愛媛県/峰岡 茂夫
愛媛県経済農業協同組合連合会の関連会社である (株) アイパックスは、 昭和 54年に夏の風物詩“鵜飼い”で有名な肱 (ひじ) 川下流の大洲 (おおず) 市春 賀に誕生した県内最大の食肉処理場である。 同工場は、 食肉処理施設等再編整備事業 (農畜産業振興事業団指定助成対象事 業) を導入し、 1日処理能力を従来の豚換算800頭から960頭に高めるとと もに、 「と畜」 、 「カット」 、 「高度加工」 の各部門を安全性確保等の観点から 充実した。 施設の先進的な整備を行い、 全国でもトップクラスの衛生的かつ効率的な処理 体制が本年度整った。 牛のと畜処理については、 ベッド方式から吊り下げ方式に変更され、 作業行程 中、 枝肉が他に接触しなくなった。 また、 食道及び直腸の結さつ処理を行い、 直 腸にビニール袋をかぶせて内容物による汚染を防止するなどO−157対策にも 万全を期している。 カット室では、 部屋全体をクリーンルーム化し、 カット台の自動洗浄システム、 入室時のエアクリーナー装置、 作業員の手洗いについては、 ノータッチ水洗・乾 燥・消毒装置の整備など徹底した衛生管理を実施し、 従来と較べ生菌数が極めて 少ないカット肉の製造が可能となっている。 また、 カーニ・リベレーターシステ ム (分割・脱骨作業の補助機械) 導入で、 作業量の軽減や、 枝肉・部分肉の効率 的処理が可能となっている。 そのほか、 全従業員を対象とした定期検便や徹底した衛生教育など、 会社をあ げた取り組みにより、 安全で高品質な食肉の供給に日夜努力をしている。元のページに戻る