牛乳・乳製品

牛乳・乳製品


◇図1:生乳生産量◇


1月−723,260トン(▲0.5%)

・9年4月以降、7、8月だけはわずかに前年を上回ったものの伸び悩み、9年
 度累計では0.3%減。

・北海道は前年同月を1.2%上回ったが、都府県は飼養頭数の減少等から1.
 7%下回り、9年4月以降わずかながら減少傾向が続く。


◇図2:1頭1日当たりの平均泌乳量◇


北海道:1月−26.0kg(1.2%)

都府県:1月−26.0kg(▲0.4%)、2月−26.1kg(▲0.8%、速
    報値)

・北海道は9年7月に前年同月並みとなり、以降前年同月をわずかながら上回っ
 て推移。

・都府県は8年度の伸びが大きかったこともあり、9年9月にわずかに減少に転
 じ、以降伸び悩む。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇


1月−391,085トン(▲3.3%)

・9年6月以降、9月を除き前年同月を下回る。9年度累計では1.0%減。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、乳飲料の生産は引き続き好調。

・加工乳は、9年10月まではほぼ増加傾向であったが、1月は61,624kl
 (▲3.7%)と3カ月連続で前年同月を下回る。9年度累計では0.1%増。


◇図4:牛乳の生産量◇


1月−310,988kl(▲3.4%)

・8年8月以降減少傾向が続き、1月も前年同月をやや下回る。
・9年度累計では、2.5%減。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇


1月の乳飲料−85,392kl(4.8%)
   はっ酵乳−44,227kl(▲6.9%)

・消費者の健康志向、メーカーの栄養強化タイプを中心とした積極的な商品開発
 等を背景に、9年10月まで両アイテムとも2桁の伸び。

・乳飲料は、前年同月を上回って推移するも、1月は伸び率が縮小。

・はっ酵乳は、9年11月、12月に伸び率が1桁台となり、1月は2年9カ月
 ぶりに前年同月を下回る。

・9年度累計では、乳飲料が12.7%増、はっ酵乳が10.4%増。


◇図6:乳製品向け処理量◇


1月−323,528トン(3.6%)

・前年同月比0.5%減少の生乳生産のなかで、優先的に仕向けられる飲用牛乳
 等向け処理量が同3.3%も減少したことから、乳製品向け処理量はやや増加。

・生クリーム等需要拡大事業の効果等から生産量が大きく伸びてきたクリームは、
 9年7月以降伸び率が1桁台となり、12月には前年同月を下回ったが、1月
 は5,647トン(18.2%)と再び2桁台の伸び率。

・好調な需要に支えられ、9年5月以降、ほぼ2桁の伸びを示してきた直接消費
 用ナチュラルチーズは、1月も1,060トン(26.0%)と大幅増。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇


1月の生産量−20,486トン(6.6%)

・9年度の累計生産量は、0.5%増。

・10年度カレントアクセス分13万7千トン(生乳換算)相当の乳製品の輸入
 のうち、ホエイ等(製品重量3,900トン)以外について、事業団は脱脂粉
 乳17,100トンを輸入することとし、2月3日に入札を実施。

・推定出回り量は16,300トン(2.0%)、推定期末在庫量は50,90
 0トン(14.9%)で前月よりも4,200トン増加。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇


1月−13,721円/25kg(1.8%)

・8年度に引き続き、9年4月以降安定指標価格を5%程度上回って推移。

・9年7月以降4カ月連続で同水準の後、11月に3円、12月に4円、1月は
 さらに1円下げるも、安定指標価格(13,090円/25kg)を4.8%上
 回る水準。


◇図9:バターの需給◇


1月の生産量−9,272トン(1.1%)

・9年度の累計生産量は、1.9%増。

・推定出回り量は5,700トン(18.2%)、推定期末在庫量は23,30
 0(▲11.1%)で前月よりも3,700トン増加。


◇図10:バターの大口需要者価格◇


1月−993円/kg(2.5%)

・8年2月、3月の947円/kgを底に値を戻し、在庫水準が前年より1割前後
 低いこともあって、8年9月から9年4月まで一貫して上昇傾向。

・9年4月以降5カ月連続で同水準の後、9月、11月にそれぞれ1円上げ。1
 月は3カ月連続同水準で、安定指標価格(965円/kg)を2.9%上回る。


トピックス
平成10年度の生乳の計画生産が決まる


 (社)中央酪農会議は、3月2日に指定生乳生産者団体会長会議を開催し、平
成10年度の生乳の需給調整対策を決定した。

 同対策では、10年度の全国の生乳供給計画数量を、9年度最終生乳出荷基礎
目標数量対比0.7%増の7,951千トンと設定し、4年連続の増産計画とな
った(9年度との比較は右表のとおり)。

 また、飲用市場における無秩序な競争による価格混乱を回避する一方で、需要
に見合った乳製品の生産を確保するため、生乳供給計画数量については、都道府
県ごとに飲用等向けと乳製品向け目標数量の区分を設定する用途別計画生産を新
たに実施することとした。


(注1)生乳出荷基礎目標数量:生乳の需給調整対策(「計画生産」)における
    生乳生産の基礎的目標数量であり、過年度の実績に基づき調整を加えて
    各指定団体に配分される。

(注2)最終生乳出荷基礎目標数量:当初の生乳出荷基礎数量に対して、年度中
    の受託販売契約者の異動に応じて修正を加えたもの。

(注3)供給計画数量には、生乳出荷基礎目標数量の外枠となる年度限りの数量
    を含む。(9年度は90千トン、10年度は58千トン)

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