◎調査・報告


豚肉の表示に関する調査

財団法人 日本食肉消費総合センター


はじめに

1.調査の目的
 食肉の表示については、食品衛生法、JAS法、牛トレサ法、景品表示法などのそれぞれの制度において目的に応じた規制が設けられており、食肉事業者は当該規制に基づいた表示を行っている。また、表示に関する自主規制機関である全国食肉公正取引協議会において「食肉公正競争規約」を定め、適正表示の推進に努めている。しかしながら、近年、消費者の表示に関する関心が益々高まる中、従前の表示制度だけでは消費者にわかりにくいとする意見や十分な情報提供ができていないとする意見なども聞かれる。このため、今後の食肉の適正表示にかかる検討に資するため、豚肉の表示などについて、特に近年流通量の増加している黒豚について消費者や卸売業者、小売業者の認識や意向の調査を行った。その調査結果について紹介する。

2.調査の方法と実施期間
(1)調査方法
 消費者調査:WEB調査
 販売店調査:郵送によるアンケート調査
(2)調査期間
 平成17年9月〜12月
(3)調査対象
 消費者調査:消費者
 販売店調査:卸売業者、小売業者


消費者調査結果

1.黒豚について

(1)黒豚の認知度
 豚肉のうち「黒豚」や「〇〇黒豚」(〇〇は県名や地名など)という豚肉を知っているかとの問いに、ほぼ9割の消費者が、「黒豚」や「○○黒豚」という豚肉を知っていると回答している。

 これを年代別でみると、大きな差はないが、10代ではほかの年代に比べると、「知っている」と回答している割合がやや低い。性別では認知度に差はない。

図1 黒豚の認知度(性別・年代別)

(2)黒豚の定義に対する理解度
 次に、(1)で「知っている」と回答した者に、黒豚の定義は、「純粋種のバークシャー種」であることを知っていたかと質問したところ、「黒豚の定義は国産、輸入にかかわらず『純粋種のバークシャー種』であること」について、「知らなかった」という回答が約9割となっている。

 年代別にみると、「知らなかった」という割合は、10代で最も多く、世代が上がるにつれて低くなっている。性別では、「知らなかった」という割合は、女性が男性をやや上回っている。

図2 黒豚の定義に対する理解度(年代別・性別)

(3)黒豚の定義を国産に限るかどうかについて
黒豚という言葉の使用について国産に限るべきだと思うかとの問いに、黒豚という言葉の使用を「国産に限るべきだと思う」という消費者は65.0%、「国産に限るべきだと思わない」という消費者は35.1%となっている。

 年代別にみると、「国産に限るべきだと思わない」という回答は、10代、20代に比べ、30代以上の方がやや多い。性別では、男女間にほとんど差はない。

図3 黒豚という言葉の使用について(年代別・性別)

(4)黒豚の定義を国産に限る理由
 (3)で「国産に限るべきだと思う」と回答した者に「その理由」について聞いた結果、黒豚は「国産ブランドだと思うから」が52.2%、「国産だけだと思っていた」が45.8%と、ほぼ半数ずつとなっている。

 年代別では、60代で「国産ブランドだと思うから」が61.7%と他の世代(5割前後)よりやや多くなっている。性別では、男女間に大きな差はない。

図4 「黒豚」定義は国産に限る理由(年代別・性別)

(5)黒豚の定義を国産に限らない理由
(3)で「国産に限るべきだとは思わない」と回答した者に「その理由」について聞いた結果、「黒豚は既にバークシャー種と定義されているから」が51.5%、「原産国表示の義務付けがあり、国産と輸入の区別はつくから」が47.9%と、ほぼ半数ずつとなっている。

年代別にみると、30代〜50代では「黒豚は既にバークシャー種と定義されているから」が5割強を示しているが、60代以降では約6割が「原産国表示の義務付けがあり、国産と輸入の区別はつくから」としている。性別では、男女間に大きな差はない。

図5 「黒豚」定義は国産に限らない理由(年代別・性別)

 

2.銘柄豚について

(1)銘柄豚に対する関心度
 銘柄豚について関心はあるかとの問いに、消費者の6割強が、銘柄豚に「関心がある」と回答している。

 年代別では、10代、20代より30代以降の世代で「関心がある」の割合がやや多くなっている。性別では、男女ほぼ同数であり、差はみられない。

図6 銘柄豚についての関心度(性別・年代別)

