牛 肉・肉用子牛

牛 肉



◇図1:牛肉の生産量◇

1 月−26,344トン(▲5.0%)

・7年以降、基調としては減少傾向であったが、10年 6 月から概ね前年同月を上
 回って推移

・10年10月と11年 1 月は前年同月を下回り、10年度累計では、0.2%減。

・枝肉重量は、各品種ともわずかに増加傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇

1 月の和牛−39,202頭(▲6.7%)
   乳牛−51,523頭(▲4.8%)

・和牛は、去勢は 6 カ月連続で前年同月を下回る。めすは、 3 カ月ぶりに減少
(▲4.3%)

・乳牛は、去勢は 6 月以降概ね前年同月を上回って推移したが、10年10月と11年
 1月は下回る。めすは、ほぼ一貫して前年同月を下回って推移。


◇図3:牛肉の輸入量◇

1 月−52,724トン(22.3%)

・ 1 月の通関レートが有利だったため、冷凍品を中心に増加。
・10年度累計では、2.9%増。
・冷蔵品は、前年同月を6.0%上回る。累計では3.7%減。
・冷凍品は、前年同月を35.2%上回る。累計では9.1%増。

輸入見込数量(事業団調べ)
gyunik3b.gif (2544 バイト)

 

◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇

1 月の米国産−25,195トン(22.5%)

・原産地高等から、冷蔵品は6カ月連続で前年同月を下回る。冷凍品は39.6%増。

   豪州産−24,458トン(23.0%)

・冷蔵品は 3 カ月連続で前年同月を上回る。冷凍品は31.9%増。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

1 月−73,537トン(4.5%)

・輸入品は、輸入増を反映して47,213トン(11.3%)、国産品は26,314トン(▲
 5.8%)。

・10年度累計では、1.6%増。


◇図6:牛肉の家計消費量( 1 人当たり)◇

1 月−245g/人( 0 %)

・ 9 年12月以降は、消費支出が低迷する中で、前年同月を下回って推移。
・ 1 月は前年同。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

1 月−92,730トン(0.5%)

・国産品は10年4月以降前年同月を上回って推移し、1月は12,174トン(10.2%)。
・輸入品は80,556トン(▲0.8%)と、 5 カ月連続で前年同月を下回る。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇

1 月−1,003円/kg(▲8.8%)

・10年度に入ってF1価格が低下してきたことや長引く消費不振の影響等から10
 年 1 月以降前年同月を下回って推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(東京、和牛去勢)◇

1 月のA 5 −2,445円/kg(0.2%)

・ 4 カ月ぶりで前年同月を上回る。

   A 3 −1,588円/kg(▲2.5%)

・8カ月連続で前年同月を下回る。A2は、10年1月以降、前年同月を下回って推
 移。


◇図10:牛肉の卸売価格(東京、乳去勢・F1去勢)◇

1月の乳去勢B 2 −564円/kg(▲24.6%)

・消費低迷の中、需要が他品目へ移行していること等から、前年同月を大幅に下
 回る。

   F1去勢B3−1,223円/kg(▲9.5%)

・消費低迷の中、全国的な取引頭数の増加もあり、6カ月連続で前年同月を下回
 る。B 2 は、 9 年1月以降、前年同月を下回って推移。


◇図11−1:米国産牛肉の仲間相場◇

◇図11−2:豪州産牛肉の仲間相場◇

1 月の米国産冷蔵リブアイロール1,836円/kg(▲5.3%)

・輸入価格の上昇、ロイン輸入量減少による品薄等から上昇し、10年9月にピー
 クとなった。以降低下し、 1 月は 1 年ぶりに前年同月を下回る。

   豪州産冷蔵グラス・フルセット−510円/kg(▲13.3%)

・10年 8 月以降 6 カ月連続で前年同月を下回る。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇

1月の頭数−32,336頭(▲3.5%)

・母牛頭数の減少等から、基調としては前年同月比で減少傾向。

1月の価格−388千円(1.3%)

・10年 9 月から 5 カ月連続で前年同月を上回る。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇

1 月の子牛価格−69千円(▲38.1%)

・取引頭数は大幅減少だが、枝肉価格の大幅低下等から、 9 年10月以降、前年同
 月を下回って推移。10年 4 月に10万円を割り込み、低下続く。		

   ヌレ子価格−18千円(▲38.1%)

・子牛価格の低下等から、前年同月を大幅に下回る。10年 8 月に1万1千円まで
 低下したが、1月には 1 万 8 千円とやや回復。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇

1 月の子牛価格−155千円(▲25.5%)

・枝肉価格の低下、取引頭数の増加等から低下基調で推移。10年4月に 9 カ月ぶ
 りに20万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−59千円(▲32.7%)

・子牛価格の低下、取引頭数の増加等から、ほぼ一貫して低下。


トピックス

肉用子牛価格、黒毛和種が上昇傾向


◇図15:牛肉の規格別卸売価格◇

◇図16:和去勢A 3 との価格差◇

 黒毛和子牛価格は、 8 年11月以降、基調としては低下傾向で推移してきた。し
かし、10年 6 月の356千円/頭を底に上昇に転じ、9月以降、5カ月連続で前年同
月をわずかながら上回って推移している。

 この要因としては、1つには取引頭数が減少していることがあげられよう。(図
15)

 一方で、枝肉卸売価格は、乳用種では9年以降、F1 及び和牛も10年に入って低
下してきており、最近では、「A3 以上の高級肉」以外は低下が顕著になってきて
いる。肥育経営において、乳用種及びF1 から黒毛和種への変更が促され、黒毛
和子牛の需要がタイトになっていることが考えられる。

 しかしながら、和牛肥育経営においても収益性は低下してきている。今後も、
飼料価格の動向にもよるが、すでに導入された素牛価格からみてコストの大幅な
低下は望めない(図16)。このような状況で、子牛価格が上昇している。今後の
動向に注意する必要があろう。


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