◎地域便り


安全性も万全、 高度衛生食肉処理場が装い新たに誕生

愛媛県/峰岡 茂夫
 愛媛県経済農業協同組合連合会の関連会社である (株) アイパックスは、 昭和
54年に夏の風物詩“鵜飼い”で有名な肱 (ひじ) 川下流の大洲 (おおず) 市春
賀に誕生した県内最大の食肉処理場である。 

 同工場は、 食肉処理施設等再編整備事業 (農畜産業振興事業団指定助成対象事
業) を導入し、 1日処理能力を従来の豚換算800頭から960頭に高めるとと
もに、  「と畜」 、  「カット」 、  「高度加工」 の各部門を安全性確保等の観点から
充実した。 

 施設の先進的な整備を行い、 全国でもトップクラスの衛生的かつ効率的な処理
体制が本年度整った。 

 牛のと畜処理については、 ベッド方式から吊り下げ方式に変更され、 作業行程
中、 枝肉が他に接触しなくなった。 また、 食道及び直腸の結さつ処理を行い、 直
腸にビニール袋をかぶせて内容物による汚染を防止するなどO−157対策にも
万全を期している。 

 カット室では、 部屋全体をクリーンルーム化し、 カット台の自動洗浄システム、 
入室時のエアクリーナー装置、 作業員の手洗いについては、 ノータッチ水洗・乾
燥・消毒装置の整備など徹底した衛生管理を実施し、 従来と較べ生菌数が極めて
少ないカット肉の製造が可能となっている。 また、 カーニ・リベレーターシステ
ム (分割・脱骨作業の補助機械) 導入で、 作業量の軽減や、 枝肉・部分肉の効率
的処理が可能となっている。 

 そのほか、 全従業員を対象とした定期検便や徹底した衛生教育など、 会社をあ
げた取り組みにより、 安全で高品質な食肉の供給に日夜努力をしている。


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