トピックス

●●●米国産牛肉の輸入手続再開●●●

 平成17年12月12日に輸入を再開した北米産牛肉等のうち、米国産については、18年1月20日にせき柱を含む米国産子牛肉が発見されたことから、輸入手続きを停止していたが、18年6月24日から7月23日までの間に実施された現地調査の結果を踏まえ、7月27日、輸入手続の再開が決定された。

 今回、輸入再開が認められた施設は、現地調査が実施された米国の対日輸出認定施設35施設のうち、34施設(うち1施設は条件付き認定)となっている。また、今後6カ月間は米国側の対日輸出プログラムの実施状況を検証する期間とし、この期間中は、米国側は、調査対象の35施設以外の新たな対日輸出施設としての認定は行わない(なお、その後の現地調査のフォローアップ調査に基づき、8月15日付けで1施設の対日輸出認定施設リストの掲載を認めることとし、35施設すべての輸出が認められた)。

 17年12月12日から18年1月20日までの間に米国から輸出された未通関の米国産牛肉等については、今回の調査で安全性については問題がないことを確認したが、念のため、業者の協力を得て、全箱開梱検査による確認をすることとしている。また、新たに輸入される牛肉等についても、同様に、一定期間、全箱開梱検査を行うこととしている。

 この決定を受け、8月7日には米国から第一便が到着している。

 15年12月の輸入一時停止前の米国産牛肉の輸入量は、輸入牛肉の約4割を占めていたが、再開後、どれくらいの数量が輸入されるのか、今後の輸入動向が注目される。


●●●と畜頭数の停滞続く●●●

 農林水産省が公表した「食肉流通統計」による6月の豚の全国と畜頭数は1,278,903頭(前年同月比0.6%減)となり枝肉生産量は98,577トンと前年同月と同水準となった。

 全国のと畜頭数の推移をみると18年上半期(1〜6月)のと畜頭数は、17年同期に比べ、0.8%下回っており、さらに16年同期と比べ3.1%下回り2年連続して減少している。(図1)

 これにより豚肉の生産量も伸び悩んでいる。

 停滞の要因として、子取り用雌豚の減少や疾病発生による子豚の損耗などが挙げられるが、18年の飼養農家戸数は7,800戸と16年と比べて12.2%減少し、飼養頭数も1.1%減少した。このうち子取り用雌豚頭数も1.1%減少している。

 また、7月24日付け「家畜衛生週報」(農林水産省消費・安全局)による豚の伝染性疾病の発生状況(注、家畜衛生対策事業の報告を基に集計したものであり、必ずしも全国の状況を反映したものではない)をみると16年に比べ、17年は滲出性表皮炎や大腸菌症および大腸菌の混合感染などの子豚の発育に影響を与える疾病が増加する傾向にあり、子豚の生産性に影響を与えていると思われる。

図1 豚のと畜頭数の推移(前年同月比)



●●●もも肉500円、むね肉200円の大台割る●●●

 6月の鶏肉卸売価格(東京)は、1キログラム当たりもも494円、むね192円となりぞれぞれ、前年同月を12.6%、11.9%下回った。

 鶏肉の卸売価格は、一般的にももむねセットで800円程度が適当な卸売価格と言われているが、6月はセットで700円台を下回った。

 もも肉が500円台を割ったのは16年4月以降26カ月ぶり、むね肉が200円台を割るのは16年6月以降24カ月ぶりである。

 昨年までは比較的むね肉の引き合いがあり価格を下支えしていたものの、今年は5月下旬から週末の悪天候が続き、気温も低かったことなどから荷動きが振るわず、また、16万トンという高水準な在庫も価格下落に圧力をかけているものと思われる。

図2 もも肉の卸売価格の推移(東京)


図3 むね肉の卸売価格の推移(東京)



●●●ウズベキスタン共和国への脱脂粉乳100トン無償援助を公表●●●

 農林水産省は7月27日、外務省と連携し、特定非営利活動法人(NGO)ワールド・ビジョン・ジャパンが行う、ウズベキスタン共和国の障碍児施設への栄養改善対策事業に対し、国産脱脂粉乳100トンを無償で提供すると公表した。

 ウズベキスタン共和国では、障碍を持つ子供たちのうち、3万人以上が公立の養護施設で生活しているが、慢性的な栄養不足に陥っている。

 このため、ワールド・ビジョン・ジャパンは、首都タシケント近郊に所在する7つの障碍児施設の乳幼児および青少年約2千名(3〜18歳)を対象として、脱脂粉乳に鉄分を補強した小麦、砂糖、植物油などと混合・調理した上で提供することとしている。

 援助向け脱脂粉乳の原料乳は生乳生産者団体が無償で提供するが、脱脂粉乳の製造に要する経費、工場から国内積み出し港までの輸送費の一部については、当機構が実施する畜産業振興事業により補助される。

 本事業では、生乳需給の緩和に伴い生乳の廃棄という事態が生じたことを契機に検討が開始された。


●●●18年採卵種導入計画羽数、望ましい水準に近づく●●●

 (社)日本種鶏孵卵協会は、レイヤー種鶏導入調査(全国レイヤー孵卵場36社の回答)による18年の種鶏導入計画羽数を139万8,523羽(前年比0.8%減)とし、その種鶏から生産される採卵用素ひなの生産能力を推計した。

 それによると18年(1月〜12月)の素ひな出荷能力は1億861万6千羽(対前年比1.1%減)と見込んでいる。

 同協会は上記調査結果などを踏まえた18年の素ひな生産能力に対して、17年の卵価動向からコマーシャル鶏のえ付け羽数を約1億700万羽と見込んでおり、やや余剰気味ではあるものの、望ましい水準に近づいたものとまとめている。

 また、同時に同協会は卵殻色別の種鶏導入羽数調査(33社の回答)も実施しており、それによると、白色卵(28社の回答)の17年導入実績割合は63.7%、18年導入計画は62.4%で、褐色卵(29社の回答)は17年26.5%、18年26.1%、ピンク卵(17社の回答)は17年9.8%、18年11.4%となっており、18年はピンク卵種鶏の割合が伸びる見込みとなっている。


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