需給動向 国内

◆豚 肉◆

中国産冷凍ギョーザ事件も一因か、国産豚ひき肉の販売増について


◇絵でみる需給動向◇


 当機構調べによる食肉の小売動向(POS情報)によると、平成20年2〜3月期における国産豚肉ひき肉のレジ通過1,000人当たりの販売数量は前年同期比9.3%増と顕著な変化がみられた(表1)。一方、総務省がまとめた2月の家計調査(1世帯(2人以上)当たりの支出額)でも生鮮肉が前年同月比11.3%増と増加しており、かつ、ギョーザ*の支出額の推移では、1月の中国産冷凍ギョーザ中毒事件発生以後2円以上の減少となっており、中国産冷凍ギョーザが原因と疑われる健康被害の発生が消費者の購入行動に大きく影響しているものと思われる。

 (*ここでいうギョーザとは焼きギョーザ、蒸しギョーザ、水ギョーザ、揚げギョーザのほか、生も含み、冷凍品は含まない。)

表1 国産豚肉ひき肉の販売数量

 これらを背景として、国産品の加工用原料への需要が高まっているものとみられ、2月以降卸売価格が上昇している。2月の枝肉卸売価格(東京市場)は、国産豚肉への需要が高まる一方で、寒さが続き増体が良くなく、取引頭数が伸び悩んだことから、前年同月を大幅に上回るキログラム当たり563円(前年同月比26.5%高)となった。

 また、仲間相場を見ると、主にひき材の原料となるうで、もも(冷凍)の価格が、2月以降大幅に前年同月を上回っている。3月は、うでが同562円(同21.1%増)、ももが588円(23.5%高)となり、中国産冷凍ギョーザ事件発生前の1月と比べ、ともに60円以上の上昇となった(図2)。

図2 卸売価格(東京市場)と仲間相場の推移(対前年同月比)


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