◎地域便り


監視カメラで楽々分娩

鹿児島県/中原 俊一


 鹿児島県曽於 (そお) 郡志布志町で肉用牛の繁殖肥育一貫経営を営む徳重正悟
さん (47歳) は、 牛舎の分娩室に監視カメラを設置し、 分娩事故の軽減と省力化
を図っている。 

 徳重さんは、 昭和55年に国の畜産基地建設事業により施設整備を行い、 肥育牛
100頭規模で経営を開始した。 その後、 肥育牛の飼養頭数を拡大しつつ、 平成4
年度に繁殖雌牛を導入し一貫経営に移行、 現在、 繁殖雌牛70頭、 肥育牛170頭を
飼養している。 

 肥育経営からスタートしたことから、 自宅の近くには肥育牛舎が建設されてお
り、 繁殖牛舎は自宅から離れた場所に建設せざるを得なかった。 また、 夜間の分
娩や初産牛が多かったこともあり分娩時の事故が多発したため、 何か良い方法は
ないものかと考え、 工夫したのが監視カメラの設置である。 カメラは中古のもの
を安く購入し、 自宅のテレビまでの配線は自らが行い、 経費はほとんどかかって
いない。 

 監視カメラの設置により夜間でも常に分娩室の状況が観察できるようになり、 
分娩時の事故が無くなるとともに、 精神的苦痛からも解放されたようである。 

 最近では、 子牛の事故防止や母牛の発情発見にも役立てている。 ひょっとする
と、 旦那の仕事ぶりを奥さんが監視することにも役立っているのかもしれない。

【監視カメラの設置状況】

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