◎地域便り


鹿児島県 ●日本一の赤鶏づくりを目指して

鹿児島県/田下 豊


 鹿児島県出水郡野田町の赤鶏農業協同組合(田下豊代表理事組合長)は、その名が示すように、“赤鶏:ロードアイランドレッド主体の合成種”だけの生産・処理・販売を行っており、全国的に珍しい赤鶏専門に特化した事業形態である。
 平成3年に農協(JA)広域合併を契機にブロイラー部門がJAから独立して生産を続けてきたが、平成14年に出水地区の赤鶏養鶏農家16戸、飼養羽数420千羽で組合を設立した。
 ヒナは、鹿児島県大浦町と福岡県八女市から導入し、農家へ配布、獣医師を含めた技術員3人の飼養管理指導の下、抗生物質を含まない植物性飼料だけを与えて生体重2.8〜2.9キログラム(約70日間)で出荷する。
 商品名は、「赤鶏クックロゼ」のブランドで九州、関西、関東のスーパーで流通しており、直営店として、ロードサイド(幹線道路端)での唐揚の販売、スーパーのテナントとしてチキンを中心とした総菜店も経営し、消費者から「適度な歯ごたえがあって風味がすばらしい」と高い評価を受けている。
 平成16年度に完成した処理工場は、敷地約9,500平方メートル、床面積約2,500平方メートルで事業費573,573千円(うち機構補助金160,241千円)、1日1万2千羽の処理能力がある。
 また、工場内は、クリーンゾーンとダーティーゾーンの区分け、生食用加工室の完全隔離、外気浄化のエアフィルターも設置するなど衛生管理が徹底している。       さらに工場内の室温や冷蔵庫温度を常にモニターチェックできる中央監視装置や部外者の工場への侵入を阻止するため、指紋による識別装置を取り付けた出入り口など最新鋭の設備や機能を導入している。
 組合のコンセプトは、「お客様に喜んでもらえる赤鶏づくり」で、その為に「品質とおいしさで日本一の赤鶏づくり」を目指している。
 今後の組合の計画としては、ISO22000(食品安全マネジメントシステムの国際規格)の取得と高付加価値商品の開発を手がけたいと考えている。


 
植物性飼料を主体に飼養される赤鶏
新処理工場外観

元のページに戻る