★ 農林水産省から


平成17年度における食料自給率 実績値に関する分析について
            (畜産物の抜粋)

総合食料局食料企画課


 世界の食料需給が中長期的にはひっ迫する可能性もあると見込まれる中で、我が国の食料自給率は年々低下傾向にあり、主要先進国の中で最低の水準となっている。

 このような状況を踏まえ、政府は、食料・農業・農村基本計画の中で平成27年度の食料自給率の目標を定め、この目標の達成に向け、地方公共団体、農業者・農業団体、食品産業事業者、消費者・消費団体といった関係者が一体となって、官民を挙げて我が国の食料自給力の向上に努めていくこととしている。

 初年度となる平成17年度の食料自給率結果は、8月に食料需給表に併せて公表されているが、先般9月に17年度の実績値と27年度の目標値との関係について、品毎に消費面、生産面からの分析した結果が公表されたので、この中から畜産物について紹介する。


平成17年度における食料自給率実績値に関する分析


1 平成17 年度の食料自給率実績

 平成17年度の総合食料自給率(概算値)は、カロリーベースで40%(8年連続横ばい)、生産額ベースで69 %(対前年度横ばい)となった。

 カロリーベースの食料自給率を食料消費面から見ると、米については引き続き消費が微減した。また、畜産物については、鳥インフルエンザ発生の影響等により減少していた鶏肉の消費が増加したものの、牛乳・乳製品が飲用需要等を中心に減少した。さらに、植物油脂、果実、野菜についても消費が増加した。この結果、国民1人・1日あたりの総供給熱量は2,573kcal(対前年度0.4%増)となった。

 一方、生産面では、ばれいしょ、魚介類等が減少したものの、大豆、野菜、果実などの生産量が前年度に比べて増加した。この結果、国民1人・1日あたりの国産熱量は1,021kcal(対前年度0.7%増)となった。

 また、生産額ベースの食料自給率については、畜産物が国産単価の上昇等に伴い国内生産額が増加した一方、米や野菜は国産単価の下落に伴い国内生産額が減少したため、食料の国内生産額は10.2兆円(対前年度3.9%減)となり、輸入品を含めた食料の国内消費仕向額は14.9兆円(対前年度2.9%減)となった。


2 平成17年度の実績値と平成27年度の目標値との関係

 次に、これらの実績値と、食料・農業・農村基本計画(以下「基本計画)」で示された27年度における総合食料自給率の目標値との関係について、食料消費面及び農業生産面から以下の通り分析を行った。

【食料消費面】
(1)平成17年度実績と平成27年度目標に向けたシナリオとの関係

 食料・農業・農村基本計画の食料自給率目標について、基準年としている15年度と目標年である27年度との自給率の値を直線的に結んだものを目標達成に向けたシナリオ(以下「目標シナリオ」という)とした場合、17年度の実績値が目標シナリオを下回る(望ましい食料消費の姿)を実現していく上で消費が不足している)のは、麦類、牛乳・乳製品、牛肉となっている。

 一方、目標シナリオを上回る(望ましい食料消費の姿)を実現していく上で「消費が過大となっている」のは、豚肉、鶏肉となっている。

 なお、米、大豆、油脂、野菜、鶏卵、砂糖は、ほぼ目標シナリオに乗った実績となっている。

(2)品目別に見た実績値と目標シナリオとの乖離の要因
 17年度の実績値と目標シナリオとの乖離に関する主な要因は以下のとおりである。

麦類: 手軽に総菜を同時に食べることができる調理パンが好まれるようになったことによパン自体の消費減。贈答品需要の低迷等による日本麺需要の減少。

牛乳・乳製品: 豆乳類・野菜ジュース等他飲料との競合の激化による飲用需要の減少。価格高騰によるチーズ消費量の減少。

牛肉: 米国産牛肉の輸入停止措置の影響による消費量の減少。


【農業生産面】
(1)平成17年度実績と平成27 年度目標に向けたシナリオとの関係
 食料消費面と同様に、農業生産面について17年度実績と目標シナリオとの関係を見ると、17年度の実績値が目標シナリオを下回る(「生産努力目標」を実現していく上で生産が不足している)のは、野菜、生乳、牛肉、豚肉、さとうきび、飼料作物となっている。

