京都府/石川 徹
京都府綾部市のJA綾酪(綾部酪農農業協同組合)では、平成 9 年 8 月から 京都の特産品を目指して全国初の「ナチュラル・抹茶チーズ」を製造、販売して いる。この抹茶入りナチュラルチーズは、一時、幻のチーズとしてテレビ取材が あったことからその評判が高まり、最近でも製造を上回る注文が殺到しており話 題となっている。 ナチュラル・抹茶チーズという新技術は、約5年前に京都府畜産研究所(綾部 市)において、牛乳の消費拡大を図るためにナチュラルチーズを利用して、地域 の製品である茶との組合せによる京都らしい製品づくりを目的に研究開発された もので、その製法等は平成 9 年 1 月に特許登録されている。それは殺菌作用の ある抹茶(粉末)をいかに乳酸菌の働きを活かしつつ混入するか、また、混入し た抹茶をいかに水分とともに流出することを防ぐかという二つの課題に対して、 チーズを固形化する前に、まず、サイコロ状にしてその状態で抹茶をまぶすこと で、チーズの表面以外の乳酸菌の働きを活かしつつ抹茶の流出を防ぐという画期 的なものである。 商品化に成功したナチュラル・抹茶チーズの外観は、抹茶の持つ鮮やかな淡緑 黄色の色合いが大理石状に混ざり、また、その味わいは日本人の口に合うソフト でまろやかなゴーダチーズの味にほのかな抹茶の風味がかもしだされている。 現在、JA綾酪では京都府畜産研究所において研究開発されたノウハウを譲り 受け、ナチュラル・抹茶チーズを月に約100kg製造し、綾部市内の綾部ふれあい牧 場を始め4カ所で 1 個(200g)1,000円で販売している。また、「丹の国浪漫シ リーズ」というキャッチフレーズで、ナチュラル・抹茶チーズ(グリーン)に加 え新商品のナチュラル・一味とうがらしチーズ(レッド)及びプレーンタイプの ナチュラルチーズ(アイボリー)による3色のチーズを組合せ発売し、さらに、 「ヨーグルト」をも組み合わせた販売展開を行っている。 こうしてJA綾酪では、地域に根ざした乳製品の特産品づくりに、日夜たゆまぬ 努力を続けている。
【JA綾酪 電話0773-42-0378】 |