◎地域便り


畜産物を通じて消費者との交流を

岩手県/中島 俊造
 岩手県の東和町と岩手東和町農協が、 東京銀座に開設した居酒屋ます八銀座店
が好評を博している。 

 この店では、 特産の 「東和牛」 のシャブシャブや 「南部かしわ」 の鳥鍋・焼き
鳥等を中心に提供しており、 勤め帰りのサラリーマンやOLが、 柔らかくて風味豊
かな東和牛や南部かしわ独特の歯ごたえ 「シコシコ感」 を満喫している。 

 ます八銀座店は、 平成2年に全国の4つの東和町 (岩手・宮城・福島・山口) 
が連携し、 東京原宿に開設したアンテナショップに寄せられた 「この食材を使っ
て安く食べさせる店が近くにあれば」 という 「声」 に応えるかたちで設けられた
ものである。 

 首都圏でのこのような取組みは、 アンテナショップ開設当時の、 いかに東和産
の農畜産物をPRし、 売上を伸ばすかという目的が、 開設から6年の間に、 消費者
の声をいかに聞き出し応えるか、 又、 消費者に生産者の声をいかに届けるかに変
わったことによる。 

 現在では、 神奈川県の川崎市教職員組合との交流も生まれ、 毎年秋に行われる
教職員組合の運動会へは特産品を持参して参加、 東和町でのホームスティを通じ
たふるさと交流へと発展している。 

 さらには、 第2の店を川崎市にという機運が高まり、 この3月には畜産物を始
め特用米・雑穀・果樹等東和町の農畜産物をまるごと販売する 「産直センター」 
を開設する予定になっている。 

 このように、 東和町は農畜産物の提供を通じて消費者との出会いの場を作る等、 
生産のみならず、 流通・交流にも取り組んでいる。

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