 一方、生産実績が目標シナリオを上回る(「生産努力目標」を実現していく上で生産が十分なレベルを超えている)のは小麦、鶏肉、てん菜となっている。

 なお、大豆、鶏卵は、ほぼ目標シナリオに乗った実績となっている。

(2)品目別に見た実績値と目標シナリオとの乖離の要因
 17年度の実績値が目標シナリオを下回る品目の主な要因は以下のとおりである。

野菜: 農業従事者の高齢化の進展等による作付面積の減少の進行。国内生産が加工・業務用需要に十分対応できていない。

生乳: 生乳需給の緩和に伴う北海道、九州等での生産抑制対策の実施。

牛肉: 生乳生産量の減少に伴う乳用種及び交雑種の出荷頭数の減少。

さとうきび: 台風及び干ばつ等の影響。

飼料作物: 飼料作物作付面積の減少及び低温等による単収の減少。


3 平成17年度の実績における主な課題
 17年度の実績及び分析を踏まえ、以下の課題に早急に取り組むことが必要である。

【食料消費面】
 基本計画における「望ましい食料消費の姿」では、全世代平均の脂質熱量割合の低下、脂質を多く含む品目の消費減、糖質(炭水化物)を多く含む穀類の消費の横ばい、カルシウム等微量栄養素及び食物繊維が摂取できる豆類、野菜及び牛乳・乳製品の消費増を見込んでいる。

 こうした見込みを踏まえ、食料自給率目標の達成を図る上で大きなウエイトを占める米については、消費の減少傾向が鈍化しつつあるものの依然として減少傾向が続いているため、望ましい消費水準の実現に向けて消費を着実に拡大させる必要がある。

 また、牛乳・乳製品については、今後、飼料自給率の向上を前提に消費を拡大させる必要がある。

 一方、17年度の実績値が目標シナリオを上回っている豚肉、鶏肉については米国産牛肉の輸入停止措置に伴う牛肉消費減の代替需要と考えられるが、今後、食料自給率を向上させるとともに脂質熱量割合を低下させていく観点から、国産の肉類の消費拡大を図りつつ、消費の全体量を望ましい消費水準としていく必要がある。


【農業生産面】
 野菜については、食の外部化や簡便化により需要の増加が見込まれる外食・中食向けや飲料向け等の加工・業務用野菜において、国産野菜の供給が十分対応できず、相当程度が輸入品によって賄われていることから、実需者側のニーズに的確に対応した国産野菜の生産を促進する必要がある。

 また、牛乳・乳製品については、需要に応じた生産を基本としつつ、チーズや生クリーム向け等といった需要が見込まれる品目への生乳の供給を拡大し、生乳全体の生産量の維持・向上を図る必要がある。

 さらに、飼料作物については、食料・農業・農村基本計画で示した飼料自給率目標(35%)を達成していくため、今後、作付面積及び単収の両面から目標シナリオと実績との乖離を着実に解消していく必要がある。

 

<品目名:牛乳・乳製品>

【消費面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の消費面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 牛乳乳製品は、日本人に不足しがちな栄養素であるカルシウムの主要な供給源として位置づけられており、カルシウム等微量要素等の摂取の増加の必要性から、今後とも消費は増加すると見込んでおり、1人当たり供給純食料の目標(95kg)を設定した。

A各品目の消費面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 17年度の牛乳乳製品の1人当たり供給純食料は92.0kgとなり、基本計画のトレンドを下回った。これは、飲用需要及びチーズ需要が減少したこと等による。飲用需要が減少した要因は、豆乳類・野菜飲料等の他飲料との競合が激化したこと等による。チーズ需要が減少した要因は、輸入価格の高騰等によるチーズ容量の削減や価格の引き上げにより、消費者のチーズ購入量が減少したことによる。

B18年度達成の見込み
○ 18年度の牛乳乳製品の1人当たり供給純食料は、飲用需要の低迷等により、基本計画のトレンドを達成することは難しい状況ある。

C今後の対応
○ 17年度は、特に飲用需要が減少したこと等により目標水準を下回った。これはカルシウムに富む等の機能性の面での牛乳の良さが十分理解されていないためではないかと考えられる。このような状況を踏まえ、今後は、@食育推進の一環として、牛乳乳製品の優れた点に重点を置いたPRの実施、A機能性等に関する調査・研究の推進、B輸出に向けた推進体制の整備等の取組を行っていくこととしている。

D牛乳・乳製品の国民1人1年当たり純食料の推移と目標

 

