北海道/鎌田 信一
北海道畜産技術連盟 (盟友140名、 事務局北海道畜産会) は、 2月27日、 札幌 市JAビルで170名を集めて畜産技術研究会を開いた。 午前中は、 家畜管理学・家畜行動学の権威で搾乳ロボット実用化のわが国第一 人者である、 帯広畜産大学の新出陽三教授による、 「搾乳ロボットの実用化につ いて」 の内外情勢と実用化現状段階の課題について、 講演が行われた。 午後は、 道内各試験場における主要畜産試験研究12課題について、 それぞれ、 研究成績の発表がなされた。 出席者は真剣にメモをとり、 質疑応答も活発に行わ れた。 新出教授は、 搾乳ロボット開発は実用化段階にきているとしながらも 「実用化 のための課題」 として次のようにまとめている。 「蹴る牛と乳房の形状の悪い牛はロボット搾乳には向かない。 農家によって多少の違いはあるが、 10〜25%の牛はロボット搾乳には向かない ようである。 搾乳ロボットの牛の行動は、 餌を刺激した条件付けで制御している ため、 条件付けを上手に組み入れた牛の馴化技術やロボット搾乳に向く乳房の選 抜・育種が求められてくる。 農家の都合だけで乳牛の管理技術が決まる時代ではなく、 農家、 消費者、 家畜 それぞれの立場を尊重しようというのが、 これからの乳牛管理技術である。 放し飼い方式で管理し、 コンピュータを利用して精密で省力的管理を行うとい うのが次代の主要な乳牛管理方式になるものと考えている。 広い牧場でのんびりと草を食む牛の群れ。 搾乳時刻になると牛は次々と搾乳ス トールに入りロボット搾乳され、 再び草地に戻って行く。 放牧区への移動はセン サーとコンピュータで自動制御されている。 酪農家は時折牛群を見回り、 コンピ ュータによる牛の管理が適切に動いているか否かを牛を見て判断する。 このよう な光景が見られる時代が近づいている」 として、 締めくくった。元のページに戻る