牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

6月−723,889トン (▲1.6%)

・北海道は前年同月並みとなったが、都府県では経産牛飼養頭数の減少もあって
 2.9%下回る。全国では9年4月以降、概ね前年同月を下回って推移。


◇図2:1 頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:6月−28.2kg(▲0.7%)
都府県:6月−26.1kg(▲0.8%)
    7月−25.8kg(0.8%、速報値)

・北海道は、10年9月以降伸びが鈍化し、11月以降は概ね前年同月をわずかに下
 回って推移。  

・都府県は、10年度は概ね前年並みで推移したが、11年4月以降、前年同月をわ
 ずかに下回る。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

6月−435,567 トン(▲0.8%)

・9年10月以降、ほぼ前年同月を下回って推移。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、はっ酵乳等の生産は引き続き増加傾向。
 飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、6月は66,
 122kl(▲0.1%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

6月−342,555kl(▲1.8%)

・9年10月以降、前年同月を下回って推移し、6月もわずかに下回る。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇

6月−乳飲料   111,258kl(8.5%)
   はっ酵乳 66,839kl(6.1%)

・消費者の健康志向、メーカーの積極的な商品開発等を背景に、両アイテムとも
 10年度まで概ね前年を上回って推移。

・乳飲料は、10年度以降伸びが鈍化したものの、6月はかなりの伸びとなる。

・はっ酵乳は、前年同月の伸びが大きかったこともあり、9カ月ぶりに1ケタ台の
 伸びとなる。


◇図6:乳製品向け処理量◇

6月−279,646トン(▲2.9%)

・11年2月以降、前年同月を上回って推移したが、6月は5カ月ぶりにわずかに下
 回った。

・チーズ生産量は10,065トン(▲6.6%)と前年同月をかなり下回ったが、うち直
 接消費用ナチュラルチーズは1,231トン(2.2%)と上回った。            

・生クリーム等生産拡大促進事業の効果等から伸びてきたクリームは、6月は5,6
 80トン(12.9%)と5カ月連続で2ケタ台の伸び。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

6月の生産量−16,305トン(▲5.7%)

・10年9月以降、脱脂濃縮乳仕向けの急増等から概ね前年同月を下回って推移。

・推定出回り量は19,600トン(6.0%)。推定期末在庫量は、50,800トン(▲23.5
 %)と前年同月を大幅に下回る。

・事業団は、2月25日に落札決定した11年度カレントアクセス分の脱脂粉乳10,80
 0トンの約95%に当たる10,254トンについて、5月中に検収を完了。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

6月−13,643円/ 25kg(▲0.5%)

・9年4月以降、ゆるやかな値下がり傾向。

・11年2月以降5カ月連続の同価格で、安定指標価格(13,090円/25kg)を4.2%上
 回る。


◇図9:バターの需給◇

6月の生産量−7,103トン(▲11.3%)

・6月はクリーム生産量の大幅な伸び等から前月に続き前年同月をかなり大きく
 下回る。

・推定出回り量は6,000トン(▲2.5%)。推定期末在庫量は36,400トン(16.4%)
 と前年同月を大幅に上回る。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

6月−983円/kg(▲1.0%)

・在庫量の増加を反映し、緩やかな値下がり傾向。
・6月は2円下げ、4カ月連続の下げとなる。


トピックス

飲用乳の表示...「消費期限または品質保持期限」に強い関心、今後は「牛乳(生乳)使用割合」記載商品を購入希望


◇図11:表示への関心(点線部分は無回答)◇

◇図12:関心のある表示(複数回答、その他・無回答を除く)◇

◇図13:種類別の違いの認知度(点線部分は無回答)◇

◇図14:どんな表示の商品を購入したいか(複数回答、上位5項目、%)◇

 農水省が平成10年度に、全国主要都市在住の主婦1,021人を対象として行った
「飲用乳の消費について」のメール調査(調査票回収者1,017名、回収率99.6%。
11年6月公表)の中から、飲用乳の表示に関する調査の結果を紹介したい。この
調査は、生乳や牛乳乳製品を原料とする飲料(飲用乳)について、その購入状況
や商品の表示に関する意識等を調査し、今後の飲用乳の普及推進等について検討
する際の資料とするために実施された。


