牛 肉・肉用子牛

牛 肉


◇図1:牛肉の生産量◇


1月−27,736トン(▲0.7%)

・7年1月以降、基調としては減少傾向。
・9年度累計で、3.5%減。
・枝肉重量は、和牛はわずかに増加傾向、乳牛はわずかに減少傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇


1月の和牛−42,003頭(▲3.2%)
乳牛−54,124頭(▲1.9%)

・和牛は、価格堅調だった前月の出荷が多かったこと等から、前年同月を下回る。
 しかし、9年度累計では去勢が2.9%増で、合計で1.2%増。

・乳牛は、減少傾向が続き、8%減少した前年同月を更に下回る。9年度累計で
 は、6.9%減、特に去勢が9.0%減と減少幅が大きい。


◇図3:牛肉の輸入量◇


1月−43,231トン(6.5%)

・これまで、需要回復から前年同月を上回ってきた冷蔵品は、ここにきて、需要
 減退等から、8カ月ぶりに減少。

・冷凍品は、加工用が主の豪州産が好調。SG発動で減少した前年同月の約1.2
 倍。

輸入見込数量(事業団調べ)



◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇


1月の米国産−20,572トン(12.1%)

・冷蔵、冷凍とも、高単価のロインが前年同月を下回り、一方、ばらは上回る。

豪州産−19,864トン(2.0%)

・冷蔵品は、前月に引き続き前年同月を下回り、4年3月以来、ほぼ5年ぶりに
 1万トンを割り込む。ハンバーガー等向け加工用主体の冷凍品は、前年同月を
 26.0%上回り、好調。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇


1月−70,344トン(▲1.5%)

・6カ月ぶりに前年同月を下回る。

・9年11月、12月と6〜7%であった輸入品の増加率は、1.0%増と大き
 く縮小。 


◇図6:牛肉の家計購入量(1人当たり)◇


1月−245g/人(▲1.1%)

・9年11月までは、かなり減少した前年同月を上回り、回復基調。だが、1月
 は、前月に引続き、前年同月をわずかながら下回る。

・9年度累計では3.3%増。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇


1月−92,251トン(▲3.3%)

・国産品、輸入品ともに、前年同月を下回る。
・前月よりは、619トンの増加。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇


1月−1,100円/kg(▲7.3%)

・生産量の減少傾向、国産品志向、更に品揃えのいい大都市の市場に買いが集中
 していることもあり、引き続き高水準、1,100円台で推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(和牛去勢・東京)◇


1月のA5−2,440円/kg(4.1%)

・8年度まで、下げ傾向だったA5は、9年3月以降前年同月を上回り、引き続
 き堅調。

A3−1,629円/kg(1.1%)

・A3も、量販店の和牛取り組み強化等から、引き続き堅調、高値一巡で、上昇
 率は縮小。


◇図10:牛肉の卸売価格(乳去勢・F1去勢、東京)◇


1月の乳去勢B2−748円/kg(▲11.0%)
F1去勢B3−1,351円/kg(1.9%)

・乳去勢は、量販店の需要が他品目に移行しつつあること等から、前年同月を下
 回る。

・F1去勢は、市場での取引頭数が増えている中で、需要は底堅く、価格も堅調。
 高値一巡で、上昇率は縮小。


◇図11-1:輸入牛肉の仲間相場◇

◇図11-2:      〃     ◇


1月の米国産冷蔵112Aリブアイロール−1,938円/kg(▲2.3%)

・冷蔵品は、ロイン系を中心に前年同月を下回る品目が多い。
・冷凍品は、ロイン系以外は前年同月をかなり上回る品目が多い。

豪州産冷蔵グラス・フルセット−588円/kg(▲3.8%)

・冷蔵品は、総じて前年同月を下回るが、前月よりは、値を上げる品目が多い。
・加工用トリミングは、349円/kg(2.9%)と堅調。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇


1月の頭数−33,501頭(▲1.9%)

・母牛の頭数減少等から、9年度累計では1.3%減とわずかながら減少傾向。

1月の価格−384千円(0.1%)

・前年同月に比べ、おすは1.3%高、めすは1.5%安。

・基調は、8年11月以降、前年同月をわずかながら下回って推移。おすに比べ、
 めすの低下率が大きい。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇


1月の子牛価格−113千円(▲4.3%)

・母牛頭数の減少、F1生産の増加等から、取引頭数は引き続き前年同月を大幅
 に下回る。

・価格は、前年同月を下回っているが、9年6月以降11万円台で安定的に推移。

ヌレ子価格−27千円(▲33.7%)

・前月よりも1千円下げ、引き続き2万円台。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇


1月の子牛価格−209千円(▲1.4%)

・枝肉価格好調等から、8年3月以降20万円前後で安定的に推移。

ヌレ子価格−94千円(▲4.2%)

・9年2月以降、10万円を上回って推移してきたが、前月に引き続き、10万
 円を割り込む。


トピックス
冬も好調持続した焼き肉用部位

◇図15:和牛かたばらの仲間相場◇

◇図16:和牛かたロースの仲間相場◇


 牛肉の部位別需要には、強い季節性が見られる。「夏は焼き肉、冬はなべ物」
と言われるように、夏は焼き肉需要から、ばら等の引き合いが高まる。冬はしゃ
ぶしゃぶ、すき焼き需要から、スライス用のかたロース等の引き合いが強くなり、
卸売価格もその傾向を表している(図15、16)。

 しかし、この季節性は、近年薄れてきたとも言われる。この冬、焼き肉用部位
の需要は弱まることなく、引き続き強く、去勢和牛の場合、卸売価格も年末にか
けて一段と高くなった。

 この背景には、1)暖冬でなべ物需要が例年のように盛り上がらなかったこと、
2)ホットプレートの普及、様々なタレの新商品開発で、焼き肉が手軽な家庭料
理として1年を通して楽しまれていること等がある。


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