(2)「銘柄」の定義
2の(1)で銘柄豚に「関心がある」と回答した者に、銘柄豚の「銘柄」の意味について聞いた結果、8割以上が「生産地域や生産者が限定されている」と回答している。次いで「品種又は交配に特徴がある」と「給与飼料等の飼養方法等に特徴がある」が、ほぼ同数の3割強となっている。

 年代別では、「生産地域や生産者が限定されている」が10代、20代では7割台であるが、30代以上では8割を超えている。性別では、男女とも差はなく、「生産地域や生産者が限定されている」が8割を占めている。

図7 「銘柄」の定義(年代別・性別)

販売店調査結果

1.黒豚について

(1)黒豚の販売実績の有無
 黒豚の販売実績の有無については、「販売したことがある」と「販売したことがない」が共に約5割となっている。

 業態別にみると、小売業では5割強、兼業では4割強が「販売したことがある」と回答している。

図8 黒豚の販売実績の有無(業態別)

(2)黒豚の定義に対する理解度
  (1)で「販売したことがある」と回答した販売店に、黒豚の定義は「純粋種のバークシャー種であること」を知っているかと質問したところ、「黒豚の定義は国産、輸入にかかわらず『純粋種のバークシャー種』であること」について、「知っていた」という回答が8割以上となっている。

 業態別にみると、小売業では84.0%が「知っていた」と回答しているのに対し、兼業では小売業をやや下回り、74.5%が「知っていた」と回答している。

図9 黒豚の定義に対する理解度(業態別)

(3)黒豚の定義を国産に限るかどうかについて
 黒豚という言葉の使用について国産に限るべきだと思うかとの質問に、黒豚という言葉の使用を「国産に限るべきだと思う」と回答した販売業者は70.8%、「国産に限るべきだと思わない」と回答した販売業者は24.8%となっている。

 業態別にみると、「国産に限るべきだと思う」が小売業で71.4%、兼業で67.9%となり、業態の差はあまりない。

図10 黒豚という言葉の使用について(業態別)

(4)黒豚の定義を国産に限る理由
 (3)で「国産に限るべきだと思う」と回答した販売業者に「その理由」を聞いた結果、「消費者は、黒豚は国産だけだと思っているから」が47.0%「消費者は、黒豚という言葉を国産ブランドだと思うから」が49.4%と、ほぼ半数ずつとなっている。

 業態別では、小売業と兼業とであまり差はみられない。

図11 黒豚の定義を国産に限る理由(業態別)

(5)黒豚の定義を国産に限らない理由
 (3)で「国産に限るべきだとは思わない」と回答した販売業者に「その理由」を聞いた結果、「黒豚は既にバークシャー種と定義されているから」が46.2%、「原産国表示の義務付けがあり、国産と輸入の区別はつくから」が48.1%と、ほぼ半数ずつとなっている。

 業態別にみると、小売業では「黒豚は既にバークシャー種と定義されているから」と「原産国表示の義務付けがあり、国産と輸入の区別はつくから」の比率がほぼ半々であるが、兼業では、「原産国表示の義務付けがあり、国産と輸入の区別はつくから」が53.1%と、「黒豚は既にバークシャー種と定義されているから」の37.5%を上回っている。

図12 黒豚の定義を国産に限らない理由(業態別)

2.銘柄豚について

(1)銘柄豚に対する関心度
 銘柄豚について関心があるかとの問いに販売業者の約7割が、銘柄豚に「関心がある」と回答している。

 業態別にみると、小売業と兼業では「関心がある」が共に6割以上で、ほとんど差はみられない。

図13 銘柄豚に対する関心(業態別)

(2)「銘柄」の定義
 (1)で銘柄豚に「関心がある」と回答した販売業者に、銘柄豚の「銘柄」の意味について聞いた結果、最も多いのは「生産地域や生産者が限定されている」で63.6%、次いで「給与飼料等の飼養方法に特徴がある」が48.7%、「品種又は交配に特徴がある」が45.2%となっている。

 業態別にみても、小売業と兼業とでほぼ同様の結果となっている。

図14 「銘柄」の定義(業態別


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