<品目名:生乳>


【生産面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の生産面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 計画策定時においては、生産量は、飼養戸数の減少に伴う頭数の減少及び1 頭当たりの乳量の伸び悩み等により減少傾向にあった中で、@担い手の育成・確保、A家畜改良等による生産性の向上や省力化の推進、B一定の国際競争力を有する液状乳製品、チーズ等の需要拡大を基本とした取組等を推進していくことを勘案した上で意欲的な目標として、生産努力目標(928万トン)を設定した。

A各品目の生産面における17 年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 17年度の生乳生産量は829 万トンとなり、基本計画のトレンドを下回った。これは、17年秋以降生産量が前年より増加する一方で、生乳需給の緩和から年度末に、北海道・九州を中心に生産抑制対策を実施したこと等による。

B18 年度達成の見込み
○ 18年度については、生乳需給の安定のため、生産者団体は減産型の計画生産(対前年度実績比▲1.7%)を行うことから、17年度をわずかに下回ると考えられ、消費が伸び悩んでいる現状においてはトレンドの達成は困難と考えられる。

C今後の対応
○ 生乳生産量については、脱脂粉乳の在庫が過剰であることから、需要に応じた生産を行うことが重要である。一方、生クリーム、チーズ、発酵乳等輸入品と一定の競争力があり、今後とも需要の伸びが期待できる乳製品については、生乳の供給拡大を推進することとしている。特にチーズについては、生産者と協議の上、乳業大手3社が北海道においてチーズ工場の新増設を行うことから、平成20 年度よりチーズ生産能力が倍増し、チーズ向け供給が増加する計画となっている。
 なお、担い手を育成・確保していくための新規就農者への研修の実施や円滑な経営継承の推進、生産性の高い経営を実現するための新しい飼養管理技術や牛群検定情報の活用による生産性向上、自給飼料の生産拡大や地域の自然条件を活かした放牧方式の導入等を引き続き推進していく。

D生乳の国内生産量の推移と目標

 

<品目名:牛肉>

【消費面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の消費面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 肉類は、良質なタンパク質の供給源として、これまで、食生活の向上、体力の向上をもたらしてきた。
 近年の脂質摂取割合の増加を考慮し、適正なPFCバランスの実現を図るため、食べ残し・廃棄の抑制等、今後取り組んでいく食生活の見直しを踏まえ、牛肉の1人当たりの消費量を7. 7kgと設定した。

A各品目の消費面における17 年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 米国産牛肉の輸入停止措置の影響による、輸入牛肉の供給量の減少等により、消費が減少したことから、目標のトレンドを下回って推移した。

B18年度達成の見込み
○ 米国産牛肉の輸入手続きが再開されたことによる輸入量の変動がどの程度になるのか予測できないことから、18 年度の見込みを予測することは困難である。

C今後の対応
○ 国産牛肉の需要拡大を図るため、ふれあい体験交流を通じた食育の推進、インターネットを使った畜産情報の提供・相互交流等の取組を引き続き、推進していく。
○ 「食肉の表示に関する検討会」を設置し「和牛」等牛肉表示のあり方、について、消費者に分かりやすい表示を行うとの観点から検討を行う。

D牛肉の国民1人1年当たり純食料の推移と目標

 

【生産面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の生産面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 国内生産は、小規模農家の離農による飼養頭数の減少を規模拡大等による増頭で補いきれないことや、乳用牛飼養頭数の減少に伴う乳用種等の減少により、生産量は減少傾向にあった。
 こうした中、肉専用種子牛の供給量の拡大、飼養・衛生管理技術の向上等による安全・安心な牛肉生産の推進、生産性の向上や省力化の推進による一層のコスト縮減、業務用・加工用需要に対応した生産・供給体制の整備等を推進していくことを勘案した上で意欲的な目標として、生産努力目標(61万トン)を設定した。

A各品目の生産面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 17年度の国内生産量は50万トンとなり、トレンドを下回った。これは、平成13年9月の国内BSE発生の影響や生乳需要の緩和による乳用牛飼養頭数の減少(H15:1,719千頭→H16:1,690 千頭)に伴い、乳用種及び交雑種の子牛生産頭数が減少したことから、17年度の乳用種及び交雑種の出荷頭数は減少したことによる。一方、肉専用種の出荷(と畜)頭数は、わずかに増加した。

