の東伯郡赤碕町は 「ナシと畜産の里」 。 ここではJA赤碕町のナシの
出荷がとりもつ縁で、 酪農家、 肥育牛農家ら5戸で50頭の肉用馬を平成3年8
月から継続して飼育、 販売している。 

 元農協組合長牧田正毅さんはナシの販売促進のため、 20年位前から熊本の青
果市場を訪れていた。 その際、 低脂肪、 高たんぱく、 高ミネラルの 「ヘルシーミ
ート」 として女性ファンが増え話題に上っていた馬肉に注目、 昭和61年組合長
就任を契機に本格的導入に取り組んだ。 

 馬の飼育は、 古い取引慣行が存在し、 新規に産地育成を図るには難しい分野で
はあったが、 ナシの取引先の青果会社の仲介で、 販売ルートや馬肉情報に恵まれ
今日に至った。 

 しかし、 馬の肥育については全くゼロからのスタート。 農協畜産課の岩本哲治
さんは地元のO獣医師の協力を得、 馬肥育部の農業者と一体になって試行錯誤で
肥育技術の確立を図った。 

 中でも苦労したのは飼料給与の方法と疝痛、 骨軟化症の予防であった。 

 現在飼っている品種はベルジァン、 ペルシュロン、 ブルトン等の雑種で農耕馬、 
北海道釧路市から肥育素馬を導入している。 明け2才で400kg位の導入、 8〜
12カ月肥育、 850〜1, 000kgの馬を出荷している。 

 生産農家代表の眞山部長 (55才、 乳牛経産牛30頭、 育成牛20頭、 肉用馬
10頭) は、  「肥育馬が酪農や肥育牛経営の中の一本の柱になるよう頑張ってい
きたい。 馬が地域農業の活性化と畜産振興の一助になってくれれば」 と元気な農
家らしく力強く語っていた。

【地域農業の活性化を図って】


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