牛 肉・肉用子牛

牛 肉



◇図1:牛肉の生産量◇

8 月−28,748トン(0.0%)

・ 7 年 1 月以降、基調としては減少傾向であったが、10年 6 月、 7 月と前年
 同月を上回る。

・ 8 月は前年同月並みで、10年度累計では、0.5%増。

・枝肉重量は、各品種ともわずかに増加傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇

8 月の和牛−45,660頭(▲0.1%)
   乳牛−54,905頭(▲2.8%)

・和牛は、めすが 3 カ月連続で前年同月を上回るが、去勢は 3 カ月ぶりに下回
 る。

・乳牛は、去勢が3カ月連続で前年同月を上回るが、めすは12カ月連続で下回る。


◇図3:牛肉の輸入量◇

8 月−56,795トン(▲0.7%)

・冷蔵品は、夏の需要期にもかかわらず、米国産、豪州産ともに前年同月を下回
 り、合計で11.5%下回る。

・冷凍品は、加工向け需要が好調で、前年同月を9.1%上回る。

輸入見込数量(事業団調べ)



◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇

8 月の米国産−27,502トン(▲2.0%)

・冷蔵品は、原産地高、円安等から、 6 カ月ぶりに前年同月を10.6%下回る。

   豪州産−26,608トン(1.2%)

・冷蔵品は、国内相場軟化等から前年同月を11.9%下回るが、冷凍品は、ハンバ
 ーガー等需要が好調で19.4%上回る。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

8 月−90,129トン(4.8%)

・国産品34,254トン(20.4%)、輸入品55,876トン(▲3.0%)で、合計では、前
 月に続き前年同月を上回る。

・10年度累計では、3.3%増。


◇図6:牛肉の家計購入量( 1 人当たり)◇

8 月−278g/人(▲0.7%)

・ 9 年11月までは、かなり減少した前年同月を上回って推移し、回復傾向。

・しかし、12月以降は、消費支出が低迷する中で、10年6月を除き、前年同月を
 下回って推移。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

8 月−100,240トン(4.5%)

・国産品は12,326トン(17.2%)と、4月以降前年同月を1割以上、上回って推
 移。

・輸入品は87,914トン(2.9%)と、 5 月以降 9 万トン前後で推移。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇

8 月−1,111円/kg(▲9.0%)

・国産品志向、F1取引頭数の増加等から引き続き高水準にはあるものの、前年が
 より高い水準であったこと、消費低迷の影響もあり、1月以降前年同月を下回
 って推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(東京、和牛去勢)◇

8 月のA5−2,435円/kg(0.8%)

・ 4 月は約 1 年ぶりに前年同月を下回ったが、 5 月以降再び上回り、2,400円
 台で推移。   

	A3−1,631円/kg(▲3.0%)

・ 2 月以降、わずかながら前年同月を下回る月が多い。A 2 は、 1 月以降、前
 年同月を下回って推移。


◇図10:牛肉の卸売価格(東京、乳去勢・F1去勢)◇

8 月の乳去勢B2−607円/kg(▲25.0%)

・消費低迷の中、需要が他品目へ移行していること等から、前年同月を大幅に下
 回る。

   F1 去勢B3−1,334円/kg(▲6.5%)

・消費低迷の中、全国的な取引頭数の増加もあり、2月以降、前年同月を下回る
 月が多い。B 2 は、 9 年11月以降、前年同月を下回って推移。


◇図11−1:米国産牛肉の仲間相場◇

◇図11−2:豪州産牛肉の仲間相場◇

8 月の米国産冷蔵リブアイロール2,002円/kg(10.0%)

・需要はそれほど強くないものの、輸入価格の上昇、ロイン輸入量減少による品
 薄等から、 5 年 3 月以降初めて2,000円を超える。

		豪州産冷蔵グラス・フルセット−524円/kg(▲4.5%)

・前月まで3カ月連続で、前年同月を上回ったが、8月は輸入量増加等から、下
 回る。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇

8月の頭数−18,831頭(0.9%)

・母牛頭数の減少等から、基調としては前年同月比で減少傾向。

8月の価格−366千円(▲1.2%)

・8年11月以降、基調としては、前年同月比でわずかに低下傾向。おすに比べ、
 めすの低下率が大きい。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇

8月の子牛価格−75千円(▲33.5%)

・取引頭数は大幅減少だが、枝肉価格の大幅低下等から、9年10月以降、前年同
 月を下回って推移。 4 月に 2 年ぶりに10万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−12千円(▲61.5%)

・子牛価格の低下等から、前年同月を大幅に下回り、 2 万円を大きく割り込む。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇

8 月の子牛価格−169千円(▲17.4%)

・枝肉価格の低下、取引頭数の増加等から、 9 年 9 月以降、前年同月を下回っ
 て推移。 4 月に 9カ月ぶりに20万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−75千円(▲26.3%)

・子牛価格の低下、取引頭数の増加等から、9年12月に10万円を割り込み、ほぼ
 一貫して低下。


トピックス

低下傾向のF1価格


◇図15:F1 枝肉の取引(対前年同月比)◇

◇図16:F1 子牛の取引(対前年同月比)◇

 F1 の枝肉価格、子牛価格が低下傾向にある。

 F1 枝肉の取引頭数( 8 中央卸売市場計)は、F1 生産の増加を受け、 8 年12
月以降、大幅な増加傾向にある(図15)。

 枝肉価格(B3)は、 9 年まで堅調に推移してきたが、全般的な消費低迷に加
え、取引頭数の大幅増加もあり、10年2月以降、前年同月を下回る月が多くなっ
ている。

 子牛の取引頭数も、F1生産の増加を受けて増加傾向が続いている。枝肉価格の
低下に加え、取引頭数の増加等から、子牛価格も、 9 年 9 月以降、前年同月を
下回って推移している(図16)。

 F1子牛が7〜8月齢、その後の肥育期間が18〜20月とすれば、子牛の取引頭数
から見て、今後も枝肉の出荷は増加傾向が続くものと見られる。今後のF1の枝肉、
子牛価格に注目したい。


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