需給解説

ハンバーグ・ハンバーガーに関する消費者意識調査の結果概要

社団法人 日本ハンバーグ・ハンバーガー協会


1.はじめに

 ハンバーグ・ハンバーガー業界は、消費者のニーズの変化に対応し、製品の品質向上、新製品の開発に努め、消費の拡大を図っているが、近年、食品の表示に関する不祥事、原材料の高騰などから、その消費は横ばい傾向にある。このような情勢の中、消費者のハンバーグ・ハンバーガーなどの食肉製品に対する認識、今後の消費動向を調査、分析し、新たな商品開発および販売促進への活用などに資するため、社団法人日本食肉協議会の助成を受け、この調査を実施した。


2.調査の設計

(1)調査の目的
 ハンバーグ・ハンバーガーなどについての消費者の利用実態と意識を明らかにし、今後の製品開発および販売促進の基礎資料に資する。

(2)調査の対象
 食材宅配を利用している家庭の方で、普段料理をしている20歳以上の方

(3)調査地域およびサンプル数

(4)調査方法
 本協会広報委員会で質問を策定し、質問票を配布、回収して実施した。

(5)調査の時期
 平成19年12月〜平成20年2月


3.食肉の関心度について

 食肉の関心度(複数回答)は、牛肉、豚肉、鶏肉ともに「安全性」と「国産か輸入品か」の二つの回答で6割を占め、首都圏では「安全性」、関西圏では「国産か輸入品か」に対する関心が高い。

(1)牛肉
 「安全性」、「国産か輸入品か」に関心を示す回答が合わせて6割を占める。次に「価格」で、首都圏の20〜30代の半数は「価格」と回答した。40代以上では、「赤身の多少」、「銘柄」などに関心が高い(図1)。

図1 牛肉の関心が高いもの

(2)豚肉
 牛肉同様、「安全性」、「国産か輸入品か」に関心が高く、次に「価格」、「肉の部位」や「脂身の多少」に関心を示す回答が多かった(図2)。

図2 豚肉の関心が高いもの

(3)鶏肉
 鶏肉についても、「安全性」、「国産か輸入品か」に関心が高い。20〜30代では「価格」への関心も高い(図3)。

図3 鶏肉の関心が高いもの


4.即席ハンバーグ・ミートボールの利用実態について

(1)即席ハンバーグ・ミートボールの利用頻度
 最近1年間の利用状況は、「利用する」が42.8%、「ほとんど利用しない」が50.0%、「利用したことがない」7.2%である。利用頻度では、「月1回程度」利用するが最も多く20.4%、次いで「月2〜3回利用する」が12.9%である。関西圏の30代は利用率が高く「週2〜3回利用する」との回答も7.7%あった。利用頻度は全体的に加齢とともに減少する(図4)。

図4 即席ハンバーグ・ミートボールの利用頻度

(2)最近1年間の購入回数
 利用している人の最近1年間の購入回数は、「変わらない」64.7%、「やや減った」11.6%、「減った」17.6%、「増えた」と「やや増えた」は合わせて6.1%である。首都圏の20代の約8割は「変わらない」と回答した。50代以上および関西圏の20代は「減った」とする回答が増加している(図5)。

図5 即席ハンバーグ・ミートボールの購入回数

 今後の購入回数についても質問したところ、71.7%が「変わらない」と回答している。

(3)購入回数増減の理由
 増減の主な理由(複数回答)は、「安全性」17.8%、「料理時間の短縮」15.1%などとなっている(図6)。記述式回答を見ると、増加の理由として20〜40代では、「お弁当を作るようになった」、「お弁当の回数が増えた」との回答が複数みられ、また減少の理由として「お弁当を作らなくなった」との回答が見られた。

図6 即席ハンバーグ・ミートボールの今後の購入回数増減の理由

(4)購入時の注意事項
 注意事項は、「賞味期限」14.3%、「製造業者名」12.8%、「添加物の有無・種類」12.9%、「原産国・原産地」13.5%、「原材料」12.1%、「価格」11.4%などとなっている(図7)。

図7 即席ハンバーグ・ミートボールの購入時における注意事項


5.ハンバーガーショップの利用実態について

(1)ハンバーガーショップの利用頻度
 利用頻度は、「月1回程度」が30.6%、「月2〜3回」17.9%、「それ(月1回程度)以下」は47.8%である。利用頻度は、加齢とともに大幅に減少していくことがうかがえる(図8)。

図8 ハンバーガーショップの利用頻度

(2)最近1年間のハンバーガーを食べる回数
 最近1年間の食べる回数は、「変わらない」58.6%、「増えた」と「やや増えた」は合わせて9.8%、「やや減った」と「減った」は合わせて31.6%である(図9)。

図9 ハンバーガーを食べる回数

 今後の購入回数についても質問したところ、68.4%が「変わらない」と回答しており、「やや減る」、「減る」との回答は合わせて26.7%となっている(図10)。

図10 今後ハンバーガーを食べる回数

(3)ハンバーガーを食べる回数の増減の理由
 回数の増減の理由は、「健康面」18.5%、「年齢的理由」15.7%、「安全性」14.0%、「家族構成の変化」10.0%などである。増加の理由について記述回答を見ると、30、40代は「子どもと一緒」と「仕事で外食」、「食べるのが簡単」などが挙げられた。減少の理由では、「カロリーが高い」、「子どもと行かない」、「外食の機会がなくなった」などの回答が見られた。

(4)ハンバーガーの種類に望むもの
 希望は、「野菜の量の多いもの」23.3%、「カロリーの少なめなもの」19.3%、「バンズ(丸パン)のおいしいもの」19.1%、「パティの種類を多く」11.9%、「塩分の少なめなもの」、「脂質の少ないもの」がそれぞれ11%である(図11)。

図11 ハンバーガーの種類


6.JASマークの認知度について

 JASマークの認知度は、「知っている」76.9%、「見たことがある」17.8%、「知らない」3.8%である。

 購買時におけるJASマークがついているかどうかの注意度は、「注意している」19.7%、「ときどき注意している」42.0%、「注意していない」が34.7%である(図12)。年代が高まるとともに、JASマークの有無を注意する割合は高くなる傾向にある。

図12 JASマークをどう注意していますか

 調査報告の詳細については、当協会ホームページ(http://nhha.lin.go.jp/)に掲載しています。

元のページに戻る