◎地域便り


シドニー ● 日本の農畜産物を世界に!
「Try Japan’s Good Food」事業第3弾をシドニーで実施

調査情報部


 日本の農畜産物の輸出振興支援などを目的とした「Try Japan's Good Food」事業の第3弾が、フィンランド、メキシコに次ぎ12月7日、豪州シドニーで実施された。これは、同日の在シドニー日本総領事館公邸での「天皇誕生日祝賀レセプション」開催に併せて行われたもの。当日は、豪州政財界の要人や在豪日系企業関係者など総勢350名を超える人々に対して、日本から取り寄せた食材(和牛肉:鹿児島県産、乾しいたけ:鳥取県産、精米:新潟県産コシヒカリ新米)が和食として調理され、試食用として提供された。

 日本から豪州への牛肉輸出は、過去、1997年の年間759キログラムを最高に、2001年に日本でBSEが発生するまで、豪州の経済成長に合わせ増加傾向で推移していた。今回、試食用として供される和牛肉は、輸出再開を目指す日本側の積極的な働きがけに豪州検疫当局が応じ、特別許可を受けて8.5キログラムの輸出が認められた。

 試食会では、限られた食材を多くの人に味わってもらうため、和牛肉はタタキ風に調理し、コシヒカリを用いた寿司ネタとして、また、乾しいたけは、鶏肉との筑前煮風や和牛と同様に寿司ネタとして試食会に供された。

 試食会での反応をみると、それらを口にした人々は、いずれも美味しさに一様に満足の表情を示していた。特に和牛肉のにぎり寿司については、長蛇の列が絶えず、早々に品切れとなるなど高い関心が寄せられた。

 和牛肉の試食に対する感想として寄せられたものとして、豪州人から「このような美味しい牛肉は初めて」といった驚きの声や、「豪州の牛肉とはまったく異なるもの」などの感想が目立った。また、日本人からは「日本の味を思い出した」などの声が多く寄せられた。これは、この和牛肉が当地の高品質な牛肉に比べて、脂や肉質の違いによるものなのか甘味とともにあっさり感があり、また、口の中で簡単にほぐれるような食感が印象的であったことが大きいと推測される。

 鉄鉱石や石炭などの資源ブームを背景に好景気に沸く豪州の中で、シドニーは人口400万人強を有する、豪州の中でも特に所得水準が高い地域となっている。このため、市内各所の高級レストランをはじめ一般的なレストランでも、高品質、高価格の牛肉など高級食材を使った料理を目にする機会が増えている。


豪州人の好むサーモンやマグロなどと共に和牛肉もタタキ 風に調理し寿司ネタで提供される

和牛肉の握り


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