◎地域便り


東京都 ● 洋菓子への乳製品の積極的な利用
      ─全日本洋菓子工業会の乳製品利用への取り組み─

東京事務所


 乳製品は洋菓子の材料としては欠かせないものである。今般、協同組合全日本洋菓子工業会(国内約210社の洋菓子およびパン製造者の集り。)の洋菓子にできるだけ多くの乳製品を活用しようという動き(脱脂粉乳+チーズ+ヨーグルトという加工状態で活用)に接する機会を得たので紹介する。

同工業会常任理事であり、機関誌「PCG」(P液isserieie Confiserie Glacerie)の出版局長を兼務している鎌田明彦氏に、乳製品の洋菓子への利用について伺ってみた。


1、手作り「カッテージチーズ」「クワルクチーズ」の推奨

 鎌田氏が脱脂粉乳の業務用向け利用法として勧めているのが、脱脂粉乳を利用した「カッテージチーズ」と、牛乳とヨーグルトを利用した「クワルクチーズ(クリームチーズ)」作り。月刊誌「PCG」6月号にも、この2種類のチーズの作り方とこれを使用する「チーズケーキ」が「チーズケーキ・再発見」として特集されている。

カッテージチーズ作りに必要な材料(脱脂粉乳、水、米酢)
自家製カッテージチーズを使って焼き上げたチーズケーキ

 鎌田氏によれば、「業務用でも脱脂粉乳の『25キログラム袋』は大きすぎる。1キログラムなど小分けにして販売して欲しい」とのこと。同工業会としては、各店舗での手作り「カッテージチーズ」と「クワルクチーズ」作りを普及させ、手作り感をより前面に出した個性のある「チーズケーキ」を普及していきたいそうである。また、家庭でも良質な朝食のメニューとしてカッテージチーズ作りをお勧めしたいそうだ。


2、ホエイの再利用

 「PCG」6月号では、レンネットを利用したフレッシュチーズの作り方も紹介している。レンネットを利用した際にできる新鮮なホエイに生クリームを足せば、とてもよいデザートになるし、焼き菓子にも利用できる。また、このホエイをベースに脱脂粉乳と牛乳や水を加えて、2回目のチーズを作ればホエイの再利用ができると紹介している。


加熱後、酸を加えるとチーズとホエイが分離するのでガーゼで濾す


3、バターとヨーグルト

 洋菓子を作るとき、バターはすべて国産バターの発酵と非発酵を使い分けている。発酵バターは乳酸菌が加熱され風味がよくなるためパウンドケーキ、タルトなど主に焼き菓子として、非発酵バターはバタークリームなどクリーム類に使われる。 また、ヨーグルトの乳酸菌は加熱しても、非加熱でもとても洋菓子との相性がよく、今後ヨーグルトを洋菓子に多用していきたいという。  

 (協)全日本洋菓子工業会の乳製品の利用拡大に向けた取り組みが広く消費者などの支持を受けることを願ってやまない。


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