牛乳・乳製品

牛乳・乳製品


● 1月の生乳生産量

 
前年同月をわずかに上回る

 1月の生乳生産量は、 72万6千950トン (1.4%) となり、 7年9月以降、 一貫
して前年同月を上回って推移しているものの、 8年7月をピークにその伸び率は
鈍化傾向にある (図1)。 地域別にみると北海道は2.4%増、 都府県は0.7%増と
前年同月を上回った。 

 牛群検定 ((社) 家畜改良事業団) の結果から、 1頭1日当りの平均泌乳量を
みると、 北海道は7年1月以降、 前年同月を上回って推移してきたが、 8年度前
半の天候不順による日照不足から、 収穫された牧草の栄養価が低かったこと等に
より、 10月以降、 前年同月を下回って推移しており、 1月は25.7kg (▲0.4%)と
なった。 都府県は1月が26.1kg (1.2%) と3カ月連続で北海道を上回り、 2月
は26.3kg (1.2%、 速報値) となった (図2)。
◇図1:生乳の生産量◇
◇図2:1頭1日当たりの平均泌乳量◇

 

● 1月の飲用向け処理量

 
前年同月をわずかに上回る

 1月の飲用牛乳等向け処理量は、 40万4千511トン (1.1%) となった (図3)。 

 生産量を品目別にみると、 低脂肪乳等の加工乳、 栄養強化タイプ (牛乳タイプ) 
が人気の乳飲料、 各種ヨーグルトを中心にしたはっ酵乳は、 消費者の健康志向を
背景に前年同月を上回り、 冬期に入っても好調に推移している。 一方、 牛乳は昨
年8月以降、 前年同月を下回っており、 乳酸菌飲料も前年同月を下回った (牛乳
▲2.7%、 加工乳3.7%、 乳飲料17.8%、 はっ酵乳17.7%、 乳酸菌飲料▲0.9%、 
図4)。
◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇
◇図4:飲用牛乳等の生産量(前年同月比)◇

 

● 1月の乳製品向け処理量

 
前年同月をわずかに上回る

 1月の乳製品向け処理量は、 飲用牛乳等向け処理量の伸び (1.1%) を生乳生
産量の伸び (1.4%) が上回ったことから、 31万2千435トン (1.5%) となった 
(図5)。 

 品目別にみると、 生クリーム等需要拡大事業の効果等から、 クリームの生産量
は7年11月以降、 前年同月を上回って推移してきたが、 8年10月をピークに伸び
率は鈍化傾向にあり、 1月は4千779トン (9.8%) となっている。
◇図5:乳製品向け処理量◇

 

● 1月の脱脂粉乳

 
生産量は前年同月をわずかに上回る

 1月の脱脂粉乳の生産量は、 1万9千226トン (1.1%)、 推定出回り量は1万
5千700トン (▲3.0%)、 推定期末在庫量は、 4万4千600トン (11.8%) となっ
た (図6)。 例年の傾向のように、 在庫量は前月に比べて3千600トンの積み増し
となった。 

 大口需要者価格は、 7年7月をピークに小刻みに値を下げてきたが、 1月は12
月より16円値を上げ、 1万3千485円/25kg (▲0.6%) と、 依然として安定指標
価格を5.0%上回っている (図7)。
◇図6:脱脂粉乳の需給◇
◇図7:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

 

● 1月のバター

 
価格は上昇傾向

 1月のバターの生産量は、 9千175トン (0.5%)、 推定出回り量は4千700トン 
(▲19.7%) となった。 

 推定期末在庫量は、 8年8月以降減少傾向で推移しているが、 1月は4千500
トン積み増しされ、 2万6千300トン (▲9.9%) となった (図8)。 

 6年秋より底保合で推移してきた大口需要者価格は、 8年2月、 3月の947円
/kgを底に値を戻し、 8月以降、 在庫の減少に伴い上昇傾向で推移している。 1
月は12月より3円値を上げ、 969円/kg (2.1%) と安定指標価格を2.4%下回る
水準まで戻した (図9)。 
◇図8:バターの需給◇
◇図9:バターの大口需要者価格◇

 


今月のトピックス

−平成9年度生乳供給計画数量は1.9%増−


 中央酪農会議は先頃、 指定生乳生産者団体会長会議を開き、 9年度の全国の生
乳供給計画数量を、 前年度生乳出荷基礎目標数量の1.9%増と設定した。 この結
果、 7年度から3年連続の増産計画となった。 このうち、 脱脂粉乳等の特定乳製
品向け及び生クリーム等向けの一部に限り、 特別生産枠数量として9万トンを設
定した。 

 また、 生乳需給委員会による今後の生乳需要の見通しによると、 9年度は、 飲
用牛乳等向けが前年を0.3%上回る程度、 乳製品向けは調製品輸入の動向にもよ
るが、 生クリーム等向け、 脱脂粉乳、 チーズが引き続き堅調に推移すると見込ま
れることから、 前年を4.4%上回ると予測。 

 調製品輸入の動向・影響については、 引き続きより詳細な実態把握を行う必要
があるとしている。

元のページに戻る

月報「畜産の情報(国内編)の目次に戻る