需給動向 海外

◆豪 州◆

2007/08年度牛肉輸出量は前年度比4.5%減


◇絵でみる需給動向◇


米国向けなど主要相手先国向けを中心に輸出量が減少

 2007/08年度(2007年7月〜2008年6月)の豪州産牛肉輸出量(船積重量ベース)は、牛肉生産量の減少や主要通貨に対する豪ドル高の影響により、前年度比4.5%減の930,319トンとなった。

 輸出相手先別では、日本向けが同9.4%減の365,310トン、韓国向けが同6.8%減の146,092トンと、米国産牛肉との競合の高まり、豪ドル高、グレインフェッド牛肉の供給減に伴い前年度を下回った。また、米国向けは、豪ドル高、他国産牛肉との競合などの結果、同20.8%減の239,980トンと最近10年間で最も少ない輸出量となった。主要3カ国向け輸出はいずれも前年度を下回った結果、豪州産牛肉輸出量のうち、主要3カ国が占める割合は、前年度の88.6%から7.8ポイント低下し80.8%となった。

2007/08年度輸出相手先別牛肉輸出量割合

ロシアおよび東南アジア向け輸出量が大幅に増加

 一方、主要3カ国向け以外では、CIS向け(ロシアほか)が、前年度の約5.7倍に当たる45,584トンと大幅に増加した。これは、CISでの国内需要が増加する一方、ロシアやEUからの供給量の減少、ブラジルやアルゼンチンといった輸出国の競争力が低下したためである。CIS向けについては2008年4月以降輸出量が急増しており、特に2008年5月の輸出量は17,557トンと日本に次ぐ数量となった。このほか、インドネシア(71,744トン、同63.9%増)、シンガポール(8,027トン、同95%増)、フィリピン(7,746トン、同184.2%増)といった東南アジア向けの輸出量も、同様に前年度実績を大幅に上回った。

CIS向け牛肉輸出量

日本向け牛肉輸出はグレインフェッド牛肉を中心に減少

 日本向け輸出量の内訳を見ると、形態別ではチルド牛肉が同16.5%減の16万9,070トン、フローズン牛肉が同2.2%減の19万6,242トンとなり、チルド牛肉の減少幅が大きかった。また、種類別では、グラスフェッド牛肉が同3.3%減の20万8,514トン、グレインフェッド牛肉が同16.4%減の15万6,798トンとなり、グレインフェッド牛肉の減少幅が大きい。

 さらに形態別・種類別では、主力であるフローズン・グラスフェッド牛肉が同0.8%増の14万8,303トンと前年度並みを維持する一方で、もうひとつの主力であるチルド・グレインフェッド牛肉が同18.8%減の10万8,859トンと前年度を大きく下回った。グレインフェッド牛肉の減少については、小麦や大麦といった飼料穀物価格が干ばつなどの影響により2006年末から2007年にかけて大幅に上昇し、フィードロット飼養頭数が減少したことや豪ドル高などが要因となっている。その結果、グラスフェッド牛肉については、日本向け牛肉輸出量全体が減少する中で、その割合は前年度の53.5%から3.6ポイント上昇し57.1%となった。

日本向け形態別・種類別牛肉輸出量


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