需給動向 国内

◆飼 料◆

平成20年7〜9月期の配合飼料供給価格は、穀物価格の高騰を受けて約1,500円の値上げ


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成20年5月の飼料用トウモロコシの輸入量は937,962トン(前年同月比6.1%減)となり、10カ月連続で前年同月を下回った。輸入価格(CIF)は、3月末に米国農務省が公表した生産者作付意向調査の結果、トウモロコシの作付面積が減少するとの見込みを受け、シカゴ定期が4月以降、ブッシェル当たり600米セントを超える高い水準で推移したことを背景に、5月はトン当たり33,919円(同24.1%高)と上昇した(図9)。トウモロコシのシカゴ定期(期近)は、アイオワ州を中心とした米国中西部コーンベルト地帯の洪水被害による作付面積減少の不安から、6月中旬以降、ブッシェル当たり700米セント(トン当たり29,488円:1ドル=107円)を超える取引が続いており、輸入価格に及ぼす影響が懸念される。

図9 配合飼料原料 シカゴ定期と輸入価格の推移

 大豆油かすも輸入価格(CIF)の上昇が続いている。5月は、17カ月連続で前年同月を上回るトン当たり53,317円(同38.1%高)となった。大豆のシカゴ定期(期近)を見ると、昨年の価格上昇により、作付面積増加見込みがUSDAから公表された4月以降、いったん下落傾向にあったが、トウモロコシ同様、洪水被害による影響が懸念され、6月はブッシェル当たり1,500米セント台(同63,189円)の高値で取引が続いた。

 配合飼料の原料となる穀物価格の高騰が続いていることを背景に、全農は6月20日、20年度第2四半期(7−9月)の配合飼料供給価格を1,500円値上げすることを公表した。値上げの要因として、全農は、(1)トウモロコシの作付面積減少により、来年度の期末在庫率見通しが5.38%と史上二番目に低い水準となっていることから、シカゴ定期は強含みで推移すると見込まれること、(2)米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃が、中国を中心とした鉄鋼原料輸送需要の増加に加え、南米からの穀物輸送が増加していることなどから急騰し、トン当たり150ドル前後(16,050円)の水準になっていること−などを挙げている。


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