需給動向 海外

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牛飼養頭数の近年の減少傾向に歯止め


◇絵でみる需給動向◇


2007年の飼養頭数はEU15で初の減少傾向に歯止め

 欧州統計局(EUROSTAT)によれば、EUの2007年12月時点の飼養頭数は、前年同期比0.6%増となり、近年続いた減少傾向に一時的に歯止めがかかった。このうち、EU27の牛飼養頭数の約85%を占めるEU15の飼養頭数を見ると、EU15となった95年以降、一貫して減少してきた飼養頭数が2007年に初めて前年同期比で0.8%の増加を記録した。

 近年のEUにおける牛飼養頭数の減少の最も大きな要因は、飼養頭数の約3分の2を占める乳用牛が減少してきたことが大きい。EUでは、牛乳・乳製品の需給安定を図るため生乳クオータ制度を導入しており、この数量がほぼ一定水準で推移する中、1頭当たり搾乳量の増加に伴い、搾乳牛の頭数が減少してきた。ただし、2007年は好調な牛乳・乳製品需給を背景に、生産者乳価が大きく上昇するなど酪農経営を取り巻く環境が改善されたことが、乳用牛飼養頭数の減少の鈍化につながったと考えられる。なお、2008年の生乳クオータは全加盟国で2%拡大(一部の加盟国は2.5%)しており、引き続き牛飼養頭数の減少鈍化または増加が期待される。

EUにおける牛飼養頭数の推移

2007年の牛肉生産量はわずかに増加

 EUROSTATによれば、2007年のEU27の牛肉生産量は前年比0.6%とわずかに増加した。と畜頭数は2億8,801万頭と前年比で1.6%減少したものの、平均枝肉重量が284キログラムと前年比で2.2%増加したことによるとしている。

 EUの2007年後半の好調な牛肉価格などを反映して、雄牛の牛肉生産は前年比4.2%増とやや増加(と畜頭数は同1.8%増、平均枝肉重量は同2.4%増加)しており、このことがEUの牛肉生産を押し上げた。一方、雌牛の牛肉生産は同1.0%減、子牛肉生産は同6.8%減となった。雌牛の牛肉生産減少については、2007年の好調な生乳生産をめぐる状況が、雌牛の更新延長につながったためと考えられる。また、子牛肉生産の減少については近年の乳用牛頭数減少による子牛頭数の減少に加え、生産資材費や飼料用乳製品価格の上昇により収益性が悪化したことによると考えられる。

EUの牛肉生産をめぐる状況


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