◎地域便り


酪農・肉用牛生産近代化計画について

兵庫県/農林水産部 畜産課


 兵庫県では、酪農および肉用牛生産の長期的な振興施策のマスタープランとも
いえる「兵庫県酪農・肉用牛生産近代化計画」に基づいて畜産の振興を図ってい
るが、畜産を取り巻く環境が大きく変化していることに加え、おおむね5年を目
途に見直しが行われている国の「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本
方針」が平成12年4月に公表されたことを受け、この方針と整合を図り、「兵庫
県酪農・肉用牛生産近代化計画」の見直しを行うこととなった。

T 酪農および肉用牛生産の近代化に関する方針

1 基本的な展開方法

 近年の酪農経営および肉用牛経営においては、穀物飼料への過度の依存、労働
過重、家畜排せつ物の不適切な管理による環境汚染等さまざまな問題が顕在化し
ている。

 こうした課題に対応するには、酪農および肉用牛生産は土地利用型農業の基軸
であるという本来の意義を再確認し、「土、草、牛」という生産要素のバランス
がとれた酪農経営および肉用牛経営を確立するとともに、今後の高齢化社会に対
応しながら、耕種経営および地域の農業関係者との連携を一層推進する。

 また、生産者と消費者を結び付ける処理・加工、流通および販売部門の相互の
連携を一層進め、生産から流通までを含めた効率化および合理化を総合的に推進
する。

2 効率的・安定的な経営体の育成

(1)経営の合理化・高度化

ア 酪農経営については、近年の厳しい酪農情勢に対処するため、牛群検定の推
 進等乳用牛改良による遺伝的能力の向上や飼養管理技術の改善等によるさらな
 る生産性の向上、生産コストの低減を図る。また、県乳質改善協議会が中心と
 なり、乳質検査成績に基づく指導体制の強化を図るとともに、生乳生産段階に
 おけるHACCP方式を導入等、衛生管理対策の充実・強化を図る。

イ 肉用牛経営については、「兵庫県肉用牛振興ビジョン」に基づき、計画的な
 改良を行うとともに、経営規模が零細なため、価格変動の影響を受け易い体質
 であることから、飼養規模の安定的拡大を図りつつ、粗飼料の生産・利用の合
 理化、飼料自給率の向上、生産・経営管理の改善、効率的な生産方式の導入等
 を推進することにより、生産の合理化を図り、ゆとりある経営の実現に努める。

ウ 酪農および肉用牛生産の生産性向上を図るため、雌雄産み分け等の受精卵移
 植関連技術をはじめ、DNA解析技術等を積極的に取り入れ、効率的な改良を推
 進するとともに、自動給じ装置・搾乳ロボット・ほ育ロボット等の飼養管理の
 自動化・省力化技術の導入を図る等、新技術の開発・普及を推進する。

(2)土地基盤に立脚した経営体の育成

 生産コストの低減等による経営の安定、家畜排せつ物の適正な処理・利用と併
せ酪農・肉用牛生産の有する多面的機能の発揮のため、飼料作物の拡大のための
取り組みを強化し、土地基盤に立脚した経営体を育成する。

3 環境問題への適切な対応

 「さわやかな畜産確立対策」ならびに「家畜排せつ物の管理の適正化および利
用の推進に関する法律」に基づく県計画により、計画的な家畜ふん尿処理施設の
整備を図るとともに、耕種農家等との連携強化によるたいきゅう肥の土地還元を
基本とした地域での有効利用体制ならびに地域間の需給調整を行う広域流通体制
の整備等を図る。

 また、家畜ふん尿処理技術の開発・普及の推進により低コスト処理を図るとと
もに、法制定を踏まえ家畜排せつ物の適切な管理の確保など家畜環境の保全にか
かる指導の充実、強化に努める。

4 畜産経営支援組織の育成

 酪農経営においては、高齢化社会に対応し労働負担の軽減、周年拘束性の解消
を図るため、酪農ヘルパーおよび飼料作物生産の協業化等の地域における経営支
援組織の育成・定着を推進し、県下酪農団体組織の再編整備による経営基盤の強
化と併せ、効率的な組織編成へと誘導していく。

 肉用牛経営においては、子牛の家畜市場への出荷や冠婚葬祭時等における飼養
管理を行う和牛ヘルパーの育成、病気による高齢者の経営離脱防止のための大規
模農家等を活用したショートスティシステムの確立を推進する。

 飼料生産については、経営規模の拡大に伴って家畜の飼養管理や飼料生産にお
いて労働過重に陥りやすいことから、地域立地条件を勘案して飼料生産や稲わら
収集等の組織化を図り、飼料の安定確保を図る。

 環境整備については、畜産経営、耕種経営がそれぞれの経営に有効な飼料とた
い肥の交換、広域流通等の定着を図るため、関係機関・農協・生産組織等を通じ
た耕種経営との連携体制を整備する。

5 流通・加工の合理化等

 生乳の流通については、新鮮で安全な生乳の安定的供給を図るため、酪農団体
および乳業工業の整備統合を推進して集送乳路線の徹底した合理化などを行うと
ともに経費の低減に努める。

 牛肉の流通・加工については、流通コストの低減と適正な価格形成を図るため、
家畜市場の再編整備と機能の高度化、産地食肉処理施設の再編整備、部分肉流通
の促進とその円滑化、食肉卸売市場の整備等を推進する。

U 生乳の生産数量の目標ならびに乳用牛および肉用牛
  の飼養頭数の目標




V 飼料の自給度の向上に関する事項




W 集送乳および乳業の合理化ならびに肉用牛および
  牛肉の流通の合理化に関する事項
集送乳および乳業の合理化


肉用牛及び牛肉の流通の合理化


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