B18年度達成の見込み
○ 18年度に出荷(と畜)を迎えることになる子牛の生産頭数の動向から推測すると、出荷(と畜)頭数は肉専用種については増加、乳用種及び交雑種については減少するものと見込まれ、乳用種及び交雑種が全体の6割を占めていることから、全体としてはわずかに減少するものと見込まれ、トレンドの達成は困難と考えられる。

C今後の対応
○ 27年度目標の達成に向けて、今後も、引き続き、新規就農の促進等による担い手の育成・確保、繁殖雌牛の増頭による規模拡大や改良等を通じた産肉・繁殖能力の向上による低コスト化、支援組織の活用による省力化等に取り組むほか、特に以下の取組を積極的に推進する。

○ 酪農経営において生産される乳用種及び交雑種の子牛の頭数は、生乳の需給動向等に左右されることから、国産牛肉の増産を図るためには肉専用種のより一層の増頭を図っていくことが重要である。
 そのため、昨年度には肉用牛増頭戦略会議を立ち上げ、本年度からはブロックごとに肉用牛の増頭についての数値目標を設定する等、肉用牛の増頭策を推進しているところである。

○ また、家畜改良の推進や消費者から支持される畜産物の安定供給に向けて、「家畜の遺伝資源の保護に関する検討会」中間とりまとめを踏まえ、我が国固有の和牛の遺伝資源の保護・活用を図るため、改良等による産肉能力の向上や消費者への分かりやすい情報発信を推進する。

○ この他、業務用・加工用需要にきめ細かく対応するため、実需者ニーズに対応した部分肉加工等を行うための食肉処理施設の整備を推進する。

D牛肉の国内生産量の推移と目標

 

<品目名:豚肉>

【消費面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の消費面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 肉類の消費の増加は良質なタンパク質の供給源として、これまで、食生活の向上、体力の向上をもたらしてきた。
 近年の脂質摂取割合の増加を考慮し、適正なバランスの実現を図るPFCため、食べ残し・廃棄の抑制等、今後取り組んでいく食生活の見直しを踏まえ、豚肉の1人当たりの消費量を8. 8kgとした。

A各品目の消費面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 平成15年12月の米国BSE発生、国内外の高病原性鳥インフルエンザ発生に伴う牛肉・鶏肉の代替需要により目標のトレンドを上回って推移した。

B18年度達成の見込み
○ 米国産牛肉の輸入手続きの再開による代替需要の変動がどの程度になるか、予測できないことから、18年度の見込みを予測することは困難である。

C今後の対応
○ 国産豚肉の需要拡大を図るため、ふれあい体験交流を通じた食育の推進、インターネットを使った畜産情報の提供・相互交流の取組を引き続き、推進する。

○ 「食肉の表示に関する検討会」を設置し、「黒豚」等豚肉表示のあり方について消費者にわかりやすい表示を行うとの観点から、検討を行う。

D豚肉の国民1人1年当たり純食料の推移と目標

 

【生産面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の生産面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 計画策定時には、小規模層を中心とした離農による飼養頭数の減少を1戸当たりの規模拡大で補い切れず、生産量は減少ないし横ばいで推移していた。
 しかし、産肉・繁殖能力の向上、飼養管理技術の高度化等による一分娩あたり生産頭数の増加等を通じた経営体質の強化、業務用・加工用需要に対応した生産・供給体制の整備等を推進していくことを勘案した上で意欲的な目標として、生産努力目標(131万トン)を設定した。

A各品目の生産面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 17年度の国内生産量は124万トンとなり、トレンドを下回った。これは、17年度については、近年、子取り用雌豚が減少傾向にあることに加え、16 年夏季の暑熱の影響による子豚生産率の低下等によりわずかに減少したことによる。

B18年度達成の見込み
○ 18年度上期までの子豚の生産頭数が前年並みで推移していることから、18年度の豚肉生産量は前年並みとなるものと見込まれ、トレンドの達成は困難と考えられる。

C今後の対応
○ 目標の達成に向けて、以下の取組みを推進。
・繁殖能力、産肉能力等の向上のため、能力検定の実施と遺伝的能力評価に基づく種豚の選抜及び利用を推進する。また、生産性の向上のため、適切な飼養・衛生管理の徹底を図るとともに、優良種豚の効率的利用、母豚の繁殖生の向上等を図るため、人工授精の普及・定着を図る。
・業務用・加工用需要にきめ細かく対応するため、実需者ニーズに対応した部分肉加工等を行うための食肉処理施設の整備を推進する。

