◎地域便り


東京都 ●畜産経営に携わる女性のスキルアップの場
     −全国畜産縦いきいきネットワーク18年度大会開催−

調査情報部


 昨年の8月に産声を上げた「全国畜産縦断いきいきネットワーク」が本年度は、8月25日、平成18年度大会と称し、東京虎ノ門パストラルで開催された。

 今回2回目となる本大会は、畜産に携わる女性のための女性によるネットワークということで総勢130名が参加し、午前中の総会、講演などの後、午後からは、世話人の佐藤弘子氏(長野県:養豚)の司会進行により「みんなで畜産を考えよう!」をテーマとした全員参加型の意見交換会が行われた。

 印象に残った発言内容と意見交換の内容を紹介する。

○後継者が育ちつつある中、自分の居場所がなくなったような寂しさがある。今後、施設面で新たな投資も出てくるので前向きに頑張りたい。峰村さん(長野県:肉用牛)

→血縁でない他人に生産現場の経営の移譲を考えており、自分たちは加工場を続けていこうと計画している。(沖縄県:酪農)

→両親から経営を移譲されたが、乳代の1割を施設の賃借料として両親に支払っている。厳しい条件だったが、経営に対し口も手も出さない約束をしている。(北海道:酪農)

→海外では、農業経営移譲は親から買い取るのが当たり前、賃貸料などを払わせるなど考えるべきでは(新潟県:養豚)

→経営移譲をスムーズに行えるような資金として、部門経営開始資金がある。(岡山:酪農)

○地域の子供たちのために教育ファームなどの食育活動をしたいけれど、サービスに労力、時間を取られ、本来の仕事にまで影響がある。石井さん(神奈川県:肉用牛)

→今後そのような依頼は増加してくると予想され、サービスを提供する側も心から歓迎できない部分が出てくるのでは、また、提供される側も仕事を中断してまで対応してくれているというのは解っているはず、いつまでも無償のボランティア精神では続かないと思う。(神奈川県:養豚)

→年間数百件を受け入れているが、学校関係者は無料で対応し、相手によってお金を頂いている。また、専業のスタッフも必要になってくる。(岡山県:酪農)

→「酪農教育ファーム」を進める上でも意見がいろいろ分かれているが、どこで線を引くか、どの程度やるか、個人で悩まず地域で話し合いの場をもってはどうか。(農林水産省)

 このほか、生産者と消費者との畜産物に対する認識のギャップを埋めるためインターネットを駆使した鶏卵の販売(畠中さん:福岡)や自らが身をもって「BSEの起源」について学び、「生産者は真偽を見分ける目をもとう」と呼びかける発言(山崎さん:福井県)、放牧に対する助成を受けて荒廃地に肉牛放牧を始め良い面も、悪い面も含めて放牧地の移り変わりをみんな発信してみたい(国馬さん:福島県)、排せつ物の処理問題など様々な発言があり、会場からも意見、質問などが活発に交わされていた。

 このように地域の情報にとどまらず、全国の、世界の畜産物に関する情報を捉えて取り込んでいこうという前向きな姿勢が会場から伝わってきた。

 ともすれば、内にこもりがちになってしまう畜産経営に携わる5女性の自分磨きの場としても大いに利用されるべき意見交換会であると強く感じた。

意見交換会、発表前の発言者
発言者の発表に対して会場からも様々な意見が出された



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