★ 農林水産省から

農林水産省の組織改革について

畜産局畜政課 井上　計

農林水産省の新体制について

　農林水産省では、食料・農業・農村基本法に基づく施策を効率的に実施するた
めに、平成１３年１月から内部の部局をこれまでの１官房５局から１官房４局
（総合食料局、生産局、経営局および農村振興局）に再編する。

　具体的には、食料政策については総合食料局が担当し、食料の安定供給に取り
組み、農業政策については、生産局が生産分野を担当し、経営局が担い手や経営
の分野を担当することになる。

　また、中央省庁等改革の一環として独立行政法人の制度が導入され、これによ
り、試験研究機関をはじめ26の事務事業が、13年4月に17の独立行政法人に移行
する。

新しい農林水産省の組織

大臣官房　　　総合調整、政策評価、予算、法令、統計調査
総合食料局　　食料政策、食品産業、食品表示、国際関係
生産局　　　　農畜産業生産対策、動植物検疫、農畜産業生産資材
経営局　　　　農業経営政策、農地流動化、金融、税制、農協
農村振興局　　農村政策、中山間地域の振興、農業農村整備
農林水産技術会議事務局　試験研究
食糧庁　　　　米麦の需給・価格安定、米麦の輸出入
林野庁　　　　林業・木材産業、森林整備・治山、山村、国有林野
水産庁　　　　海洋生物資源の保存・管理、漁場保全、漁港

平成１３年４月に設立される独立法人（１７法人）

農林水産省消費技術センター、種苗管理センター、家畜改良センター、肥飼料検
査所、農薬検査所、農業者大学校、林木育種センター、さけ・ます資源管理セン
ター、水産大学校、農業技術研究機構（７事業を統合）、農業生物資源研究所
（２事業を統合）、農業環境技術研究所、農業工学研究所、食品総合研究所、国
際農林水産業研究センター、森林総合研究所、水産総合研究センター（３事業を
統合）

生産局の設置について

　新しい農林水産省設置法においては、農林水産省の任務として、「食料の安定
供給の確保」や「農業の発展」が位置付けられたところであり、農畜産物および
関連資材の生産の増進等をはじめとする各般の農業生産振興関連施策を展開する
こととしている。

　また、食料・農業・農村基本法においては、国民の生活に不可欠な食料の安定
的な供給については、国内の農業生産の維持・増大を図ることを基本とするとし
た上で、農業の有する自然循環機能の維持増進による「農業の持続的な発展」が
基本理念の1つに掲げられるとともに、良質な農畜産物の適正な価格での供給を
推進することの重要性を唱っている。

　これらを踏まえ、食料の安定供給の確保の基本となる国内農業生産の維持・増
大のための施策の総合的推進を担う局として、生産局が設置される。

畜産部の設置について

　農業のうち「生産」に着目した分野については、国内農業生産の維持・増大の
ための施策を総合的に推進することが重要であるが、これまで畜産部門は、外国
から輸入された飼料に依存して発展する一方、耕種部門は、化学肥料の使用を増
加させるなど、それぞれ独立して発展してきた。

　しかしながら、今後、食料自給率を向上させ、持続可能な農業を発展させてい
くためには、耕種部門と畜産部門の連携が一層重要となっており、この度これら
を1つの局として所掌することとされたが、一方、畜産分野は、耕種部門と比較
して、

・動物を相手にするという特殊性から独特の技術（繁殖管理、飼料給与、衛生管
　理等）・機械（ロールベーラ等）・施設（畜舎、ミルキングパーラー、ふん尿
　処理施設等）を用いること

・多額の投資を要し、資金回転が遅く、労働時間の拘束が強いこと

などの特徴があり、このため、畜産物の生産増進、畜産技術の改良、飼料増産、
家畜衛生の向上等の畜産に係る各種施策を一体的に行うことが、畜産振興施策の
効率的かつ効果的な推進に資することから、畜産分野を1つのまとまりとして担
当する畜産部を置くこととされた。

新しい畜産部の組織

畜産企画課　畜産政策の企画立案、畜産に関する生産方式の改善、畜産に関する
　　　　　経営管理の合理化

　畜産総合対策室　（畜産政策の総合的な企画立案）
　畜産環境対策室　（畜産環境保全）

畜産技術課　畜産技術の改良発達、家畜の改良増殖

　生産技術室　（畜産技術の改良発達）

牛乳乳製品課　牛乳、乳製品

食肉鶏卵課　食肉鶏卵、家畜取引

飼料課　飼料、飼料添加物、草地整備

　需給対策室　（飼料の需給および流通）
　草地整備推進室　（草地整備）

衛生課　家畜衛生、動物検疫、獣医師、獣医療、動物用医薬品

　国際衛生対策室　（動物権益）
　薬事室　（動物用医薬品）

競馬監督課　中央競馬、地方競馬

◇新しい農林水産省の課編成（平成１３年１月６日時点）◇

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