(1)9割程度が表示に関心

 飲用牛乳の表示について、「非常に関心がある」は全体の35.0%、「やや関心
がある」の54.0%と合わせると89.0%となる。年代別に見ると、年代が高くなる
ほど表示への関心が高くなる傾向となっている。「全く関心がない」は全ての年
代で0%であった(図11)。


(2)飲用牛乳の表示に関心がある人の約9割が「消費期限または
  品質保持期限」の表示を重視

 (1)で「非常に関心がある」または「やや関心がある」を選択した905名に、
飲用乳の表示のうちどの内容に関心があるかを聞いたところ、「消費期限または
品質保持期限」が89.1%と群を抜いて高くなっている。続いて「カルシウム、鉄
分強化等の説明」、「種類別」、「乳脂肪分」及び「カロリー、糖質等の栄養成
分表示」が40%台、「生産地」、「商品名」及び「原材料」が30%台となってい
る(図12)。


(3)知られていない「部分脱脂乳」

 次の「飲用乳の種類別違い」を参考に、飲用乳の種類別の違いを知っていたか
どうかを聞いたところ、「牛乳」、「加工乳」、「乳飲料」、「脱脂乳」、「は
っ酵乳」及び「乳酸菌飲料」では「だいたい知っている」が最も高いのに対し、
「部分脱脂乳」については「知らなかった」が最も高くなっている(図13)。

飲用乳の種類別の違い

牛 乳:直接飲用に供する目的で販売する牛の乳(生乳(注1)をそのまま加熱
   殺菌したもの)。

加工乳:生乳、牛乳またはこれらを原料として製造した食品(脱脂粉乳等)を加
   工したもので、部分脱脂乳、脱脂乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料以外のもの。

   (牛乳から水分を除去し、乳成分を高めたものもあるが、一方で、脱脂粉
   乳等の乳製品から加工されたものもある。)

乳飲料:生乳、牛乳またはこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲
   料で、牛乳、加工乳、脱脂乳、部分脱脂乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料以外の
   もの。

   (牛乳、加工乳等にカルシウムやビタミンを添加したものや、コーヒーや
   いちご風味を加えたものなど。)

脱脂乳:生乳、牛乳からほとんどすべての乳脂肪分を除去したもの(乳脂肪分0.5
   %未満のもの)。

部分脱脂乳:生乳、牛乳から乳脂肪分を除去したもので、脱脂乳以外のもの(乳
   脂肪分0.5%以上3.0%未満のもの)。

はっ酵乳:乳(注2)またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳製品等を乳酸
   菌または酵母ではっ酵させ、糊状または液状にしたもの。

乳酸菌飲料:乳等を乳酸菌または酵母ではっ酵させたものを加工し、または主要
   原料とした飲料(はっ酵乳を除く)。

 (注1)生乳:さく取したままの牛の乳
 (注2)乳:生乳、牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳


(4)生乳使用割合表示商品を購入希望

 今後どのような表示がある商品を購入したいかについては、全体では「牛乳
(生乳)使用割合が記載されているもの」が74.4%と最も高く、次いで「体に有
用な物質を含む旨が記載されているもの」(66.0%)、「乳脂肪分量や無脂乳固
形分量が大きく表示されてるもの」(56.4%)となっている。年代別に見ると、
20代は他の年代と異なり、「体に有用な物質を含む旨が記載されているもの」が
第1位で、「牛乳(生乳)使用割合が記載されているもの」や「乳脂肪分量や無
脂乳固形分量が大きく表示されてるもの」の割合が低く、「消費期限または品質
保持期限が長いもの」や「料理レシピが記載されているもの」が他の年代に比較
して高くなっている(図14)。

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