需給動向 国内

◆鶏 肉◆

平成20年度のブロイラー需給見通し、国産志向強まる


◇絵でみる需給動向◇


  農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課は平成20年3月28日、全国ブロイラー需給調整会議を開催し、20年度の需給見通しなどを公表した。これによると、20年度見通し(試算)の「需要量」は、景気などの状況により変動はあるものの国産肉志向の顕在化などにより家計消費量が前年度を1.4%上回る617千トン、加工業務用が1.3%上回る1,107千トン、合計で前年度を1.5%上回る1,725トンと見込んでいる。

 これは、前年度の見通しに比べ、加工業務用需要量の伸びの鈍化が輸入量の減少に反映されている。

 一方、素ひな出荷羽数より推計した生産量(骨付きベース)は、種鶏導入数の増加や国産回帰による影響から前年度を1.5%上回る1,369千トンとし、輸入量(実量ベース)は前年度を1.8%下回る355千トン、「供給量」全体では前年度を0.8%上回る1,725千トンと試算した。(表2)

表2 平成20年度需給見通し(試算)

 また、参考として、鶏肉調製品を含めた正肉換算ベースの見通し(表3)が示された。それによると、前年度に対し「需要量」は0.5%、「供給量」は0.1%下回るものと推計しており、大幅な伸びではないにしろ、今年度も22.5万トンベースの鶏肉調製品が輸入されるものと予想している。

表3 正肉ベース換算

 20年度は輸入食品全般の安全性に対する不安感が高まる中、輸入鶏肉価格の上昇などにより国産品に対する引き合いが強まっており、逆に国産鶏肉に対する信頼感が生まれているものと思われ、更なる国産志向の需要が高まることが予想される。


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