鶏 肉

鶏 肉



◇図1:鶏肉の生産量◇

6月−98,502トン(▲5.0%)

・需要の低迷を受け、10年7月以降前年同月を下回って推移。 

ブロイラー用ひなえ付け羽数−48,553千羽(▲1.0%)

・引き続き減少傾向にあり、6月は前年同月をわずかに下回る。

・農林水産省統計情報部のひな出荷見通しでは、前年同月比で、11年7月▲3%、
 8月▲1%、9月▲1%。(7月上旬聞き取り)


◇図2:鶏肉の輸入量◇

6月−48,164トン(3.3%)

・相場が円高傾向で推移していることや、国内生産が減少傾向にあること等から、
 前年同月をやや上回る。

・中国産は19,987トン(▲3.6%)と2カ月ぶりに下回る。うち冷蔵品は1,373トン
 (22.5%)と8カ月連続で前年同月を上回る。

・米国産は8,315トン(▲6.5%)。

・タイ産は11,380トン(2.9%)と引き続き増加。

・ブラジル産は8,198トン(44.6%)とレアル切り下げの影響等から引き続き大
 幅に上回る。

鶏肉の調製品輸入量−9,534トン(15.4%)

・中国産の増加から、引き続き前年同月をかなり上回る。


◇図3:鶏肉の推定出回り量◇

6月−140,262トン(▲4.0%)

・10年4月以降、概ね前年同月を下回って推移しており、6月はやや前年同月を下
 回る。

・国産品は、99,683トン(▲6.4%)と7カ月連続で前年同月を下回る。

・輸入品は、40,579トン(2.4%)と2カ月連続で前年同月を上回る。

・家計消費量は、10年12月以降増加傾向で推移しており、279g/人(2.7%)。


◇図4:鶏肉の推定期末在庫量◇

6月−102,929トン(7.7%)

・国産品は、20,720トン(14.8%)と2カ月連続で前年同月を上回る。
・輸入品は、輸入量の増加から、3カ月連続で上回り、82,209トン(6.1%)。
・在庫全体では、減少傾向で推移していたが、2カ月連続で前年同月を上回る。


◇図5:国産鶏肉の卸売価格(東京)◇

6月−もも肉614円/kg(8.5%)

・生産が減少傾向にあること等から、10年5月以降、12月を除き、前年同月を上
 回って推移。		

   むね肉250円/kg(▲1.6%)

・9カ月ぶりに前年同月を下回る。

7月−もも肉567円/kg(6.8%)

・引き続き、前年同月をかなり上回る。


◇図6:輸入鶏肉の卸売価格◇

6月−中国産もも肉310円/kg(▲10.7%)

・9年3月以降ほぼ前年同月を上回って推移していたが、輸入量の増加等から、2
 カ月連続でかなり下回る。

   米国産骨付きもも肉246円/kg(▲3.1%)

・12カ月ぶりに前年同月を下回る。


トピックス

もも肉とむね肉の価格差


◇図7:国産鶏肉のもも肉とむね肉の卸売価格の推移◇

 日本では、テーブルミートとして、もも肉の嗜好性が高いため、もも肉とむね
肉には需要格差がある。

 もも肉とむね肉の卸売価格の差は、平成5年度には219円/kgであったが、10年
度には352円/kgまでに拡大している(図7)。

 もも肉とむね肉の生産重量は、6:4程度と言われてきたが、欧米諸国では、む
ね肉の嗜好性が高いため、むね肉の歩留まりのよい鶏の品種改良が進められてい
る。海外から種鶏を導入している日本でも、むね肉の歩留まりが年々高くなって
いるとみられ、もも肉とむね肉の価格差拡大の一因となっていると言われている。

 また、むね肉は主として加工・業務用に仕向けられるため、輸入品と競合を起
こし、価格は長期的にみて低落傾向にある。一方、輸入鶏肉は、価格が安いだけ
でなく、規格、品質的にも安定していることから、加工・業務用仕向としてのニ
ーズが高い。

 業界では、日本であまり行わなかった熟成に取り組み、テーブルミートとして
のむね肉の需要拡大をはかっている。

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