三重県/吉田 譲
平成10年11月 7 、 8 日に三重県伊勢市の県営サンアリーナで開催された 「みえ歴史街道フェスタ」に三重県特産肉協会(会長 原田正司副知事)が参 加し、特産牛肉の試食会を実施した。 三重県は古くから伊勢神宮への街道が整備され、それぞれの土地で様々な歴 史、文化が形作られてきた。今回始めて企画されたフェスタでは、当時の天皇 の名代として 5 世紀から12世紀の長期にわたり何度も京都から派遣された 「斎王」(伊勢神宮等に奉仕した未婚の内親王または女王)をメインにして街 道の歴史、芸能、食文化等を紹介した。 三重県の「松阪牛」は明治の初め、東京で牛肉消費が増大した機会を的確に 捉えた三重県の家畜商、山路徳三郎氏が東海道を歩いて東京まで和牛を運んだ という「牛追い道中」に始まっている。街道が形作った歴史そのものであるこ とから、同協会はフェスタに参加し高級和牛肉の試食会を開催した。 2 日間で400名に和牛肉のサイコロステーキをふるまったところ、参加者か ら今まで食べたことのないやわらかさと深みのある味ということで大変好評で あった。 ちなみに、当日試食に出された和牛肉は松阪牛で、卸値で100g当たり千円で サイコロステーキ 1 個当たり(25g)の値段は250円である。 三重県民でありながら値段が高すぎてあまり食することのない松阪牛を、少 人数ではあるが、食味する機会があることは、消費拡大と消費者の理解を得る うえで極めて有意義であると考えられる。今後も機会あるごとに試食会開催が 必要と感じた。
【松阪牛と街道の歴史を展示】 |
【1 口250円の松阪牛を試食】 |