◎地域便り


初の女性 「青年農業経営士」 誕生!

愛媛県/戒能 豪


  「青年農業経営士」 とは、 愛媛県が昭和50年度から始めた制度で、 概ね25〜35
歳の優秀な若手農業者に地域の後継者等の経営・技術の指導や相談活動などをし
てもらい、 その活動を通じて県内農業の振興に結び付けようと、 知事が認定を行
っているものである。 

 これまで青年農業経営士の認定を受けた青年は約290名いるが、 この度、 県下
で初めての女性 「青年農業経営士」 が誕生した。 

 この人は、 県西南部に位置する川ガニ、 うなぎ、 ユズなどの天然の幸に恵まれ
た北宇和郡広見町で酪農経営を営む渡辺由美さん33歳。 由美さんは、 父親の岩 
(いわお) さんの長女として子供の時から酪農に親しんだ“酪農大好き”人間で
ある。 北海道の畜産大学を卒業した後、 平成2年には県の海外研修事業で米国の
酪農も体験し、 国際的視野を持った若手後継者である。 そんな彼女は、 5年前、 
元公務員であった俊彦さん (35歳)と結婚。 酪農経験のない俊彦さんをリード(?) 
し、 2人の子育てもしながら、 両親と共に搾乳牛70頭の酪農経営に頑張っている。 

 夫の俊彦さんは、 地域の中核的農業青年として後継者組織等のリーダーとして
の活躍が評価され、 既に青年農業経営士の認定を受けていた。 由美さんは青年農
業者組織の役員も務めるほか、 自らの経営では、 パソコンを利用した簿記記帳や
飼料給与計算を手掛けるなど精緻な経営を行っており、 これら内外の活動が高く
評価され、 この度、 異例の夫婦そろっての 「青年農業経営士」 の認定となった。 
初めて誕生した女性経営士に、 地元ばかりでなく多方面から熱い期待が集まって
いる。 

 夫婦そろっての今後の活躍が、 きっと明日の本県農業を切り開いてくれるもの
と確信している。
【未来の後継者(?)を囲んで…
由美さんの頑張りも、俊彦さんの「愛あればこそ!」】

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