◎地域便り


茨城県 ●乳文化の向上目指して第6回山羊サミットが盛大に開催(水戸市)

調査情報部


 小さな乳牛と言われるヤギ関係者の集い「第6回山羊サミットin水戸」が9月27日〜28日の二日間、茨城県水戸市で盛大に開催された。今回は茨城県、水戸市などの行政が全面的に支援し、また県内の畜産団体で実行委員会を結成した。実行委員会の会長には茨城北酪農協の古平 力組合長が就任したこともあり、酪農関係者も多数参加した。

 沖縄から北海道までのヤギ関係者ら約700名の参加者が水戸市の市民会館に集まり、ヤギの乳や肉の利用や教育効果などの理解を深めた。

 ホスト役の水戸市は、91年に(財)水戸市農業公社が森林公園内に建設した「森のシェーブル館」で市民とヤギのふれ合いを楽しめる牧場づくりやヤギ乳製品の製造・販売を積極的に行うなど、行政機関としてはユニークな事業を展開している。また、ヤギ乳製品のサントモール(表面が炭に覆われたソフトタイプのナチュラルチーズ)がオールジャパンナチュラルチーズコンテストで優秀賞を獲得するなど技術的にも高く評価され、最近ではヤギ乳のソフトクリームやドリンクヨーグルト、チーズホエードリンク、レアチーズタルト等がヒット商品となっている。今では、ヤギ乳製品は茨城県を代表する特産品にまでに成長している。

 サミットでは、全国山羊ネットワーク代表の長野実氏(前日大生物資源科学部教授)が「世界の山羊事情」と題して基調講演を行った。「ヤギは日本ではマイナーな家畜であるが、世界的にはポピュラーな家畜であり、現在も各国で増加している」とし、「ヤギは、粗食に耐え乳、肉、毛等を供給する貴重な家畜であり、先進国ではヤギ乳の利用も多く、牛乳アレルギーの人にも有効。ヨーロッパではヤギチーズが輸出商品として、グルメ嗜好の消費者に好まれている」「隣国の韓国では、年率15%程度の増加しており、ヤギ肉は薬膳料理として消費され、様々な加工品(石鹸等)も開発されている」とし、「来年秋には韓国で国際山羊シンポジュウムを共催、ヤギ利用の先進国である韓国に学びたい」と述べた。

 「フランスのヤギ乳チーズ」と題してチーズアンドワインアカデミー講師の栢英彦氏(元雪印乳業チーズ研究所所長)はフランスでのヤギ飼養とチーズ種類について豊富なスライドと知見を披露。また「八丈町におけるヤギ飼育の現状」と題して、八丈島役場に勤務し、島内の家畜の診療に活躍中の女性獣医師浅沼今日子さんが、八丈島でのヤギ飼養の目的はたい肥生産と食肉利用、最近は保育園やアニマルセラピーとして飼養や特殊ケースとして角を疑似餌として利用している珍しい事例も報告した。


 
水戸市農業公社では
市民とヤギとのふれあい牧場が大好評
森のシェーブル館のチーズは
ナチュラルチーズコンテストで優秀賞
(原料乳は家畜改良センター長野牧場より)
を受賞した。




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