◎地域便り


女性パワーで酪農経営を盛り返せ

愛知県/森下 忠
 愛知県半田市にあるみどり牛乳農業協同組合は、例年1月に新春放談会を開催
している。この新春放談会は、組合員相互が自由に意見交換し、組合の新規事業
や経営方向の打ち出しにつなげるねらいもある。古くは酪農ヘルパー事業の発足
につながるなど、みどり牛乳の新年行事として欠かせないものとして、注目され
ている。

 昨年からは、従来の男性主体から女性主体へと運営を変えている。運営につい
ては、事前に婦人部役員会で日程やテーマについて検討し、全員から意見が出や
すいような机の配置を工夫したりと、楽しい放談会となるように計画した。

 今年の放談会は、1月19日(月)に知多酪農会館で開催された。午前は、黒
川オーキッズの黒川久子氏の講演、午後は、各酪農家婦人の日頃考えていること
について話し合った。黒川さんは、近隣の刈谷市で胡蝶蘭を栽培する農家である。
女性の立場からみた農業経営、生活設計や余暇の過ごし方など、酪農家婦人の意
識改革について述べた。

 午後からは、7つのテーマ(家のこと、組合のこと、余暇のことなど)に沿っ
て、当日配ったアンケートに寄せられた内容を話し合った。話し合いでは、「夫
から経営についての相談がない」、「酪農婦人部で共通の趣味を持ちたい」、「検
乳結果を早く知りたい」など、様々な意見が活発に出された。同席しているみど
り牛乳組合役員の男性陣が、たじたじとなる場面も見られた。

 今回の放談会のように、酪農経営にとって重要なパートナーである女性の立場
に立って、経営を見直すことは、男性の立場では分からない、見えない部分の改
善につながる。このような組合の取り組みを通じて、酪農経営がより発展するこ
とを願いたい。


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