◎地域便り


県農村青年冬の集いで酪農後継者最優秀賞

鳥取県/富谷 信一


 平成9年1月30日鳥取県東伯郡三朝町で 「第36回鳥取県農村青年冬の集い」 が、 
県内の青年農業者及び関係者が一堂に会し盛大に開催された。 集いでは青年農業
者によるプロジェクト発表、 意見発表のほか、 3班に分かれての分科会も開かれ
た。 

 その中のプロジェクト部門で、 「新品種ソルゴーの飼料的価値に関する検討」を
発表した大山町農村青年会議の田尾 (たお) 博志さん (27才、 経産牛47頭、 育成
牛22頭) が最優秀賞を受賞した。 

 発表の内容は、 飼料作物の試験栽培の取り組みについての報告であった。 田尾
さんが酪農を行っている香取地区 (乳牛1,100頭) では、 自給粗飼料生産におけ
る機械利用体系が、 ロールベーラーへと急速に移行、 デントコーンなどの長大作
物の栽培が減少している。 デントコーンに代わりロールし易いスーダングラスが、 
今では香取の夏作の主流になっている。 

 しかし、 そのために栄養分の不足を招き、 購入飼料への依存度が高まってきた
ので、 これを解決するため新品種ソルゴーの試験栽培に取り組んだ。 

 新品種ソルゴーは長大作物でありながらロール処理が出来、 耐倒伏性に優れて
いる特性をもつ品種だ。 これを約50アールの畑で栽培、 飼料作物としての利用価
値を検討した。 

 播種は8月中旬とかなり遅れたが、 その後の天候に恵まれ順調な生育を示した。 
10月上旬、 草丈160〜190cmで刈り取り作業を行い、 生草重3.2トン (10アール当
たり) の結果を得た。 また、 組成成分についてはスーダングラスに比べて若干水
分が多いものの、 CP、 TDNなど成分的に納得のいくものであった。 (表参照) 

 田尾さんは 「来年も引き続き試験を行い、 今後、 香取の酪農をソルゴーのラッ
ピングサイレージで伸ばしたい。 」 と元気よく語っていた。

成分分析表

 注:CP:粗たん白質
   ADF :酸性デタージェント繊維
   TDN :可消化養分総量

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