群馬県/福田 博文
畜産環境問題が社会的に厳しくなるなか、平成10年度において、伊勢崎地区農 業改良普及センター管内では、伊勢崎地区酪農連絡協議会主催による第4回畜産 環境美化コンクールが、また、佐波郡東村では初めての畜産環境美化コンクール が開催された。 これは、環境美化等に努め、畜産のイメージアップと畜産経営の安定的発展に つながることを目的として行われているものである。 施設周辺の美化や環境問題に対する認識、周辺住民との交流を通じて畜産のイ メージアップに努めていることなど、幅広い面から審査を行うとともに、地区審 査、県審査も行っている。 伊勢崎市や東村では、畜舎周辺には、花も植えられ、環境美化に対する畜産農 家の意識向上が伺われるようになってきている。畜舎周辺を樹木等で目隠しする のも一助ではあるが、かえって畜産農家が孤立をしてしまい、地域住民から臭い、 汚いの悪名を持たれ、ややもすると農家の廃業につながる恐れさえあるように思 われる。植花をすることにより、畜産農家のイメージを図るとともに、地域住民 に開かれた畜産を目指し、地域にPRをしていくことは重要である。これからの畜 産はPRの時代ではないだろうか。 そこで、伊勢崎地区農業改良普及センターでは、畜産環境美化促進の一環とし て、伊勢崎市の協力により「畜舎周辺の植花について」のポスターを作成し、同 地区内の畜産農家に配布を行った。 長期間咲く花、越冬する花、手入れが楽な花、自然に増える花をポイントに、 畜舎周辺に適する植花16花を掲載したものである。ガーデニングブームが続くな かで、畜舎周辺にも植花をし、環境美化促進とともに畜産農家にも花の名前を覚 えてもらうのがねらいである。一年草、宿根草、球根別に分けられ、オールカラ ーで表示され一目で花期がわかるのも特徴となっている。 畜舎周辺に植花をすることにより、地域住民の交流や畜産農家に対する住民の 理解も深まるものと期待している。