D豚肉の国内生産量の推移と目標

 

<品目名:鶏肉>

【消費面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の消費面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 肉類の消費の増加は良質なタンパク質の供給源として、これまで、食生活の向上、体力の向上をもたらしてきた。
 近年の脂質摂取割合の増加を考慮し、適正なPFC バランスの実現を図るため、食べ残し・廃棄の抑制等、今後取り組んでいく食生活の見直しを踏まえ、鶏肉の1人当たり消費量を9. 1kgと設定した。

A各品目の消費面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 17年度の1人当たり純食料は、国内消費が16年1月以降の国内外における高病原性鳥インフルエンザの発生の影響から回復したことにより、目標を上回る10.5kgとなった。

B18年度達成の見込み
○ 食育や消費者の視点に立った的確な情報提供の推進等に努めることにより、トレンドに近づくものと考えられる。

C今後の対応
○ 適正なPFCバランスの実現とともに国産鶏肉の利用拡大を図るため、食育や消費者の視点に立った的確な情報提供等の取組を、引き続き推進していく。

D鶏肉の国民1人1年当たり純食料の推移と目標

 

【生産面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の生産面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 大規模層を中心とした規模拡大が図られる一方、引き続き、飼養戸数が減少すること等に伴い、出荷羽数は横ばいないしわずかに減少すると見込まれたものの、家畜改良による産肉能力及び飼料要求率等生産性の向上により平成27年度目標の鶏肉生産量を124万トン(平成15年度実績と同じ)と設定した。

A各品目の生産面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 国内外における高病原性鳥インフルエンザの発生、特に、中国、タイ等における高病原性鳥インフルエンザの発生に伴い国産品の需要が高まったことにより、17 年度の生産量は129万トン(17 年度当初見込み:124万トン)となった。

B18年度達成の見込み
○ 安定的な供給を確保するための国内生産体制の維持を図りつつ、基本計画を踏まえた計画的な生産を行うことによりトレンドに近づくものと考えられる。

C今後の対応
○ 今後とも、ブロイラー需給調整会議を開催し、生産・価格動向についての情報提供や需要に見合った生産を図るための指導等を行っていく。

○ 鶏肉の低コスト生産及び消費者ニーズへの対応を図るため、産肉能力の向上、肉質の改良及び在来鶏等の利用による特長ある鶏の作出、我が国の気候風土に適応した強健な鶏への改良等を推進する。

○ 鶏の生産性の向上とともに、高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病等の発生予防、消費者が求める安全・信頼の確保に応えるという観点から、鶏肉生産段階においては、鶏の能力を十分に発揮させるための適切な飼養・衛生管理の徹底に努める。

D鶏肉の国内生産量の推移と目標

 

<品目名:鶏卵>

【消費面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の消費面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 鶏卵は、良質なタンパク質の供給源として、これまで、食生活の向上、体力の向上をもたらしてきた。
 近年の脂質摂取割合の増加を考慮し、適正なPFCバランスの実現を図るため、食べ残し・廃棄の抑制等、今後取り組んでいく食生活の見直しを踏まえ、1人当たりの消費量を15. 7Kgと設定した。

A各品目の消費面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 目標のトレンドと17年度実績は概ね一致している。

B18 年度達成の見込み
○ 食育や消費者の視点に立った的確な情報提供の推進等に努めることにより、トレンドは概ね達成できるものと見込まれる。

C今後の対応
○ 適正なPFC バランスの実現を図るため、食育や消費者の視点に立った的確な情報提供等の取組を、引き続き推進していく。

D鶏卵の国民1人1年当たり純食料の推移と目標

 

【生産面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の生産面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 鶏卵については、今後取り組んでいく食生活の見直しを踏まえ、1人当たりの消費量は減少(平成15年度実績:16.7kg →平成27年度目標:15.7kg、▲1.0kg)
すると見込まれ、生産量についてもこの需要に応じた計画的な鶏卵生産が行われるものとして243万トン(平成15 年度実績:253万トン、▲4.0%)と設定した。

A各品目の生産面における17 年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 目標のトレンドと17年度実績は概ね一致している。

