愛知県/森下 忠
愛知県半田市にあるみどり牛乳農業協同組合は、例年1月に新春放談会を開催 している。この新春放談会は、組合員相互が自由に意見交換し、組合の新規事業 や経営方向の打ち出しにつなげるねらいもある。古くは酪農ヘルパー事業の発足 につながるなど、みどり牛乳の新年行事として欠かせないものとして、注目され ている。 昨年からは、従来の男性主体から女性主体へと運営を変えている。運営につい ては、事前に婦人部役員会で日程やテーマについて検討し、全員から意見が出や すいような机の配置を工夫したりと、楽しい放談会となるように計画した。 今年の放談会は、1月19日(月)に知多酪農会館で開催された。午前は、黒 川オーキッズの黒川久子氏の講演、午後は、各酪農家婦人の日頃考えていること について話し合った。黒川さんは、近隣の刈谷市で胡蝶蘭を栽培する農家である。 女性の立場からみた農業経営、生活設計や余暇の過ごし方など、酪農家婦人の意 識改革について述べた。 午後からは、7つのテーマ(家のこと、組合のこと、余暇のことなど)に沿っ て、当日配ったアンケートに寄せられた内容を話し合った。話し合いでは、「夫 から経営についての相談がない」、「酪農婦人部で共通の趣味を持ちたい」、「検 乳結果を早く知りたい」など、様々な意見が活発に出された。同席しているみど り牛乳組合役員の男性陣が、たじたじとなる場面も見られた。 今回の放談会のように、酪農経営にとって重要なパートナーである女性の立場 に立って、経営を見直すことは、男性の立場では分からない、見えない部分の改 善につながる。このような組合の取り組みを通じて、酪農経営がより発展するこ とを願いたい。元のページに戻る