豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇


4 月−76,591トン(1.4%)

・母豚頭数の増加等から、 3 カ月連続で前年同月を上回る。
・と畜頭数は、1,443千頭(1.5%)と 5 カ月連続で前年同月を上回る。
・平均枝肉重量(全国平均)は、75.8kg/頭  (▲0.1%)と前年同月並み。

肉豚生産出荷予測
 
 資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成10年5月29日公表)

◇図2:豚肉の輸入量◇


4 月−45,918トン(9.4%)

・基準輸入価格が引き下げられ、前月より 2 万トン増で、 3 カ月連続で前年同
 月を上回る。

・冷蔵品は、テーブルミートの一定需要等から、13,714トン(26.8%)。前年は
 台湾産の輸入禁止措置等から減少したため、 2 カ月連続で前年同月を上回る。

・冷凍品は、32,204トン(3.3%)と3カ月連続で前年同月を上回る。韓国が6,6
 66トン(250.2%)と増加。


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


4 月 米国産−15,203トン(26.2%)

・冷蔵品は、10,266トン(19.9%)と、10カ月連続で前年同月を大幅に上回る。
 冷蔵品全体の74.9%を占める。

・冷凍品は、4,937トン(42.0%)とSG発動下で激減した前年同月を大幅に上回る。

   デンマーク産−9,707トン

・SG解除の 9 年 7 月に激増し、その後、減少したが、関税引き下げ等で再び増
 加。

・冷凍品は、全体の30%を占める。


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


4 月−127,722トン(4.6%)

・国産品は、71,584トン(▲1.8%)と 3 カ月ぶりに前年同月を下回る。
・輸入品は、56,138トン(14.3%)と 3 カ月ぶりに前年同月を上回る。


◇図5:豚肉の家計消費量(1人当たり)◇


4月の家計購入量−385g/人(1.1%)

・前年同月が小売価格の上昇の影響等から減少したこと等もあり、再び、前年同
 月を上回る。

3月の加工仕向肉量−30,965トン(0.3%)

・国産品は、9,362トン(▲1.5%)と 2 カ月連続で前年同月を下回る。
・輸入品は、21,603トン(1.1%)と 3 カ月連続で前年同月を上回る。


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


4月−102,337トン(▲21.8%)

・輸入品在庫は、81,456トン(▲26.5%)と9年6月以来10カ月ぶりに9万トン
 を割る。

・在庫率(在庫量/推定出回り量)は、0.80カ月と 2 カ月連続で 1 カ月分を下
 回る。

・未通関在庫は、前月より3,443トン減で、3,257トン(▲88.9%)と落ち着いた
 動き。


◇図7:豚肉の卸売価格(東京・省令)◇


4月−452円/kg(▲16.8%)

・ゴールデンウィークに向けての需要等から中旬以降、400円台後半で堅調に推移。
 月末にかけて1日の全国出荷頭数が、8万頭台と高水準となったこと等もあり
 一服。

5月(速報値)−475円/kg(▲5.6%)

・連休明けから、在庫補充の動き等で堅調に推移。1日当たりの出荷頭数が6万
 頭台の日もあり、500円を越える日もあった。

・4カ月連続で、前年同月を下回る。


◇図8:国産豚肉の仲間相場(冷凍品)◇


4月	冷凍品「うで」−414円/kg(▲13.7%)
	 同 「もも」−428円/kg(▲16.8%)

・うでは、わずかに値を上げるが、 2 カ月連続で前年同月を下回る。
・ももは、 8 年10月から連続して前年同月を下回って推移。
・月毎にみると、うで、ももとも 9 年 4 月以降、基調として低下傾向。


◇図9:輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品)◇


4月  米国産「ロース」−693円/kg(▲24.5%)

・ 7 年10月から24カ月連続で前年同月を上回った後、 9 年10月から前年同月を
 下回って推移。

・基準輸入価格の引き下げもあり、低下傾向で推移。

・前年は、SGとSSGの重複発動等により上昇していた中で、台湾産の輸入禁
 止措置の影響でさらに値を上げ、前年同月を大幅に下回る。


◇図10:輸入豚肉の仲間相場(冷凍品)◇


4月デンマーク産「ばら」−574円/kg(▲24.2%)

・9年2月から 9 カ月連続して前年同月を上回った後、11月から 6 カ月連続で
 下回る。

・基準輸入価格の引き下げもあり、9年4月をピークにおおむね低下傾向で推移。

・前年は、在庫の減少やオランダでの豚コレラ発生によるEU域内の品不足の影響
 等を受け上昇していたこと等から、前年同月を大幅に下回る。



トピックス
9 年度は、SG解除等から豚肉調製品輸入は減少

◇図11:豚肉の調整品の輸入量◇

◇図12:調整品の国別輸入構成比◇


 7年度、8年度と連続してSGが発動され、基準輸入価格が引き上げられたため、
関税の緊急措置の対象とならず定率関税で輸入できる豚肉調製品やソーセージ等
の輸入が増加した(図11)。

  9年度は、7月のSG解除により基準輸入価格が引き下げられ、調製品を輸入す
るメリットが薄れたため、輸入量は減少した。

 豚肉調製品とは、豚肉を加熱処理したり、調味料を添加する等調理及び保存に
適するようにしたものである。シーズンドポーク、とんかつ、ハンバーガー用の
パティ等も含まれる。

 米国、カナダからの調製品輸入のほとんどが、加工原料用のシーズンドポーク
等であるといわれる。

 9年度の輸入数量は、かた調製品が35,455トン(▲20.7%)、その他調製品が
28,464トン(▲14.8%)、もも調製品が2,169トン(▲27.6%)、ソーセージが13,
229トン(▲7.3%)となっている。

 また、国別にみると、全種類とも米国が最も多く半数以上を占めている。かた
調製品及びもも調製品は、2位がカナダとなっている(図12)。その他の調製品
については、 2 位がデンマーク、次いで中国、カナダとなっている。



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