岩手県/川村 輝雄
岩手県農業研究センター畜産研究所(岩手県滝沢村)では、平成9年度自動搾 乳システム実用化事業(国庫補助事業)により、酪農家の搾乳作業省力化実現を 目的に、搾乳ロボットとこれに関連する牛舎等の施設を今年3月までに整備した。 6 月 4 日、試験牛25頭を牛舎に入れ、搾乳ロボットの試験を開始した。牛舎 は24床のフリーストール牛舎で搾乳ロボットの設置された搾乳棟と連絡通路でつ ながっている。搾乳ロボットはオランダ製で1頭搾乳可能なボックスを持ち、例 えば、24時間稼動すると60頭の牛群であれば、 1 日に 3 回搾乳できる能力を持 っている。 現在、国内には 2 種類の搾乳ロボットが稼動している。独立 1 ボックスで分 房別搾乳を特徴とするこのタイプは、昨年12月、北海道の酪農家に国内で初めて 導入され、今回導入されたものは第 2 号である。 牛舎の中の乳牛は、横臥(ベッドに横たわること)、採食、搾乳の各行動を自 由に行うことができる。試験牛は徐々に搾乳ロボットに馴れ、 3 週間で約 8 割 の牛が自分で搾乳ロボットに来るようになった。第 1 週から 4 週の平均乳量は、 35kg〜38kgで推移し、試験前よりやや増加した。牛はリラックスし横臥時間が増 加した。 今後は、自分でロボットに入らない牛の対策を検討するとともに搾乳ロボット と自動給飼装置を組み合わせ、超省力的な酪農経営実現に向けた試験に取り組み たい。
【約8割の牛が、自ら搾乳ロボットに来る。】 |
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【搾乳の様子】 |