兵庫県/真野 文夫
環境三法が施行され、悪臭防止や汚水処理など畜産環境改善への取り組みが具 体化しつつある。 兵庫県三原郡は、県内でももっとも畜産の盛んな地域である。また、稲作のほ か野菜などの耕種作物の栽培も盛んに行われており、畜産農家と耕種農家の連携 により地域内でたい肥の流通を積極的に進めている。 高田政秋さんは経産牛65頭、育成牛30頭を飼育する中核的な酪農家である。高 田さんは低コストで効率のよいふん尿処理を行っている。ふんは、ビニールハウ ス内でかくはんし、乾燥牛ふんとして地域内に流通している。これまで尿につい ては直接ほ場に還元していたが、臭気対策として図のように約6立方メートルの 中古サイロを5本並べ、1.0キロワット、0.45立方メートルの能力のブロワーで送 風し、ばっ気するといった簡単な施設を持った。 これは活性汚泥法と呼ばれる浄化法であり、土壌微生物がこの施設の命である。 日量300リットルの処理が可能。原尿の全窒素は7.0%、CODは4,900ppmですが、 処理後には全窒素が0.3%、CODが1,300ppmまでに低下している。施工費用は中 古サイロを利用しているため、安く仕上がっており、約20万円であった。高田さ んはこの施設の処理能力に満足しており、近所の酪農家にも導入を勧めている。