◎地域便り


横浜市食肉市場ミートフェア開催   

神奈川県/川西 隆智


 風薫る5月14日、横浜市中央卸売市場食肉市場において、恒例のミートフェア
が盛大に開催された。今回で11回目となるこのフェアは、肥育技術の研鑽と生産
者間の親睦を兼ねて開催されているもので、北は秋田、岩手から南は静岡まで、
東日本に点在する和牛生産地11県から黒毛和種の肥育牛147頭が出品された。日
本食肉格付協会や全農、横浜市や神奈川県等の肉牛技術者6人が審査員となり、
褒賞枝肉21点についての選定が行われた。

 今年、名誉賞に輝いたのは3年連続名誉賞獲得という快挙を成し遂げた湯浅治
氏(福島県喜多方市)出品の去勢牛で、枝肉重量467kg、ロース芯面積78cm2、
BMS12と肉量、肉質ともにバランスのとれた品格のある枝肉であった。買参人か
らの積極的な買いもあり、枝肉単価5,550円/kg、枝肉金額2,591,850円という高
値で取り引きされた。

 また、三浦葉山牛や相州牛といったブランドを持つ神奈川県の生産者も地元の
意地をかけて健闘しており、本県の肥育生産者組織である「神奈川県肉牛肥育技
術研究会」の石井義房氏出品の去勢牛が最優秀賞受賞、枝肉単価3,980円/kgの
高値でセリ落とされた。

 出品牛147頭の平均枝肉重量は465kg、同枝肉歩留65.8%、上物率70.7%、平均
枝肉金額は933,642円と好成績で、特に、これだけの上場頭数での上物率の高さか
ら、これにかける生産者の意気込みが伝わってくるようである。また、ここ3年
間の成績を見ると、枝肉重量や歩留、上物率や枝肉金額等が年々向上しており、
肥育素牛を選ぶ的確な目とその能力を100%引き出す肥育技術の確かさ、それに
甘んじることなく続けられる技術向上のための研究等、生産者各位の日頃の精進
の賜と思われる。

 早朝から集まった出品者は147本の枝肉1本1本を熱心に比較検討し、時にはラ
イバルと肉質談義に花を咲かせながら、牛鍋発祥の地、横浜で有意義な一日を過
ごしたようである。夕方、氷川丸船上で行われた懇親会は、多数の生産者や関係
者が会し、これからの肉用牛経営についての真剣で積極的な話題で盛り上がって
いた。

 横浜食肉市場が開設されて今年で40年、東京芝浦市場とともに首都圏の食卓に
安全でおいしい牛肉を提供している当市場でのこの催しをこれからも技術研鑽の
場として末長く継続してほしいものである。

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【審査発表にわきあがる会場】
【年々向上する品質】

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