B18年度達成の見込み
○ 需要動向に応じた生産者の自主的な取組を基本とする計画的な鶏卵生産を推進することにより達成できる見込み。

C今後の対応
○ 今後とも、需要動向に応じた生産者の自主的な取組を基本とする計画的な鶏卵生産を推進するため、全国鶏卵需給連絡会議を開催し、需要動向についての情報提供や需要に見合った生産を図るための指導等を行っていく。

○ 鶏卵の低コスト生産及び消費者ニーズへの対応を図るため、産卵能力の向上、卵質の改良等、特長ある鶏の作出、我が国の気候風土に適応した強健な鶏への改良等を推進する。

○ 鶏の生産性の向上とともに、高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病等の発生予防、消費者が求める安全・信頼の確保に応えるという観点から、鶏卵生産段階においては、鶏の能力を十分に発揮させるための適切な飼養・ 衛生管理の徹底に努める。

D鶏卵の国内生産量の推移と目標

 

<品目名:飼料作物>

【生産面】
@基本計画における食料自給率目標達成に向けた各品目の生産面のシナリオ(目標のトレンド)
○ 飼料作物の生産量は、平成15年度は352万TDN トンで、27年度目標を524 万TDN トンとしているところであり、稲発酵粗飼料の作付拡大、耕作放棄地等における放牧利用の拡大、飼料生産の組織化・外部化の推進等による飼料作物作付面積の拡大等を図るとともに、地域の自然条件等に応じた優良品種の開発・普及、生産技術の高位平準化、計画的な草地の更新等による単収の向上等により、飼料作物の生産拡大を図ることとしている。

A各品目の生産面における17年度実績と@のシナリオとの差の分析
○ 17年度については、飼料増産に向けた取組を推進しているところであるが、融雪の遅れや春の低温等により、牧草の生育が遅く収量が伸び悩んだことから、飼料作物全体での単収が前年に比べわずかに減少したことや、畜産農家戸数の減少等から飼料作物作付面積も減少したため、飼料作物の生産量は、わずかに減少となった。

B18 年度達成の見込み
○ 18年度については、4月以降の低温や日照不足、7月以降の長雨等により、飼料作物の生育の遅れや作況不良が見込まれる地域があるが、引き続き飼料増産に向けた取組を推進しているところであり、現時点での予測はできない。

C今後の対応
○ 飼料自給率向上に向け、飼料自給率向上戦略会議の決定に基き、
 @耕畜連携による水田における稲発酵粗飼料等の飼料作物の生産や水田放牧の取組拡大の他、新たに、地域の創意工夫を活かした飼料作物生産への支援
 A環境保全、飼料自給率の向上に資する取組を実践している酪農経営への支援
 B細断型ロールベーラや稲発酵粗飼料収穫専用機等、高性能な飼料収穫・調整機械の開発・普及等飼料作物作付面積の拡大や飼料生産作業の効率化を推進するほか、
 C地域の自然条件等に適したトウモロコシやソルガム等、長大作物を中心とした優良多収品種の開発・普及
 D生産性が高く作業効率にも優れた牧草地への転換を図る草地再生改良の推進
等により単収の向上を図る。

○ また、これらの取組を強力に推進するため、事業採択に当たっての飼料自給率向上クロスコンプライアンスへの取組により、総合的に飼料作物生産の拡大に努める。

○ 17年5月に、国、地方公共団体、農業者・農業団体等から構成される「飼料自給率向上戦略会議」を設置し、適切な役割分担の下、関係者ごとの取組内容や目標を示した「飼料自給率向上に向けた行動計画」を毎年度作成し、関係者一体となった取組を推進しているところであり、18年度においても、5月に戦略会議等を開催し、

・飼料増産重点地区数の拡大(H17:137→H18:180地区))
・19年度産稲発酵粗飼料の作付面積の拡大(H17:4,594→H19産:5,000ha)
・水田における放牧頭数の拡大(H17:3,565→H18:5,000頭)
・国産稲わらの利用拡大(100 %自給の達成)

等の具体的な数値目標を設定した行動計画を決定し、関係者が一体となって、早期かつ重点的に取り組んでいるところである。

○ また19年2月以降には、18年度に実施した行動計画の点検・検証と、その検証結果に基づいた19年度行動計画を策定するための戦略会議等を開催し、引き続き飼料増産に向けた取組を推進することとしている。

D飼料作物の国内生産量の推移と目標





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